「ヒトツボシ」沈黙のパレード ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒトツボシ
テレビドラマ・劇場版共に鑑賞しており、超久々のガリレオシリーズ。観る前に湯川先生の姿がじわじわ〜っと浮かんできました。
物語は、3年前に殺された女子高生の遺体が発見され、その遺体の発見現場にいた老人の息子が、草薙さん(北村一輝さん)が過去に取り逃がした犯人と同一人物であった…というのが軸になっていきます。
キャラクターの変化はそこまで気になりませんでしたが、物語の後半部分の駆け足感はかなり気になりました。
役者陣の演技は文句なしです。特に飯尾さんの悲哀に満ちた表情が素晴らしかったです。福山さんの湯川先生も愉快で楽しいですし、柴咲コウさんの坂本も優しさと厳しさの混同した感じそのままで良かったです。
ここカットすれば良かったのになぁというシーンがいくつか散見されました。パレードのシーンは別にマジマジ見せなくてもいいのになというのがまず引っかかりましたし、逆にここ深掘っておけば良かったのになと思う場面はキャラクターの背景描写です。あっという間に事件の顛末まで話しちゃうのもマイナスポイントです。
事件の顛末にたどり着くまでもややくどくて、こいつが犯人だ〜→いや実はこっちが…→やっぱこいつだー!なので、どうにも尺稼ぎのように思えてしまいました。犯人サイドか被害者、湯川先生のキャラをもっと欲しいなと上映中ずっと思っていました。
夢を押し付ける人、嫉妬する人、それに抵抗して失言をする人、どれも自分に何かしらの問題を抱えた人が引き起こした事件で、その設定自体こそ良かったのですが、それを活かすための演出が足りてなかったです。隙が多かったり、やや雑に進めてしまう展開もかなり問題ありです。
観終わった直後はそこそこ面白かったなーと思えますが、よくよく考えると疑問に思うシーンがいくつも見られた作品でした。実に面白いとまた唸らせて欲しいです。
鑑賞日 9/16
鑑賞時間 11:40〜14:00
座席 P-4