「必見の傑作…」ブルー・バイユー ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
必見の傑作…
米国の移民政策とアジア系差別、更には貧困に翻弄される主人公の家族…
貧しいのだから何をしても良いのだ、と云うわけでは無いが、いくらなんでも理不尽すぎる。ましてこれがフィクションの世界だけでなく現実に起こって(起こされて) いるのだと知らされれば尚更…
記憶も無い頃から30年も住んでいるのに「不法滞在」として追い返されても、家もなければ知り合いもおらず、言葉すら話せないのをどうしろというのか…
監督・脚本・主演を務めたジャスティン・チョンはそうした理不尽さを伝えたかったのだろう。
キャシーやジェシーの愛、そして養母やエースの意外な行動は救いではあるが、それでも事態がなんら改善してはいないことは明らか。
問題を多々かかえるアメリカ社会で、今このコロナ渦においてアジア系差別の事実を訴えることには一定の意味があるだろう…
映画としても、特に主人公の母親との妄想ともつかない記憶のシーンやベトナム系女性との交流のシーンなど、芸術的な見所も多い。
必見の傑作…
コメントする