「何を観てるんだろうという新鮮さ」JOINT ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
何を観てるんだろうという新鮮さ
まったく知った顔の俳優が出ない映画、ということは自主映画。「自主ヤクザ映画」っていうなかなか観ないものを観た感じ。だからか、「邦画」という雰囲気はほとんどなく、韓国、香港、台湾とか東アジアの一国の映画のテイストに近い。ストーリーはヤクザ映画のフォーマットに則っている。ヤクザにならないチンピラとヤクザに絡めとられる舎弟分たち、話の落とし所にはそんな新鮮さはない。新しさでいうと、リアルなシノギのあり方か。そして見たことのない俳優たちは見たことのないリズムを作る。刺青の彫ってるところもあんなに丹念にやってるのは見たことないかも。本当にひとりも見たことのない俳優さんばかりなので空気そのものが新鮮。ただ画面は比較的暗く、またシルエットのようなタッチが多く、もうちょっと顔を観たい、という気にはなる。
音楽含めて全体はスタイリッシュでもあるので、結果、不思議なものを観た、という感じ。そしてヤクザ映画としては他にはない日本のリアルさを残せている。
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