「リアル フーテンの寅さん 大阪版」北風アウトサイダー YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
リアル フーテンの寅さん 大阪版
総連こうぇ~い
す ことないだろ!
"世界遺産撮影"で世界的に著名なSONYの秘蔵っ子撮影監督である貫井さんを、
あえて「カールツァイス社(ドイツ)が送り込んできた」というのが話題で、観ました。
限られた光源でのややこしそうな室内シーンが多い中、
特に著名な出演者が出演しているわけではないだけに、昭和ドキュメンタリーのような作風に
観ている者をぐっとスクリーンに引き込む力は前評判通り
特に映したい被写体を小道具越しに撮影していたりするのは普通のスチル写真の様。
世界からたったひとり 置いていかれて、怯える長男の姿は、まるでどしゃ降りの戦場に居るようで、とてもインパクトがあった。
家族みんながそっろったシーンや結婚式シーンでは"家族愛"が良く伝わりました。
"いかにも"セリフ回しと音はイマイチ
粗が見えてしまったので、とり箸(小道具)にもう少し気を配って欲しかった。
この映画はストーリー以上に、裏主役:長男さんを劇中で追うと、
この映画の神髄が見えてくる気がする。
ただ、長男さんの目から観た”景色の変化"を対比させたカットを前後半に入れてほしかった。
例えば, 淀んだ空 Vs 奇麗な夕日
それだけで、長男さんの気持ちの変化が 僕たちに伝わってくると思う。
幸せとは”感じるもの”だから、家族みんな一緒にいるのは昭和的で素晴らしいとは思うが
外で働いている男子がいるものの、
小さな店1店で家族持ち4兄弟が生活するのは難しいだろう。
どうしても 生活苦を差別等に結びつけてしまうかもしれないが、
残念ながら今の日本では大家族は生きていけない世の中に成ってしまっている事に
早く気が付かないと、この家族に春が訪れない気がした。
題材からして、スタッフ・出演者と3文字名前が羅列されるのとばかり思っていたが
エンドタイトルを観て、驚き
他の邦画よりも、日本人の割合が多かったのは意外でした。
同じように、世界的撮影監督:クリストファー・ドイルさんが撮影した「ある船頭の話」と見比べてみると面白いかもしれない。