「劇薬に狂う人を傍観するだけに留まる、メッセージの路線変更が仇に」メインストリーム たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
劇薬に狂う人を傍観するだけに留まる、メッセージの路線変更が仇に
劇薬を手に入れた一般人の話かと思いきやそうでもなく…。中途半端な演出とオチで萎える。モヤモヤする。
確かにネットは麻薬のように体の一部として取り込まれている。キュウソネコカミも「スマホはもはや俺の臓器!」なんて言っていたが、そうなる前にはもう戻れない時代になった。本作は過激派YouTuberとなるリンクが「いいねからの開放」という形で世界に発信していくところが核となる。その過激さは去ることながら、一理あるのがなんとも憎い。ただ、そのメッセージを引っさげながら彼自身の猟奇へとメッセージを改変したのがこの作品の痛いところである。
ストーリーテラーという意味での主人公はフランキーだが、彼女がクリエイターで彼がアクターみたいなスタンスで成り立っている。だからその猟奇が世界に広まっていくのが快感であり、自身の糧になる。そこに落とし込まれる危険性みたいなものを写す。ただ演出や小ネタが安いので飽きる。おそらくYouTubeの煩さを表現しているのだろうが、受け取るのに困る。最後もモヤッとするので、作品の出来としてはやや合わず…という感じ。
適切な距離と適切な利用。のめり込みもほどぼどにしないとね。
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