劇場公開日 2021年9月17日

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「☆☆☆★★★ 2008年、渋谷のAーQXで初めてこの女性監督のデビ...」トムボーイ 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0☆☆☆★★★ 2008年、渋谷のAーQXで初めてこの女性監督のデビ...

2024年3月19日
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☆☆☆★★★

2008年、渋谷のAーQXで初めてこの女性監督のデビュー作『水の中のつぽみ』を観た時、多感な少女が知る《性のめざめ》には、何か不思議な感覚を覚えた。

昨年、『燃ゆる女の肖像』で日本の映画フアンから絶大な支持を集めたものでしたが。個人的には思いのほか刺さらず…「アレ?良作だとは思うんだけどどなあ〜」と、生意気にも💧

鑑賞後に『水の中のつぽみ』の監督と知り。少女の繊細な心模様の波紋から、どうゆう経路で大人の女性の話へと至ったのかに興味を持つたのでした。

本作品は監督第2作目らしく、題材となるのは今回も子供。

何人かの子供達が登場しますが、どうゆう演出をしているのだろう?出て来る子供達がとにかく自然で、(日本映画等によくある)子役独特のいやらしさが皆無で、この女性監督の演出の確かさが良く分かる。
どこか、かってのトリュフォーの映画(『トリュフォーの思秋期』等)に出て来た元気な子供達を思い出したのは、こちらがおじさんになってしまった証拠だろう💦

映画が始まり、暫くしたところでのお風呂の場面で、この主人公のミカエルが持っている悩みと秘密に関する予想はついてしまうので、その後に待ち受けるサスペンス的なドキドキ感はないものの。ミカエルが抱える心情に、段々と没入してしまい、(多分少数意見にはなるでしょうが)『燃ゆる…』を観た時よりもこちらの胸にはガンガンと刺さって来る作品でした。
バレエを題材とした作品の『girl』も秀作でしたが、あちらとは逆の意味で対を成す作品かと思います。

撮影当時は、まだ監督としての評価も定まってはいなかったであろうし。観ていれば分かる通りに。低予算、且つ与えられる作品としての尺も短く纏める要求を受けていたであろう…と見受けられる。
それだけに映画本編は、中途半端気味に終わってしまうのですが。逆に言えば、その後ミカエルに起こりそうな子供のイジメであり残酷さをリアルに描かない事で、観客側は嫌な気分にならずに済んでいる…とも言えると思う。

今後は『燃ゆる女の肖像』の成功で、大きなプロジェクトを請け負うのでしょうね。
監督デビュー作に2作目と、共に素晴らしい子供の演出技を見せてくれただけに、更に子供を巧みに演出する新たな作品もまた是非観てみたいものです。

リザの美人さと、ジャンヌの可愛らしさにも一言触れておきましょう( ;´Д`)ハアハア

2021年10月23日 キネマ旬報シアター/スクリーン3

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松井の天井直撃ホームラン