ブルー・バイユーのレビュー・感想・評価
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浅はか…
今の移民制度が確立する前の80年代以前に養子縁組された移民は認められず、強制送還されてしまう。エンドロールでも対象者が沢山いることが分かる。という事実をまず知らず、過酷な環境で育った人々は主人公のように前科者もいると思う。移民、貧困、差別を背景とした社会問題を扱いながら、所々、ベトナム人女性との交流シーンや、母親とのシーンなどオリエンタルで抽象的な映像があり、緩急ある展開。だが、養母に幼い頃の恨みがあるとは言え、妻に嘘をつき、出廷をすぐに頼みに行かなかったり、金のためにバイクを盗んだりと、かなり浅はかな行動、思考回路に共感できず、本当に家族を愛しているのかと思ってしまった。
脱亜入欧で、破滅型自己憐憫な話。この映画で涙するべきでは無い。
養子縁組の問題点は理解出来るが、このストーリーはあり得ない寓話に感じる。
カメラワークがドキュメンタリー風を気取って、ゆらゆら揺れるのが汚く見える。
ベトナムと朝鮮が分断国家だったので、共感を得るための脚本なのだろうが、朝鮮はまだ、戦時下。ベトナムはアメリカがベトナムに負けて、47年も経過している。祖国を思う気持ちに、二人の共通点は無い。
そもそも、この主人公は1988年に養子縁組でアメリカに来ている。つまり、1985年生まれの37歳。2000年から20年以上経っているのに、市民権の事を知らなかったなんて考えられない。それで、定職につかないで、軽犯罪を重ねていたのでは、破滅型の人間にしか見えない。
そもそも、元旦那のどこが悪くて、主人公のどこが良いのか?それが全く分からない。
元旦那の白人の同僚が、黄禍論だけで、この主人公を暴力を使って、差別する根拠が分からない。いくらなんでも、自由と民主主義の国のはずだ。
この主人公は何より先に定職を見つけ、金を稼ぎ、きちんとした出産と法定弁護費用を稼げは良かったと思う。法定弁護費用が5000ドルと言うが、出産も同額の費用はかかったはずである。
まさか、再び、犯罪に手を染めるとは、全く理解出来ない。本当は評価したくないのだが、女の子の演技を評価したい。
引き続き、同じ様な話なので『タルサ俺の天使』を見た。こちらの映画も自己憐憫な話だったが、大変に良かった。
音楽も美しい
貧困を描いた映画は全てに抜け道がなくて相手を思えば思うほど悪い方向に向かって行ってしまって救いがない…。
お金が入ったら何処へ行きたいかの問いに「ここがいい」と答えるアントニオが印象的。
ジェシー役も本当に素晴らしい。二人の関係がアントニオの人柄を映し出していた。
エースが意外といい奴だったのが救い。
都合良くハッピーエンドにはならない事は分かってはいたけれど、どうか再び家族が逢えて幸せになって欲しいと願わずにはいられない。
家族映画の秀作
これは今年一番の拾い物かも知れない。
本作には親に見捨てられた子どもが2人出てくる。
主人公アントニオ(ジャスティン・チョン、なんと脚本監督も務める)は韓国系の移民。幼少期に国際養子縁組でアメリカに来た。
妻のキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)には前夫エース(マーク・オブライエン)とのあいだの子どもジェシー(シドニー・コワルスキ)がいるが、キャシーのお腹の中にはアントニオとの子どもを宿しており、臨月を迎えようとしていた。
ジェシーは実父エースに見捨てられたことが心の傷になっている。
アントニオはジェシーをよく可愛がっているが、ジェシーは下の子が産まれるたら、アントニオが自分のことには構わなくなるのではないかと不安を抱えている。
一方、アントニオは2度までも親に見捨てられている。
1度目は韓国の生母。アントニオを育てられない事情があったのだろう。一度は彼を溺死させようとしたが、思いとどまり、彼をアメリカに養子に出した。
だが、アントニオのアメリカの生育環境は過酷だった。いくつかの家族をたらい回しにされた挙げ句、たどり着いた家の養父はDV男だった。養母(つまり妻)も養子のアントニオも虐待し、養母は彼を守らなかった(おそらく養子のアントニオまで守る余裕がなかったのだろう)。
親に捨てられた者同士ゆえ、アントニオは、ジェシーの哀しみに共鳴できてしまう。同じ経験があるからこそ、アントニオはどうしても、自分が原因でジェシーに哀しみを味あわせたくないという強い思いを持ってしまうのだ。
エンドロールに次々と現実にあったケースが映し出されるように、本作のテーマは国際養子縁組の制度上の問題を取り上げている。
国際養子縁組でアメリカに来た子どもは、養親が手続きをしない限り、アメリカの永住権を得られない。たとえ、アメリカ人と結婚しても、である。
養子でアメリカに来るのだから、その時点では当然、まだ幼い子どもだ。本人に手続きすることは事実上、不可能である。
ゆえに大人になるまで、自分にはアメリカの永住権がないことを知らないケースも多いだろう。
渡米したのが幼少期であればあるほど、本人に出身国の記憶は薄く、アメリカの地に馴染み、アメリカ人として育っているのだが。
この映画の主人公アントニオは、スーパーでキャシーと口論になったところを、たまたまキャシーの前夫のエースが通りがかり、そして悪いことにエースの仕事が警官だったことから、さらに最悪なのは彼の同僚がレイシスト(人種差別主義者)だったことから騒ぎが大きくなり、不法滞在者であることが判明してしまう。
ここから、徐々に国際養子縁組の制度の問題が観る側にも明らかになっていく。なんと、アントニオは強制国外退去をしなければならなくなるのだ。
なんともひどい話ではあるが、この映画が優れているところは、声高に制度について責めるのではなく、あくまでも家族のストーリーとして仕上げている点にある。
この映画には、さらに多くの家族が登場する。
ふとしたことで知り合うベトナム人女性パーカーと両親のこと。
キャシーと彼女の母親。
キャシーの態度から、どうやらエースは彼女とひどい別れ方をしたらしいのだが、エースは、いまではそのことを悔いていて(ヨリを戻したい、ということではなく)、特に娘のジェシーに対しては償いの念を持っている。
離婚、養子、連れ子、虐待、ひとり親と、実にバラエティに富んだ家族が登場するのも極めて現代的と言える。
物語の主軸となるジェシーとアントニオの関係に、アントニオと実母、養親の関係を重ね合わせ、対比させているのも巧い。
こうして、家族のテーマを重層的に描くことで、国際養子縁組の問題を取り上げた映画なのに、「遠い国の制度のお話」にならない。本作のメッセージには、観る者が移民じゃなくても、感情移入できる普遍性がある。
だからラスト、空港でのジェシーの「Don’t go!(行かないで!)」の叫びに涙が止まらないのだ。
ラストは決してハッピーエンドではないが、現実的ではある。
そして見方によっては、永住権の問題は解決しないが、家族の問題は、ほぼ解決に向かったとも言える。終始、重い雰囲気の作品だが、ラストには希望を感じられた。
アントニオの行動には犯罪行為もあって、必ずしも観る者の共感は得られないかも知れない。
だが、この映画の登場人物が直面するのは個人の努力ではどうしようもないような、国や制度の大きな力である。国や制度に翻弄されたときに表れてしまう人間の愚かさ、弱さとともに、素晴らしさ、強さも描かれているのはリアリティを感じられる。
善いことやってたら奇跡が起こって上手くいく、なんて映画みたいなことはそうそうないわけだし、それでも、個人が拠り所に出来るのは家族や親しい友人なのだろうから。
ストーリーは、アントニオの国外退去の危機に向かうタイムリミットものサスペンスとして組み立てられており、飽きさせない。
途中のエピソードも、脚本的にも演出的にも効果的だ。
繰り返される水のイメージ。
アントニオ一家の暮らす家の前は川。アントニオが、学校をサボらせてジェシーを連れ出した場所も池。アントニオがパーカーと語り合うのも川べりである。
タイトルの「ブルー・バイユー」も「青い入江」を歌ったジャズのスタンダード・ソングのタイトルから。
生母に水に沈められたアントニオ。一方、パーカーの母親はベトナムを脱出時の船が遭難して命を落とした。片方は意思を持って殺そうとし、片方は事故による死、という対比も鮮やか。
また、新しく生まれてくるアントニオとキャシー夫婦の子どもに対して、癌で死にかけているパーカーと、生と死の対比も見られる。
そして何度も登場するアントニオの頭上に大きな橋が映るシーン。橋は国境にかかるものとして描かれていると思うのだが、常に大きくて遠い存在として映し出されており、アントニオは一度も渡ることはない。
役者たちの演技は、脇を固めた助演たちも含めて手堅い。中でも子役のシドニー・コワルスキは絶品だった。
アリシア・ヴィキャンデルの歌のうまさにも驚いた。
深くて、切なくて…とても愛しくて
棘が抜けてない…
鑑賞して何日か経ったのに心の棘が未だに抜けない…
アメリカの社会問題を映し出す太くて重いヒューマンドラマ…何とかならないのっ!と
スクリーンに叫びたい程、この愛・深き家族に
手を差し伸べたかった…
足を引きずる様なモヤモヤ感の中でも
劇中、少しかすれた声でアリシア・ビカンダーが歌うスロージャズの夫を想う憂いさが心に残った
ラストはコンタクトがズレる程の濁流涙😂
義理の娘がこのパパを選んだ事が正解である未来を願います🤲
Blue Bayou
ポスターの写真が渡辺篤史に似ているなぁと思って、観に行きました。
そうしましたら、最後にまつ毛がたくさん濡れてしまいました。
ブルー・バイユー(Blue Bayou)はディズニーランドにも同名のレストランがあるようですが、もともとはミシシッピー下流のデルタ地帯の入り江のことで、1963年の歌の題名にもあり、劇中でも歌われます。リンダ・ロンシュタットが1977年にカバーしました。
監督のジャスティン・チョンはアメリカのカルフォルニア州オレンジ郡生まれ。両親は韓国出身。父親は俳優ののちに履き物屋を経営。ジャスティンも服装会社を経営しています。奥さんはサッシャ・エゴロワさん。彼よりもずっと背の高いモデルさん。肌は透き通るように真っ白。たぶん東欧系です。羨ましいな~
奥さんが美人モデルなんで、星ひとつ減らしました。
なかなか理解しづらいのは、アメリカ人女性と結婚しているのにどうしてアメリカ国籍がないのか?
日本だと中国人女性が日本の国籍を取るためにブローカーからお金もらって結婚させられる男がいますよね。それにアメリカ人の養子になった時点でアメリカ戸籍が作られるんじゃないの?養親のせいで、足りなかった手続きって何よ?
実の親が外国出身で就労VISAが切れていてだと生まれた子供も不法滞在者扱いなんですかね?アメリカって、アメリカで生まれたら子供はアメリカ国籍になるんじゃないかと思っていました。
移民関税執行局(ICE)、国土安全保障省のやり方にも人種差別を感じますけど、9・11を境に市民権の有無を強化した施策がなされたのでしょうね。
養子や孤児を扱った映画はとても多くて、そのあざとさにうんざりすることもありますが、実例をもとに新たな問題提起をしてきたことは評価したいと思います。
脚本もとても良くできていると思いました。
キャシー役のアリシア・ビカンダーは名だたる映画でいくつも受賞しているスウェーデンの女優さん。ガイリッチー監督のコードネーム U.N.C.L.E.のドイツの博士の娘役やジョー・ライト監督のアンナ・カレーニナなどに出演。娘のジェシー役の子役もめちゃくちゃ上手い。ジャスティン・チェンがキャストを丁寧に選んだとのこと。いい役者さんたちにとても恵まれた映画と言えましょう。最低な警官役だって、演技巧者のエモリー・コーエンだもん。
パーカー役のベトナム人の女優さんがとてもステキな方でした。フランス育ち。「漂うごとく」というベトナム映画で見たはずなんですが、全然覚えていませんでした。バイク2人乗りのシーン(ウィッグが飛んでいく)や湖畔の語らいのシーンがせつなかった。
アントニオがバイクで湖に突っ込んで、そのまま溺れ死んじゃう方が不幸な生い立ちに孤独で哀れな死に方で、絶望感半端なく、うんと泣けたかもしれません。冒頭のシーンと対になるし。
でも、最後の空港の強制出国シーンは娘のジェシーちゃんや警官の実父の演技がすごくよくて、やっぱり泣いちゃいました。
ハンカチ携帯必須案件
それほど期待せず鑑賞したが、思った以上によかった。
ラストは涙せずにいられない(涙が止められない)。子役の演技がまたイイ。
1945〜1998(だったかな?)の養子縁組には問題があると言われ強制送還されても…人生の折り返し地点で強制送還される身は…
それは報いか?
【ネタバレ有り‼️】
主人公が迎えた結末は、彼が辿ってきた人生の報い?
普通に考えたら、そうだろう
冒頭のまっとうな所に再就職出来ないのは、前科があるから
身重の嫁に金を用意する手段に窃盗を選ぶのも、浅はかな考え
“もっと、まっとうな道があるだろ?”
“コツコツ真面目にやればいいのに”
だが、どう頑張っても「これしか無いんだ」としか考えれない人がいることに思い至るまで、世の考えは多様性に富んでいない
特に、“1日の余暇に映画でも見ようか”という日本の人には
この映画のレビューからも断片的にうかがい知れる背景だ
窃盗を“必要悪”と言いたいのでは無い
ただ、そこまで追い詰められた主人公に「言葉も分からない、家もない“故郷”に送り返される事が当然の報いとは酷すぎる」
監督が盛りだくさんしすぎてJazzノスタルジック織り込んだり、子役の号泣演技に書き消されがちだが、映画の結末の主人公は自分がしたこと以上の報いを強制されている
では、誰が報いを受けるべきなのか?
それを映画は問うている
決して、子を手放した母でも(作中で織り込まれる韓国語の歌声は<私の赤ちゃん 私の赤ちゃん>という意味)、養子にしたが酷い行いをした親を個別に責めているわけではない
それでもアメリカで生きてきた、そんな人が強制送還されることが妥当かを訴えている
私は、そう思う
※全然関係無いけど、アリシア・ヴィキャンデルは歌が上手すぎる🎵
2022年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️✨
最後は、ジェシーちゃんにスッカリ泣かされてしまいました!
(ラストは、来るのか?来るのか?来ないのか?と思っていたら、やっぱり来ました(笑)監督の演出に見事にハマって、もう号泣ですわ。
*映画は、アメリカ国内における、養子縁組制度と国外への永久退去の問題を取り扱った作品でした。
*なかなか複雑な生育歴のある主人公アントニオですが、義理の娘との絆が、観ている側には分かりやすく、感情移入しやすかったです。
*劇中、ベトナム移民(難民?)のパーティーで、アントニオの嫁キャッシーが歌う"Blue Bayou"…ロイ・オービソン作のこの歌、個人的にはリンダ・ロンシュタットの歌声が馴染みがあります。対訳が字幕で出るんですが、まるでアントニオの心情を歌うかのようで、涙誘われる場面でした。
*アメリカの映画には時々、こういったシリアスな問題を扱ったドラマにも、絵に描いたようなありえないぐらい馬鹿な警官が出て来ます…権力を傘に暴力を振るいまくるみたいな…。今の日本の刑事ドラマ等では、もう出て来ないと思うんですよね、こういう警官は…。逆にリアリティが無さ過ぎて。でも、アメリカでは、こういう警官の暴力が日々ニュースになるぐらいですから、それなりにリアリティがあるんでしょうね。やっぱり恐ろしい国です、アメリカは…。
*この寒い冬、暖かい涙を流したい貴方(貴女)にオススメします!
悪くはないのだが…
悪くはない、全然悪くはないのだが、脚本の練り込み不足を感じてしまう…。
バイク窃盗のエピソード、特にそれが後々絡んで来る訳でもないし必要?(ていうか、それを見逃す警官て)。奥さんの元旦那も悪い奴にしたいのか、良い奴にしたいのかどっちなんだよという感じ。また、元旦那を中途半端にしちゃった代わりに作ったんであろう明確な悪役(元旦那の同僚)を用意してしまったので、システムの矛盾・不条理さみたいな話が中途半端になってない?強制送還の措置を取られたのも聴問会が失敗したのも全部あいつのせいになっちゃってるし。しかも後半の襲撃シーンは聴問会に行けなくする為だけに用意されている感が有って唐突過ぎる。最初誰がなんで襲ってるのかよく分からなかった。
テーマ的には語るべき内容だと感じるだけに、そういう部分がすごく惜しく感じた。
最後もちょっとエモーション(泣かせ)に振りすぎでやり過ぎ感が有ったな。
アリシア・ヴィキャンデルが結構歌が上手かったのには驚いた。
追記:あ、そうか、バイク窃盗は奥さんが家を出て行く理由になってたか。
血の繋がりと親子
前夫との間の娘にパパと慕われている、養子縁組によって3歳から米国にいる韓国生まれの男性(遠藤章造似)。妻の出産を控えてタトゥーアーチスト以外の仕事を得ようと就活しても窃盗の前科があり難しい。親子3人仲良く旅行を夢見てスーパーで買い物中、巡回中の警官の前夫と同僚に出くわす。実父が嫌いな娘と揉めてる同僚を見て、韓国人の主人公に嫌悪感を丸出しにする警官。無視をする主人公にカッとなり捩じ伏せ、連行してしまう。去年のアジアンヘイトを思い出す。動画でも撮ってあれば…
そのまま、主人公は義理の両親の手続き不備により不法滞在と判定され、国外強制退去か控訴(負けたら最後)の二者択一、2000年に法改正があったが、1980年代の養子縁組には不適切な例が多いとのことで遡って適用はなし。控訴にも弁護士費用5000ドルが必要となる。
この2点を大きなテーマに、生まれてくる妹にパパの愛情が行ってしまうのではないかと思う、パパと同じ黒髪になりたい娘、同じアジア系でも主人公とは対照的なベトナム難民で癌を患って余命少ない女性と父親、その一族、生みの親である若い女性が池で赤ん坊(主人公)を沈める風景、養子先の義理の父親の虐待から主人公を守ってくれなかった義理の母親との関係などが描かれる。
今の暮らしを続ける最後の望みであった聴聞会に、義理の母親も来てくれていたのに、立ち寄ったカフェの駐車場で前夫の同僚達に暴行を受けて本人が出席せず、そのまま強制退去に。
バイク仲間が暴行の原因を知り主人公の国外退去を手助けする。空港で出国の列にいると、妻と娘が追い付く。そこに更に前夫が追っかけてくる。ヒヤリとするが妻の前夫は警官なのでもしかしたら「セイフ・ヘイブン」並の悪人かとも思ったが、同僚ほどのバカではなく、娘を抱きしめて許しを乞い、愛していると伝えるのだった。黙ってそれを受けとめる娘と実の父親の様子を見て、主人公は一人で出国する決意をする。着いて行くという妻を振り切り、1人で歩き出すとしばらく後、娘が「置いて行かないで!」と叫び、堪らず走って引き返し、娘を抱き締める。しかし別れを惜しむ時間はなく、握った手を無理矢理引き離して去らなければならなかった。くー、こんなことが空港では日常的に起こっているとしたら堪らんなー…
最後、主人公のように養子縁組から数十年後に強制退去になった実在の人達が映し出される。
アリシアちゃんも美しさを封印し、生活に追われている普通の女性を演じている。
深い映画だった。
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