「ミラベルは実は…」ミラベルと魔法だらけの家 けんしんさんの映画レビュー(感想・評価)
ミラベルは実は…
===考察===
ミラベルは実はギフト(能力)を授かっていたと思う。以下、個人的な考察です。
序盤の曲「ふしぎなマドリガル家」の歌詞に、「真心が奇跡の炎を次の世代へ繋げてゆくのです」とある。
奇跡の力の源は真心であり、祖母アルマ(もしくは命を呈した祖父ペドロ?)を起点として、子や孫たちにギフト(能力)が授けられてきた。
作中で祖母アルマの能力であるとは明言されなかったが、高い山に囲まれたエンカントや、魔法の家「カシータ」の存在がそれであったと考える。
家族や仲間を守りたいという祖母アルマの強い想いが、エンカントやカシータを創った。
ミラベルがギフトを授かる(こととなっていた)日、何も起きなかった、つまり、ギフトは授けられなかったように見えた。
だがこのとき、実は祖母の持つエンカントおよびカシータの能力がミラベルに継承されたと考える。そしてこの時点で祖母は能力を喪失した。
しかし、ミラベルに能力が継承されたことには、ミラベル本人を含め誰も気づいていない。
こう考えると、色々辻褄が合う。
ミラベルの心理状態(気分の浮き沈み)と魔法の力の強度に相関があるからだ。
ミラベルは普段明るく振る舞っているが、特別な能力を持った家族たちと自分を比較して、昔から劣等感を抱いていた。実は心に暗がりを持っている少女である。
従兄弟のアントニオが動物と会話できる能力を授かったとき、ミラベルは非常に強い嫉妬心・劣等感を持った。そしてカシータに大きなひび割れが生じた。
姉のイサベラが、ありのままの自分でいることの素晴らしさに気づき、イサベラと一緒にミラベルが喜ぶと、家族の能力が強まった。
そして、祖母アルマに対して「魔法の力が弱まっているのはおばあちゃんのせいだ」と強い不満を意見すると、ついにカシータは崩壊し、エンカントを守っていた周囲の山は割れた。
最終的には、ミラベルが自分の中の劣等感を克服し、家族への愛情が一層強くなると、エンカントやカシータは復活した。
劇中では一見、祖母アルマの心理状態が魔法の力に影響を及ぼしているようにも見えたが、明らかにミラベルの心理状態が影響している。
以上のように、ミラベルを含め、マドリガル家の皆ギフトを授かっていたのだと考える。
===ここから素直に感想===
他人と比較して劣等感を感じてしまう主人公を描くことはよくあるが、秀でているからこそ感じるプレッシャーや焦りなども描かれていたのが個人的によいなと思った。「私からこれを取ったら存在価値が無くなる・・」など、確かにそういうこともあるのだろうなと思った。
家族の食卓を見ながら、1枚の壁の向こうでブルーノがいつも自分用のテーブルで家族と同じタイミングで食事をしていたと思うと泣けた。
でも、終盤に「(魔法が無くても)仲間がいる゛よ!!!!」的なノリになって感動したのに、結局魔法が復活したので、「あ、やっぱ魔法はあったらあったで使いたいのね」となって少し興醒めした。
でも総合的にはおもしろかったし満足です。やっぱりディズニーのミュージカルアニメーション映画は好きです。ディズニー行きたくなりました。