劇場公開日 2021年10月8日

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「ロマンスを動力に」メインストリーム つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ロマンスを動力に

2023年12月21日
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鑑賞方法:VOD

動画をアップする人は、ただお金を稼ぎたいだけの人は別にして、自分のクリエイティブさを発揮したいものだ。
クリエイティブさの先に、それを認められたいと思う欲求がある。
認められるためには他人が必要だ。自分ではない認めてくれる人が。
肥大していく承認欲求は、動画を観る側の問題へと波及する。

クリエイティブさと承認欲求のバランスは、登場するメインキャラクターの3人は物語の始まりから変化しない。
狂って落ちていくように見えるアンドリュー・ガーフィールド演じるリンクは最初からクリエイティブさを発揮しようとは思っていないのだから。

物語に変化をあたえるのは、3人の認識の齟齬だ。それぞれがそれぞれの考えに賛同できないという状態。それを担うのは恋愛感情である。
つまり、この作品はスリラーかサスペンスのような狂気の皮をかぶったロマンス作品だったようにも思う。

尺が短いので、盛られた内容を昇華しきれていない印象がある。
問題提起型の作品の動力をロマンスで、というものだが、動力が弱い。問題提起がしきれていない。もちろん答えもない。
全体的には悪い部分ばかり目に付くが、それなりに面白かったんじゃないか。

映画は一人では作れない。お金を稼ぐことが第一目標のプロデューサーの意向には逆らえないものだ。尺が短くなれば利益率が上がる。一日に上映出来る回数が増えるから。
クリエイティブさと承認欲求のバランスの物語で、一番最初に書いた「お金を稼ぎたいだけの人」の横槍が入って尺が短くなったように見える本作は、それだけでなんだかちょっと面白いようにも思う。

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つとみ