「サーカスがやってきた」怪盗クイーンはサーカスがお好き afanさんの映画レビュー(感想・評価)
サーカスがやってきた
はやみねかおるの名著、満を持しての映画化。
このシリーズは児童書 青い鳥文庫の作品で、浪漫をくすぐる正体不明の怪盗が、仲間と飛行船で世界中を駆け巡り、怪盗の美学を満たすお宝を盗み出すというストーリーだ。
予告編から不安もあったが、その懸念は吹き飛んだ。
作画、声優陣、ストーリー、ノベルティからグッズ、何から何まで申し分ないクオリティだった。
60分という短い枠で、あの厚い本を良くここまで映像化できたものだと感心する。
正直にいえば、物足りない、と思う気持ちもあった。原作で顔を出す政治的な話や、キャラクターたちの語りは、どうしても削らざるを得なかったのだろう。
しかし気になる人は、そこから原作を読む足掛かりになると思えば、むしろ実ターゲットであろう子どもには、世界を広げる良い機会なのではないか。
今読んでいる子どもも、当時読んでいた大人も一緒に楽しめる。親子でも、友だちでも、もちろん一人でも。
製作陣の原作への愛情が伝わってくる、本当に素晴らしい映画化だった。
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