「苹果(りんご)に隠された意味」劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM 後編 僕は君を愛してる bionさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0苹果(りんご)に隠された意味

2022年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 後半は、ヘビーだね。特に子供ブロイラーは、ズシッときた。『選ばれなかった子供』を収容し、特殊な機械で『透明な存在』に解体してしまう施設なのだが、親の呪縛にがんじがらめにされた子供の精神状態をうまく表したメタファーとなっている。

 テレビ放送された2011年当時は、親からの虐待、過干渉などで傷ついた子供が、アダルトチルドレンとなって、不幸を再生産する事が問題視されていたが、現実がフィクションに追いついてしまった。
 親ガチャの究極のハズレを引いた人の中には、自死に留まらず、暴力的なリセットを願望する。そういった子供にとって救いのある答えを見せてくれる。

 双子のどちらかは、『銀河鉄道の夜』のカムパネルラと同じ運命をたどるものだと思っていたが、見事な決着の仕方だった。エンディングの子供達のセリフを聞いた後で冒頭の子供達のセリフを聞き直すと、イクニチャイダーの凄さにトリハダが立つ。『ハケンアニメ』の王子監督のモデルになっただけあるよね。

bion