「夢のまにまに」ミラベルと魔法だらけの家 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
夢のまにまに
ディズニーアニメやっぱりクオリティ高い!正直キャラデザはあまり好きではないんですが、滑らかに動く踊るキャラクターたちのイキイキとした表情が素晴らしいです。色彩豊かな映像に魔法で動く壁や床などの演出もアニメーションならではの魅力がこれでもかと詰め込まれていました。
ミュージカルシーンが特に楽しく美しく、吹き替え版で観ましたが、どの方も見事な歌声を披露されていて、特に3時のヒロインゆめっちさんの太い声から甲高い声までバリエーションの広い強いミュージカルが見れて最高でした。ガタイのいいキャラクターなので、ゆめっちさんとの普段とも重なって楽しく観れました。斉藤瑠希さん、今作で初めて聞いた役者さんですが、とても声の演技がお上手で、次に関わる作品が今から楽しみです。
物語は主人公だけが特別な魔法を使えるとか、全世界の人間が魔法を使えるというものではなく、主人公が魔法一家の中で魔法を使えないという設定は、「僕のヒーローアカデミア」の緑谷出久の"無個性"に近いものがあるなと思いました。魔法が使える親子からは同情を受け、侮蔑も受け、意図せず孤立してしまう瞬間が怖かったです。と同時に違和感を覚えてしまいました。長女とお婆ちゃん、特にお婆ちゃんなんかは差別的なくらいの厳しさがあり、どうしてもイライラが拭えませんでした。大体の出来事をミラベルのせいにするし、野放しにしたらミラベルの両親を責める、その割には自分が許してもらうときにはすぐに謝らない、本当の悪はお婆ちゃんじゃないか、と思ってしまいました。そこがとびきりのノイズでした。
あと家族の魔法が中々個性的なものだったのにも関わらず、オープニングのミュージカルでしか活かされてなかったのも勿体ないなと思ってしまいました。終盤も魔法が使えなくなったはずなのに、割と壁や床は自由自在に動いているのも不思議な感じでした。そこ雑なんだ…。
ミュージカルやアニメ部分は◎でしたが、ストーリーは粗雑な感じ。どうしても目に余る部分が多いなと思いました。ジャンルこそ違いますが、「ラーヤと龍の王国」、同じミュージカルアニメ映画の「アイの歌声を聴かせて」の出来が良かったが故にストーリーもしっかりしてて欲しかったなぁ。ちょい残念な作品でした。サントラはとても聞き応えがありました。
鑑賞日 11/27
鑑賞時間 13:50〜15:50
座席 J-25