「考えれば考えるほど好きになる作品!」ミラベルと魔法だらけの家 おもちまろ。さんの映画レビュー(感想・評価)
考えれば考えるほど好きになる作品!
ラテンのリズムのミュージカルディズニー映画!!
公開を待ち望んでいました!!
いつも☆スコアは直感で付けているのですが、この映画は直感で☆が付けられない…!
感情移入しすぎて☆スコアがつけられません。
こんなに感情移入する映画は初めてです。
ミラベルにも家族たちにもみんなに感情移入しちゃって気持ちの整理が追いつかない…!
ファンタジーなのにリアルでどこか現実的で人間らしくて心に刺さる作品です。
何度も劇場に足を運び沢山の解釈をしたくなります。
少なくとももう一度、劇場に観に行く予定です。
魔法が無いミラベルも魔法のギフトを持ってる子達にも苦悩はある。
互いを認め支え合えば百万力!
寛大で優しい生まれ持った性格がミラベルのギフト!
"魔法"だけが"ギフト"じゃない。
ラテンのリズムでルンルンしちゃうミュージカルなディズニー映画が好きな人は楽しめるはず!
こんなに感情移入させられる映画にもなかなか出会えないので素晴らしい映画と出会えたと思います。
ただ、あまりにも感情移入しすぎて苦しかった。
感情移入はほどほどに…!
以下ネタバレ含みます。
ミラベル幼少期のギフト授与式。
まずあのシーンから辛かった。
大勢に期待をされて希望がいっぱいの小さい子供の心が打ち砕かれる。
リアルすぎて直視出来ませんでした。
時は経ち、子供から少女になったミラベルが家族を紹介する歌「ふしぎなマドリガル家」
明るいテンポの可愛い歌でミラベルがどんなに家族を愛しているかが伝わります。
それと同時に家族や街の人がミラベルに対してどんな扱いをしているかも伝わります。
幼い時からこんな扱いを受け続け、それでも家族を愛する心を持ち続けているミラベルが愛おしくも苦しくなります。
明るいテンポの可愛い曲だからこそ、強がって悲しさを隠すミラベルの心の強さと弱さが切ないです。
おばあちゃんも厳しく、姉達や親戚からも邪魔者扱い。
街の人も「魔法が授からなかった時はがっかりしたよー!」とか「ギフトがない人にプレゼント〜」とか嫌味が妙にリアル。
こういう言葉をかけてくる人いるよね…。
子供だから仕方ないにしても「ミラベルのギフトは?!」って詰め寄るのも見ていられない…。
おばあちゃんや姉や家族たちに冷たくされて、街の人にもあんなこと言われて、明るく元気に振る舞ってるミラベルの気持ちを考えてしまい苦しいです。
苦しすぎて胃痛までしてきました。
映画を見ていると自分がミラベルになったような気持ちになっていて、ミラベルと一緒に怒って悲しくなって動揺して…
冒頭の短時間でここまで入り込めるのは本当にすごい。
ミラベルの従兄弟のアントニオの魔法授与式で、アントニオが自分には魔法があるだろうか…と怖がって不安になっているところを慰めるミラベル。
アントニオがひとり部屋になっても寂しくないようにと、手作りのぬいぐるみをプレゼント。
ミラベルは魔法は使えない分、何かを手作りしたりするのは上手なんだろうな。
一人遊びが上手になってしまったんだろうな…切ない。
お部屋も刺繍糸とかたくさんあった。
アントニオの魔法授与式をミラベルは観るだけでも辛いだろうに、「怖いから一緒に来て」とアントニオに言われ手を繋ぎながら魔法の扉まで歩くシーン。
アントニオは悪気はなく、大好きなミラベルと歩いて勇気が欲しかったんだろうけど、どんな気持ちでミラベルは歩いたのだろうと想像すると恐ろしい。
でも、ミラベルの優しさでアントニオは救われたと思う。
ミラベルが魔法の家の異変に気がついて、忠告しても、魔法がないから注目してほしいための嘘扱い。
ミラベルの気持ちになりすぎて、具合が悪くなってきてしまい一度席を立とうか考えた程です。
もし家で観てたら途中でテレビの電源抜いてたかもしれない。
でも最後まで観続けてよかった。
ここからが本番…!!
親戚やお姉さんに家や魔法の異変について探りを入れ始めたら、段々と明らかになっていく、家族みんなの心情。
「力持ちの魔法が弱くなっている気がする!」と不安がるルイーサ。
魔法を持っているのに毎日、筋トレしている様子がチラリと写っていたストイックで努力家の彼女。
大きな筋肉で怖いもの無しに見える彼女が怖いのは自分が必要とされなくなること。
魔法があるのが当たり前になっている彼女は魔法がなくなって周りから失望されるのは怖いだろうな。
魔法がなくなったらどうしよう!という悩みはミラベルからしたら羨ましい悩みかもしれないけど話を聞いてあげるミラベルにルイーサも救われただろうな。
未来を透視する魔法を持ってるブルーノおじさんが魔法がなくなっている手掛かりを知ってるはずと失踪したブルーノを探すミラベル。
良いことも悪いことも透視できるから、悪いことを避けるように助言しても、嫌な人がられたブルーノ。
魔法を持っていても除け者のブルーノと魔法が無いから除け者のミラベル。
私ならどっちだったとしても引き篭もるし失踪するし家族を嫌いになる。
だけどこの2人とも家族が大好き。
なんだか似たもの同士な気がしちゃう。
ブルーノの透視を元に、ミラベルがイサベラとハグをしようとするシーン。
ミラベルのせいで婚約者との食事が台無しになった!とカンカンに怒っているイサベラは「何もかも完璧居ないといけない!」と気を張っていてプレッシャーでいつも怒っていた事が発覚。
「本当は好きな相手じゃないけど家族のために婚約もしてた!!」って…イサベラちゃん自分を犠牲にしすぎだよ…!!
ルイーサもイサベラもなんて最低な姉共!と思ってたのに!
ルイーサもイサベラも頑張り屋…!!好き…!!大好き!!!
頑張り屋だけどちょっと不器用な3人似てるな…さすが姉妹…。
何度も席を立とうか悩んだけど観てよかった!!
頑張れマドリガル3姉妹!!!
アナと雪の女王の姉妹とは真逆な雰囲気で喧嘩ばっかりで悪態つきまくるこの姉妹はリアルで良い…!と私の気持ちが最高潮な時に、おばあちゃんがミラベルに辛辣なシーンへ突入。
「ルイーサが不安になるのはミラベルのせい!」
「イサベラが騒いでるのはミラベルのせい!」
なんでもかんでもミラベルのせい!!
本当の家族の声を聞かずになんて酷いおばあちゃんなの!?と怒りでワナワナしていた時にミラベルの一言。
「こうなったのはおばあちゃんのせいじゃないの?!」
ミラベル、よく言った…!!頑張ったね!!ミラベル!心の中で拍手。
家は崩れ始め、みんなは家の外に逃げる中
ミラベルが必死に命かけて魔法の蝋燭を守りに家の中へ。
結果、蝋燭の火は消え、家も崩れ、ミラベルはしゃがみ込みます。
おばあちゃんはミラベルの心配の前に家の心配している様子。
住む場所がなくなり焦るのは当然だけど、ミラベルからしたら悲しいはず。
それに守りたかった物が守れなかったという怒りと悲しさでミラベルは自分にも落胆したはず。
それなのに、一言おばあちゃんの「ごめんなさいね…」で許してあげるミラベル寛大過ぎて、小さな事で怒ったりイライラしてる自分が恥ずかしくなりました。
最後、「魔法がない普通も特別!」という感じで、家族のギフトも無くなって家の魔法だけが残るのかと思ったら家族の魔法は戻ってきて、家族それぞれの魔法の扉も復活…。
ミラベルのドアには家族全員が出てきて家族の物になっている。
ミラベルには何もないの?と最初は困惑しましたが
魔法も特別なギフト。
魔法は無くても性格は特別なギフト。
何かを持っていてもいなくても皆んな悩むし努力する。
特別だけど特別なんてきっと無い。
家族への魔法が元通り戻ったのは、生まれ持った特別な能力もその人自身の大切な個性ということなんでしょう。
ミラベルには何もないのではなく
ミラベルの性格や人生が神様からのギフトで、魔法の家や家族含めてミラベルのドア(部屋・ギフト・魔法)と考えたらスゥと心が穏やかになりました。
都合よく解釈しすぎかもしれませんが…。
長く語った中で何度が書いたように、みんなミラベルの優しい性格に救われたはず。
その強さと寛大な"性格"がミラベルへのギフトなんだなと思う反面、ミラベルばっかりそんな可哀想な役目を引き受けるのはあんまりだよ…という気持ちもあります。
これから先の未来、ミラベルが幸せでありすように。
初見ではミラベルの気持ちになりすぎて、しっかり落ち着いて見られなかったので、最後まで知った状態でもう一度観たいです。