「面白さはあるのですが‥」沈黙のパレード komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
面白さはあるのですが‥
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(完全ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
個人的にはガリレオシリーズの映画では『容疑者Xの献身』が傑作だと思っているので、どうしてもその水準の映画内容を期待してしまいます。
映画『容疑者Xの献身』は、そのトリックも犯行動機も、解決される最後までなるほどと思わせる素晴らしさがあったと思われます。
今作の『沈黙のパレード』では、残念ながら犯人の意外性もトリックの驚きも犯行動機の深さも、そういう点ではそこまでの納得感はなかったと思われます。
これは並木佐織(川床明日香さん)にまつわる犯行に関与した人々を全員、この映画の冒頭で登場させてしまったところに問題があったのだと思われました。
そうなるとこの映画は、並木佐織の殺害や、彼女を殺した蓮沼寛一(村上淳さん)が殺害された謎を解くというより、並木佐織と家族や周辺の人々との関係性の方を中心に描いた映画だということなります。
となると並木佐織が亡くなった経緯や、蓮沼寛一を殺すトリックの大掛かりさとが、並木佐織と家族や周辺の人々との関係性の暖かさと乖離してしまっている(納得感の薄さにつながっている)と思われました。
この映画はあくまで謎解きを中心にし、並木佐織の死体発見場面から始めて、湯川博士(福山雅治さん)が謎を解くという視点から始め、事件に関わる登場人物はその過程で都度現れる構成にした方が良かったのではとは思われました。
俳優陣のお芝居は良かっただけにその点が悔やまれるとは思われました。
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