「強いメッセージ」ブルー・バイユー コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
強いメッセージ
ただただ理不尽な現在のアメリカが抱える問題を、克明に描写していました。
たしかに養子縁組による移民は人身売買の温床となりやすく、臓器密売や強制労働とも関わり、闇のオークション市場まであるのが実情らしく、移民法の必要性はあったのだろう。
だが、トランプ政権以降の移民排斥や分断・ヘイトも後押しし、「何十年もアメリカで市民と信じて生きて普通に家庭を持った人が、突然産まれた国とはいえ見知らぬ場所へ連れて行かれる悪夢のような状況がある」と本作は指摘している。
そんあ「アメリカ法整備の不備被害者」の実例を、山盛りてんこ盛りでドラマに組み込んでいる内容なので、観てる間のつらさたるや。
社会性に富んだこういった作品は、人権派が多いカンヌなどの映画祭とかでは受けそうだが、日常描写が多くてエンタメ性は少ないので、日本での興行的には厳しいと思います。
ただ私は、こういうメッセージ性の強い作品は割と好きなんですよね。
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