「久しぶりの「ガリレオ」シリーズ」沈黙のパレード 間宮さんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりの「ガリレオ」シリーズ
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シリーズ最高傑作とまではいかないかもしれませんが、ガリレオシリーズを見てきた人は楽しめる映画でした。家族愛、家族を超越した愛、司法だけでは罪を裁けない難しさや葛藤が描かれています。
キャストの演技力も申し分ない高さでした。特に父親役の飯尾さんは個人的にコミカルな印象がありましたが作中ではシリアス芝居に徹していて新鮮でした。こんな重苦しい役を飯尾さんにキャスティングした制作陣も凄い。
「愛する人のために善良な人間の振りをして、偽りながら生きていく」ことの葛藤や苦しみが、演出によってセリフに頼りすぎること無く表現できていたと思います。少々ツッコミどころもありましたが、上質なものだったのではないかと感じました。
残念だった点としては、各々の登場人物の言動の背景や過去の経験があまり語られないこと。1度原作を読んだ身としては、大筋をなぞったようなやや薄味など印象でした。それぞれの背景も当事者視点の映像ではなく会話の中でポロッと出てくる感じなので、感情移入しきれない部分もありました。理想としては、2時間の映画ではなくドラマとして一つ一つ丁寧に紐解くことが出来たらより没入できたと思います。
化学要素は薄くミステリーとしては少々単純な部分もあるけれど、ヒューマンドラマとしては考察しがいがあると思い星4です。
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