沈黙のパレードのレビュー・感想・評価
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9年ぶり待望の続編!
いやぁ長かった
続編がついに公開
正直前作もあまり悪くはなかったのですが印象は薄かったですからより長く感じました。
やはり相棒は内海じゃないとダメですね
吉高演じる岸谷も内海と差別化する為に頑張ったのはわかりますが
常識のなく、頭がいいはずだけど特に印象的な描写もなく、嫌な印象しかないキャラだったので
私は東野圭吾作品は好きなのですが、ガリレオシリーズはドラマから入ってしまったが故に原作はあえて未読ですのでガリレオ=湯川と内海というのが出来上がってしまっております。
原作は内海じゃなく草薙なんでしたかね?
実は図らずのも今作
私は前情報ほぼなしで鑑賞しました。
予告もなぜか見た記憶がないですし、ニュース番組でも福山、柴咲、北村3名が道頓堀でイベントーとか、次回はさらに9年ですねー
みたいなのは見たのですが
ストーリーは3名以外は誰が出演なのかも知りませんでした。
結論としてはかなりの良作でした。
容疑者Xの方がわずかに上かなという気はしますが
さすが東野圭吾という二転三転する素晴らしいストーリー運びで
終盤の畳み掛けは相変わらず見事でした。
やはりキャスト陣が以前に比べると老けたなぁとは思ってしまいますが
今作非常にキャスト陣の演技が光ってました
下手な若手やジャニーズが混ざってないので映画としての完成度がかなり高かったです。
並木姉妹が割と若手になるのでしょうが
キャラクターとマッチしてたので全然気になりませんでした。
妹役の出口さんも良かったです。
なにより飯尾さんがいい演技でした。
セリフも悪くないのですが表情がとても良かったと感じました。
結果的には吉田羊が不要なキャラであまり合ってない感じもしたのですが、ミスリード用にある程度名の知れたキャストが必要な立場だったので、最初はいらなかったなと思ったですが、やはり必要でした。
気になった点としては
個人的に1作中で何度も同じ曲が使われるのが好きじゃないので
『ジュピター』が恐らく4回くらい流れたのですが
正直しつこいなと思いました。
新倉夫婦がのど自慢大会で謎のアイドルソング?を聴きながら
佐織の歌声を思い出すというシーンがあるのですが、とても印象的なシーンですし、重要なシーンなので歌はここで出すのが良かったと思いました。
特に歌自体が本人歌唱じゃないですよね?全然違う声の人プラスただ貼り付けた感じで全く合ってない歌で
いきなり冒頭から流れたので
初っ端から心が離れました
冒頭は音なしとか、歌う直前で切ってしまっても良かったと思いますし
佐織もそれしか歌えないの?って感じでしまったので色々な曲を歌ってちょこちょこ流す程度で良かったと思います。
ピクサーの『リメンバーミー』がこれと同じ理由で私は合わなかったので似た感覚でした
リメンバーミーはリメンバーミーが5回くらい歌われた印象で
とにかくしつこい
最後のシーンもどうせ歌うんだから早く歌えといいシーンなのに感じてしまいました。
アナ雪でレリゴーを事あるごとに何度も歌う映画だったら?と言えばわかりやすいですかね?
あとは
そこまで気になるところではないのですが
飯尾さん演じる父がイマイチキャラが掴みづらかった感じが若干ありました。
飯尾さん自体が小柄なので
この人は娘のことになるとキレる人なのか
普段からめっちゃキレる人なのかがちょっと理解しにくかった感じでした。
飯尾さんの雰囲気のせいというか
強面店主とかだったらわかりやすいんですけど
あとは事件の真相の一つにある佐織と新倉妻とのシーンのですが、相当お世話なった新倉妻に割と突然キレる佐織が唐突すぎたかな?
まぁ妊娠したということで精神不安定だったのかな?で納得はまぁできます。
しかし
気になる点を差し引いても素晴らしい出来でした
犯人が最初からわかってる状態のようなスタートでここからどうやって話が広がっていくのか
終盤の二転三転
邦画としても傑作に部類できるではないでしょうか?
次回作も是非湯川、内海コンビで早めに期待したいです。
湯川から石神の件を繰り返したくないという言葉があったのも非常に印象的でした。
湯川もとても人間として成長していました。
やっぱり柴咲コウ
吉高由里子も新木優子も好きだけど、やっぱり柴咲コウと福山雅治との掛け合いがベスト。
原作読んでたので、最初のタイトルが出るまでのシーンが一番泣けた。
被害者の女の子に関わりを持つ人が多いから、悲しみが分散してしまって、容疑者Xの時のような号泣はない。
真犯人?と、苦悩する刑事にそれほど同情できなかったので残念。
椎名桔平、同じような役は断ればいいのに。
ガリレオシリーズは実に面白い。最初に福山雅治をキャスティングした人は偉大だな。
シリーズこれからも続けていってほしいです。
演技が良いだけに惜しい
原作未読だが、本来ならもっと深い心理描写を楽しめる作品だったのではないかと腑に落ちない部分が少し。
演技や全体的な絵づくりには全く文句なし。北村一輝の演技がピカイチ。
ただ、やはり朝倉夫妻(主に妻)の蓮沼よりもよっぽど不可解な鋼の精神力だとか、佐織カップルのあまりにも青すぎる妊娠&恩人に対する薄情だとか若干モヤモヤとした部分が残る。蝶になって肩に止まるな、肩に。
殺人を計画したが失敗しただけの人々、無計画にも彼女を妊娠させ(当人は知らないが)夢への道を諦め、死に至る遠因を作った高垣らも、僕らに責任はありませんという態度で締められたがそれでいいのか。
そしてエンドロールで何故過去作を…?
TRICKラストステージのような感傷は覚えられないぞ。
しかしまあ、ガリレオ新作が見られるだけで嬉しかったのは事実なので、鑑賞後感はそんなに悪くはなかったのであった。
期待外れの失敗作
初めに言っておきますが、東野圭吾のファンですし、ガリレオシリーズのファンです。それだけに久しぶりのガリレオ劇場版新作に期待してました。果たしてこれは失敗作だと思います。
ポイント1 湯川である必要性を感じない
損傷のない遺体を前にして、あの殺害方法を警察だけで気がつけないのは情けない。あの程度の仕掛けを警察が解けず、湯川でなければ解けないのは不自然だと思いました。実験も多角的ではなく、単に重さを測っただけの結論では納得がいかない。「新参者」の加賀なら推理だけで実験なしに解いちゃいそうなそんなトリックです。
また、たまたま事件のあった街に湯川がいるのも不自然でした。
ポイント2 ストーリーの歯切れの悪さ
確かに結論が一転二転としていくように見せてはいますが、その結論を導くためのロジックの記述が「沈黙」を破った者の証言だけであり、犯人はこういう人物であるはずだから、この結論になるはずという緊張感がないため、登場人物が証言していく度に、「まだ残っている(証言していない)人がいる、そのどれれかが犯人だな」的な発想ができてしまいました。ひとつひとつの結論に盛り上がりがないため、え!という驚きが全くなかったのが残念でした。彼が死んだ時点でキャスト的にどっちかが犯人だなあと思った通りになってしまいました。原作読まないで見ましたが、原作を読んだら感動してたかなと思いました。キャストに重みをつけすぎです。
ポイント3 北村一輝の演技がすごい!
被害者を苦しめたくない気持ちと警察官としての仕事とに挟まれ苦悩する北村一輝の演技力に脱帽でした。この点が唯一の高評価ポイントだと思います。これがなければ0.5ではなく、0点つけたいですもん。
安定の面白さ。少し物足りない。
ドラマとは違い犯人探し重視で、物理学で解く感じが少ない。直前のドラマの方がまだ科学を使ってた。
原作読んでいないのだけれど、これはスピンオフ的な位置なのだろうか。どうみても主役は草薙なので。
結末はまぁ良かった。
妹が犯人じゃなくて本当に良かった。映画だとこのパターンがよくあるからな。
疑問が残る
【まとめ】
悪い映画、という感じはしなかったがすごく面白いわけでもない。
ただ一緒に観た相手と終わった後に色々突っ込んだりして楽しめたので、自分のコンディションも込みで、まあまあ良いかな、という振り返りになる映画でした。
良い暇つぶしにはなるかもしれないけれど、筋書きが不自然な部分が気になるところもあって、しっかりしたサスペンスが好きの人にはあまりお勧めはできないと思います。
【良かったところ】
・ずんの飯尾の演技が凄く良かった。役もあの声や見た目にピッタリとハマっていて素敵。好感が持てるキャラクターだった。
・北村一輝演じる草薙刑事がトラウマでゲロを吐くシーン。スーツに飛び散ったゲロがリアルで、そこは「おお!」となった。
【ちょっとツッコミたいところ】
*筆者は原作小説未読です。
・増村が、蓮沼の犠牲者の身内だったという設定。
これは蓮沼を殺す舞台として必要不可欠な要素だったわけだが、蓮沼が増村の正体を知らずに、部屋貸して〜!と押し掛け、一緒にチャリンコ乗ってヒャッハー!いうのは見ていてなかなかに疑問。
増村が復讐の為に憎しみをひた隠しにしていたことと、偶然に偶然が重なってそうなったのだろうが…。原作小説だとそこのストーリーはちゃんと書かれていそうな気もするけれど、時間の都合上省いてしまったのかな?
・設定と演出の矛盾。
蓮村が「なみきや」に食事にきたシーン。みんなが啞然とする中、新倉直紀は「だれ?」と妻の留美に聞く。
”娘のように可愛がって指導していた“はずがその彼女を殺した容疑がかかっている男を知らないのは不自然すぎる。
このシーンは、後々留美が「”蓮村を知っているはずなのに知らないフリをするということを湯川(と視聴者)に見せる演出」として作られたのだとは理解しているが、無理がある。
・犯人のその後の行動の愚かさ。
うっかり殺しちゃって、脅されてずっと隠してきました…と、同情を誘うような雰囲気を出しているが、そんなことしておいてよく平気な顔で今まで並木家や街の人と近づけたもんだな、というシンプルに嫌いという感情しかわかない言動にモヤモヤはした。でもこれは映画としては全然オッケー!
*以下、超個人的に“偶然”気になったと思われる部分
・かなり最初の段階から、とある人物の表情や行動を切り取っているシーンがやたらと多すぎて、これ絶対犯人だろうなあと思いながら観ていたら、やはりそうだった。
個人的には少しやり過ぎというか、伏線を張りすぎな感じがする。
中盤で過去の回想シーンがあり、これはかなりのヒントになるのだが、それよりも前から演出がわざとらしくて、真犯人は実は---みたいな展開の割にはなんだかな…という気持ちになりました。
大筋は良かったが、落とし込みが弱い…
ガリレオシリーズ自体ほぼ初見と言って過言ではないが、大変楽しかった。
元々刑事ドラマは無駄に芸能人を起用して、シリアスな展開で持ちギャグを披露して雰囲気をぶっ壊す癖が高い。
今回そういうことはないと見越して見ていたので弊害は無かったが…。
初手から犯人自体は第三視点から割れていたので、頭空っぽにしては見れた。いい意味で裏切られた。
只共犯者の関係性が浅かった(家族以外のあの人…)。
序にこの映画のテーマが「罪か愛か」というもの、またタイトルの「沈黙」。
最後の最後までどこをテーマにしているのか伝わってこなかった。そこが残念。
人物の掘り下げが甘かったのもある…。どうせ2時間の映画だしもう少し伸ばしても良かった気がする
最初が最高潮 ※過去作の犯人に関するネタバレもあり
僕は原作は短編・長編全て読み、中でも長編は何度も読み返してる。
正直数年前沈黙のパレードと禁断の魔術が出た時にいの一番に買って読んだ感想としては「禁断の魔術」は面白かったが、「沈黙のパレード」は今までの長編ガリレオに比べるとさほど面白くないという印象だった。
今回の映画化に向けて読み返したところ初見で読んだ時とは違う気づきを得て格段の面白さだった。
長々と語ってきたが、要するに原作には過度に思い入れがあるということを断っておきたい。
また、原作の解釈にしても、以下述べる解釈はあくまで僕個人が思ったことというのも断っておきたい。
まず、ドラマオリジナルのキャラクターがこの映画にはほとんど出てこない、強いてあげるとするならば途中なみきやに絡みついていたマスコミぐらいだろうか。
その点で言うと過去2作品よりも原作再現度は高くなる・・筈だった。
もちろんオリジナルキャラクターを悪とは思わない、今では原作でもお馴染みとなった内海も元はドラマのオリキャラだし、湯川の助手の栗林さんは渡辺いっけいさんの演技と合わせてドラマが生み出した最高のオリキャラだと思う。
なので原作を一から十まで再現してほしいとは思わない。
が、原作の核となる部分、原作に登場する人物の性格それを変えるのは良くないと思う。
以下、詳細に述べていく。
まず冒頭のシーン。
感動した。
結末を知ってるものからするともうあのシーンだけでウルッとくる。
描き方も無駄な事をすることなく端的に街の人々と佐織の関係性を説明して、美しい。
印象にも残る。
最高のスタートだった。
そこから事件が起こるまではちょくちょく引っかかるところはありながらもまだ草薙の想いや湯川が捜査に乗り出すまでは順調だった。
中盤、湯川によって蓮沼死亡事件の真相が明らかになっていく件も駆け足ではあるが、尺の都合と考えればまだ納得できる。
ミステリーとしての面白みはだいぶ欠けるが、尺がない分人間ドラマに振り切ったんだろうなと考えた。
ミステリーとしての面白さももう少し有れば最高だと思っていた。
そして高垣の自白シーン。
ここの回想から雲行きが怪しくなる
高垣に佐織が「歌手になるのをやめる」というのだ。
いや、その気持ちを伝えてしまうとラストに事件の本当の真相が明らかになった時の驚きが半減・・いや、80%は低下する。
あの本当の真相の衝撃はそれまで「沙織はひたむきに歌手になることを目指していた」という前提があってこその衝撃だろう。
いくら人間ドラマ優先でミステリーはおざなりにするとしてもここだけは絶対に譲ってはいけないところだった筈だ。
が、まぁまだいい。
ミステリーとしての評価は大きく下がるけど原作が伝えたいテーマを十分伝えてくれるのだろう。
そう思っていた。
さて、この作品のテーマとはなんだろう。
僕はタイトルにもあるように「沈黙」だと思う。
もっと言うと劇中で宮沢が言っていた「沈黙は罪になるのか」だ。
このことを念頭において貰いたい。
高垣の告白によって一気に警察の追及は厳しくなる
そして、増村が蓮沼が起こしたもう一つの事件優奈ちゃん誘拐事件の被害者の母方の叔父にあたることが明らかになる。
増村への追及も激しくなるが、増村は一向に口を割らない。
ここの増村のストーリーが全カットに等しいのも尺の都合とはいえ悲しい。
それこそ湯川がいうようにパズルのピースが1つ欠けた感覚になる。
が、それよりも問題なのはここで増村が並木家に復讐の相談を持ちかけるところを回想シーンで見せたことだ。
以前増村は沈黙を保っている。
なので、上記のシーンも物語上では湯川たちは確信を持っているわけではない、まだ「推測」の段階だ。
おそらく製作陣としては分かりやすさを優先して回想シーンを使ったんだろうが、これが逆効果。
わかりやすすぎてそれが事実かのように受け取られた。
いや、事実であるのはあるのだが、何がいいたいかというと「沈黙が破られた」ように見えたのだ。
原作を読むとわかるが増村たちは蓮沼に匹敵する精神力で沈黙を貫く。
その沈黙が破れて増村が自身の真実を話すのは新倉によって沈黙が破られてからだ。
が、回想シーンがひとつ入るだけで最初に沈黙を破るのが新倉ではなく増村のように思えてしまう。
新倉によって沈黙が破られるまで回想シーンは使わない方が良かったのではないだろうか。
その新倉が出頭するのもよくわからない。
原作では激しさを増す取り調べに妻の瑠美が耐えられなくなって倒れてしまったことが引き鉄だった。
映画ではそのシーンがカットされてるので突然出頭したように思われる。
後で映画オリジナルの理由が付けられるわけではなく極めて残念だった。
この時点で今回の実写化は半分失敗だなと個人的に思っていたのだが、この後ほんの少しだけ「オッ」と思う展開がある。
草薙が新倉の告白を鵜呑みにしないのだ。
心の奥底では新倉が真実を語っていないということを察知していることが湯川によって見抜かれる。
これは考えてみれば確かにそうかもしれないと思った。
蓮沼を実際に取り調べして蓮沼の沈黙の手強さを直に感じた草薙だからこそ蓮沼が最後に沈黙を破ったとは思えない
という展開は非常に良かった。
そして、この作品で最も許せない点、それは登場人物のキャラ変更だ。
正直言ってこの真相は原作でもなかなかに後味が悪い・・というと少し違うかもしれないが、今までのガリレオ長編シリーズと違い犯人たちにあまり感情移入できなかった。
新倉夫妻は自分達がなし得なかった夢を佐織に押し付け、佐織は佐織で厳しくて息が詰まるような日々だったかもしれないが、仮にも面倒を見てくれた恩師に対してあまりにも薄情な態度をとるし。
しかし、今回読み直したことで、佐織は若さゆえの青臭い考えが先にあったのだなと再認識できたのだが・・
閑話休題。
真犯人の瑠美が佐織と言い争っている時に映画ではこんなセリフが付け加えられてる。
「(新倉)先生は自分の夢を押し付けてくるし、瑠美さんは先生が私につきっきりになってるのを内心嫉妬してるんでしょ!?」
このセリフを聞いた時本気でクラッとした。
夢を押し付ける云々は出てくるのだが、嫉妬に関しては原作でも出てこない。
さらに言うなら、原作では瑠美は嫉妬を完全否定している。
なのに、この映画では実は瑠美が佐織に嫉妬していたことを匂わせる描写が出てくる。
原作を読んでると瑠美は決して丈夫ではない、捜査員の取り調べで倒れたこともそうだし、常に真実が明らかになることに怯えている。
内心の怯えを取り繕って人と会話できるほど芝居上手なわけでもない。
なので、そんな瑠美が佐織の遺体が見つかった後「なみきや」にご飯を食べにいくことができるわけがないし、楽しく話すことができるはずもない。
さらにいうと夫が殺人をする時に湯川とパレードを見れるほど芝居が達者なわけでも無論ない。
どんな考えや都合があったのかはわからないが、瑠美の性格をこう変えるのは良くなかったのではないか。
さらにやっと活躍した草薙のキャラも変わっている。
原作だと事件解決に全力を尽くすし、蓮沼に対しても思うところはあるが、刑事としてフラットに並木家に接する。
決して無罪であってほしいなんて思うわけはないし、そんな私情は持ち込まない。
ここを変えてる時点でもう草薙に感情移入することができなくなった。
そして湯川も変わっている。
原作で湯川は最後夏美(そういえば夏美の存在感もかなり薄かった)にこう言われる。
「みんなで話してたんです。(中略)まるでエルキュール・ポアロだって」
ポアロはその灰色の脳細胞で事件の真相を解明するが過剰にその罪を糾弾したりしない。
その場にいる人々にとって1番いい結末とは何かを優先する。
湯川もそうだ。
「真夏の方程式」では恭平のやったことを警察に話したりせずに、大人として恭平に教え諭す。
「禁断の魔術」では様々な要因があるが最終的には古芝が合図を送れば躊躇なく大賀の頭を撃ち抜いていたであろう。
そう、湯川はポアロなのだ。
作中で言及されているということは原作者はそこを意識して書いているのかもしれない。
ところが映画では瑠美に自首をすすめにくる。
見当違いも甚だしい。
原作ではここで容疑者Xの献身の内容に触れて湯川が必ずしも自首をすすめにきたわけではないことが明らかになる。
映画でも原作でも湯川が来訪した理由(本当は瑠美は佐織を殺していない可能性があること)は一緒だが、「自首をすすめにきたんでしょう?」の問いに対する答えがまるで違う。(映画では「そのつもりでした」とはっきり明言されている)
ここで容疑者Xの献身の内容に触れていた方がドラマシリーズとしての繋がりも出せたし、ドラマファンも原作ファンも大喜びでとてもハッピーだったのではないだろうか。
もし初めて見る人に対する配慮だというなら聴きたい。「たった一言二言過去作を匂わせる発言があるからと言って初見の人が距離を感じると思ってるんですか?」と。
さらに湯川と町の繋がりも薄い。
原作では湯川が菊野という街に溶け込んでなみきやの常連から次々と情報を引き出していく姿も面白いし、なみきやの面々と親しくなることで湯川もより前のめりにこの事件に関わっていくという側面があるのだ。
この湯川と町の繋がりを描かず、ラストシーンを町の人々のその後を内海から報告されるシーンで終わらせるのはあまりにも面白味に欠けると思われた。
そして、原作でのラストシーン
なみきやに高垣が訪ねてきて許しをこう。
原作を読み直した時、このシーンで泣いたのだがこのシーンがカットされていて喪失感は計り知れない。
先ほど話したこの作品のテーマ「沈黙は罪なのか」
僕がこの作品を読み終わって抱いた感想は「沈黙は罪である」ということだ。
もちろん、法律で沈黙を取り締まる条文はないし、なんなら沈黙は権利だ。
この作品で沈黙と言われると蓮沼の沈黙がかなり印象に残るが、瑠美の沈黙が大きな役割を果たす。
例えば、“もし”瑠美が佐織を殺したと思った時警察に自首していれば、警察の捜査で遺体遺棄容疑で蓮沼を実刑に問えたかもしれない。
また、バレッタがかなり早い段階で調べられて佐織殺害に関しても蓮沼の罪を実証できたかもしれない。
その可能性を潰したという意味で瑠美の沈黙は最悪の選択肢だったのである。
そこで、先ほど述べた原作のラストシーンに戻るが、そんな罪深い沈黙をすることもできたのに、高垣はなみきやに足を踏み入れて自分の思いを話す。
それに対して祐太郎も沈黙せず自分の気持ちを素直に伝える。
つまり原作のラストシーンは沈黙せずに新しい生活を始めようと歩みはじめる大事なシーンなのだ。
そのシーンをカットしたのは沈黙よりも罪深いと思う。
クライマックスもなぜか新倉VS草薙の構図にすり替えられてるし・・・
そもそも根本的に新倉は沈黙していない。
むしろ最初に沈黙を破っている。
たとえ虚偽の供述だとしても。
例えばその前に草薙が「あなたの供述は嘘ですよね?」と問い詰めて沈黙している描写があるならまだしも、あまりにも唐突感が強すぎた。
役者さんの演技は皆さん素晴らしかった。
というかキャスティングは毎回ピッタリなんですよね。
田口浩正さん演じる戸島が草薙に対して声を上げるところは良すぎて思わず震えた。
ずんの飯尾さんも優しさと娘を思う父親としての強さ、蓮沼に対する怒りその全てのバランスが絶妙の名演。
岡山天音さんも良かったからこそ最後の裕太郎と高垣のシーンは見たかった。
【良かった点】 ガリレオシリーズが令和にまた観られることがまず嬉し...
【良かった点】
ガリレオシリーズが令和にまた観られることがまず嬉しい。福山雅治さんの湯川はいつまでもできる完成度、素晴らしい。湯川と草薙の関係の深掘りが行われて、2人が親友であるシーンには、原作ファンとしては胸が熱くなった。
【良くなかった点】
とにかくミステリー要素が弱すぎる。液体窒素があっさり出てきて、え?これで終わり?ってなるし、映画の妹のポジションも謎。妹が殺した以外の選択肢ある?、というか妹じゃなかったら誰が殺したかはどうでもいいな〜と感じてしまった。妹を守るために沈黙を約束する人々、のほうがしっくりきた気がする。あと、沈黙のパレードなのに喋りすぎ!笑
もっと
よかった。間違いなくよかった。
人にも声を大にして薦められる作品。
ただ個人的な感想を言えば結末が…。残酷かもしれないけど事件の真相を知っての全ての登場人物の反応が欲しかった。
容疑者xを見てるからこそ、あのなんとも言えないモヤモヤ感を求めていたかもしれない。
楽しみな人間ドラマの映画版
ガリレオ先生は、柴咲コウとの相性が1番良い気がするわな。
ドラマ版と違い、映画版は毎回せつない話になり感慨深くさせられる。
液体窒素を使ったくだりは、湯川先生の個人的スキルの結果だが、事件の真相は、あのテーマ曲がかかってのガリレオ先生ならではの解決劇ではなかったけど、まあいいか。
犯人の動機は、まあ良くあるパターンと言ってしまえばそれまでになってしまうが、そこは仕方ないかな。
あー、あとそうそうまたもや出演、酒向芳、またまた怪演です。
まだまだ続いて欲しいシリーズであることには間違いない。
ガリレオ
実に面白かったです。
飯尾さん、北村一輝さんの演技がとくに良かったです。
冒頭の歌で鳥肌が立ちました。
感情移入してみると、辛くて苦しくて
人の気持ち、色んな感情を感じとれ
ちゃんと話すこと、伝えること、コミュニケーションの
大切さを感じました。
自分の気持ちを、そのまま相手も感じとってくれたら…
逃げずに向き合うことの大切さも感じとれる作品でした。
物足りなく感じた点は
湯川が数式を書く件がないところです。
やはり、あれがないとガリレオっという感じがしない
他の映画2作品にもなかったかな…?
記憶が定かでないので、2作品とも見直したいと思います。
沈黙がポイント
安定の面白さですね。
今回はトラップ?が仕掛けられてる感じがしました。
内海刑事のヘリウムガスの読み、全く同じでしたが、違うのかい!最初の研究所にシーンではなく、その後のシーンで思わせぶりな感じだったので、キターーー!と思わせてからの〜でした。
あと、祭りの最中の娘への電話と事件現場を自転車に乗って見ている娘の視線これも後半の謎解きでやられました。「真夏の方程式」に引っ張られた感がありますが、流石にそこまでは計算してないでしょう。
1番はやはりタイトルですね!色々入り混じっていて、スゲ〜って思いました。
とにかく、面白く解説も丁寧なので、分かりやすく色々な世代で楽しめると思います。
映画館で観る必要性があるかないか。それが問題だ。
ガリレオシリーズが好きでストーリーに期待し過ぎてしまったので、その薄さが心に残ってしまった。
でも、福山さんに癒されたし、KOH+の歌声は素晴らしかったので、その分0.5プラスして3.0で。
この作品には心に残る景色やシーンが無かったのもあって、ガリレオシリーズはテレビで観たので十分かもしれないと思ってしまった。
東野圭吾のヒューマンドラマと見れば会心の出来
真夏の方程式で「何かが違う」と思ってしまっていたので、観に行くか悩んでいましたがテレビで主題歌を聴いて、良作の可能性が低くないと思い突撃。
ガリレオシリーズとして感じる違和感は少なくはないが、東野圭吾のヒューマンドラマとしては大変満足の行く出来でした。
冒頭の嘔吐から最後に至るまで北村一輝の好演が凄まじい。
湯川先生に関しては、劇場版のドラえもんのジャイアン的な変化だと思えばいい。
シリーズからの三人の結びつきと、書店街の人々の結びつきの対比も面白い。
また、作品を語るうえで外せないのが、飯尾和樹の好演です。正直番宣に出まくっていたので、ウザくて仕方なかったんですが、映画を観たらすべてを許しました。
いわゆるオリエント急行殺人事件、的なものだと気づけば元凶にたどり着くのは容易なのですが、そこに至る見せ方は素晴らしかった。
容疑者Xの献身を信じて観に行った人の期待にも応えられていたのではないかと。
実は回想の思わせぶりな感じから、「実はあれは先生の子で……」という流れを想像していたので、そうでなかったことに胸をなでおろしました。
紛れもなく良作だと思ったのであえて言いたい。
同じ監督のはずなのに……シャーロックはなぜああなった?
良心の呵責は?
遺体が見つかるまでの数年間、黙り通していた「留美さん」って酷すぎませんか? 被害者がたとえ死んでなかったにしても、行方不明なんだから。並木夫妻との繋がりは、ずっと継続してたはず。う〜ん、なんか見落したのかなぁ…。
その点さえなければまだ良かったのですが、最後のドンデン返しで、逆に残念。
見応え充分でした
自分の予想を裏切る展開で良かったです。途中このままで終わったら正直駄作と言わざる得ないなぁ〜🤔と思ってたけど求めてた展開になり自分の犯人予想は当たらずも納得いく犯人かつ展開でした👏👏
ただ不満な点もあり物理が関係してるのが少なすぎる。
あと草薙刑事と15年前の事件の関わりが正直弱すぎて、今の状況に納得出来ず……(他にも酷い事件あったでしょ)
決してハッピーエンドではないけど個人的にはかなり好きでした。各キャラの人物像と葛藤などが良かった。
TVシリーズのガリレオからのキャラがもっと出てたらと物理から事件を紐解くのをもっとあったら、嬉しかったなぁ
でも満足な映画でした
再会は謎あってこそ。
原作は未読なので純粋にストーリーと登場人物の表情に集中しました。
久しぶりの湯川先生に会えたのは嬉しかった。
湯川先生、変わってないなぁーと思っていたのに
エンドロールで以前の作品を見ると、湯川先生にも物理では解決出来ないであろう、成長と老化を感じれて
時の下では皆平等を実感。
それはそれで良かった。
人の心も化学反応や気持ちのベクトルや出力具合でいろんな方向に行く、
物理で解決するのは謎とトリックだけで
人の心を解きほぐすのはやっぱり人の心なんだなぁ、と。
私的には椎名桔平、素敵!と思いました。
展開がスローな前半とスピーディーな後半
前半は、スローな展開。
「いつものメンバー」がなかなか出てこなかったので、劇場を間違えたと思ったぐらいでした。
いつものメンバーが出演し始めると、物語が大きく動く。そして、一気に後半へ。
湯川先生の推理(種明かし)が出てこないと、因果関係を推理するのは、かなりハードルが高い。
物語が3回ぐらい大きく変わった気がする。
出演者が大物揃いで、製作費の多くをギャラに使っていたように感じた。
もう少し「派手な科学現象のシーン」があると、もっと面白かったと思うので、星を1つ減らしましたが、安定の湯川ワールドでした。
全151件中、81~100件目を表示