劇場公開日 2021年9月17日

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「とても繊細な映画。 (初めのドン引きする運転のシーンは別として) ...」トムボーイ ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 とても繊細な映画。 (初めのドン引きする運転のシーンは別として) ...

2025年9月13日
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鑑賞方法:VOD

とても繊細な映画。
(初めのドン引きする運転のシーンは別として)
本当に男の子に見えるゾエ・エラン。
11歳の時の作品で、長編映画には多く出ていない。しかし私は2024年に観たショートフィルムの『マックス』(2019)も思い出深くて、もう一度観たくなった。18分の作品で自動車整備工場のインターンとして働く、機械工学に情熱を燃やす口の悪い若い女性を描いた短編。2019年のカブール映画祭短編部門最優秀女優賞を受賞。

『TOMBOY』では、気付かれるのか? バレるのか? 打ち明けるのか? バラされるのか?見てて不安になるが、私は母親と父親の気持ちで観た。男の子ぶるのは良いが、友達を騙しては駄目だ。学校も始まるし。
だがゾエ・エランの演技に引き込まれる。監督の手腕なのも間違いない。
まつ毛が長いロールの妹ジャンヌ役のマロン・レヴァナも名演技。

『水の中のつぼみ』(プールから見上げる)、『ガールフッド』(一歩踏み出す横顔)、『燃ゆる女の肖像』(口で息をする)の様にラストショットが印象でいい。Para Oneの音楽と共に!

※ゾエ・エラン:1999年2月2日生まれ。
※パラワン:ジャン=バティスト・ド・ロービエニ、通称 パラワンはフランスのDJ、作曲家でシアマの多くの作品で音楽を担当。
※何かで読んだが「シアマの映画に共通するテーマは、性別の流動性、少女や女性の間での性的アイデンティティ、そして女性の視線である」との事。なるほど。
※『トムボーイ』:シアマは3週間で脚本を書き、3週間でキャスティングを終え、20日で撮影を終えた。
※映画は、第61回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門でプレミア上映され、クィアを題材にした映画に贈られるテディ賞を受賞した。
※2011年(第20回)東京国際レズビアン&ゲイ・フィルム&ビデオ・フェスティバルで上映された10本の一つ。

ナイン・わんわん
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