「趣旨は理解できるのだけど…。」Zola ゾラ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
趣旨は理解できるのだけど…。
今年254本目(合計530本目/今月(2022年8月度)30本目)。
さて、こちらの作品。最初に「大半は史実に基づきます」とします。そしてR18指定なので、そこそこの描写も出ます(モザイクがかかるようなシーンはなかったはず。あったっけ?)。大半は性的表現とある種の違法な薬物関係かと思います(撃ち合いシーンとかは一切ありません)。
問題は、日本で公開されるにあたっては、どのような理由とどのような過程で「ツイートがバズった」のかという説明がほとんどないため、日本基準でいうと、日本では刑法などもありますが(一部、憲法の表現の自由との関連で問題になる)、その「何をどうするとここまでバズれるの?」という部分が説明が非常に少ないです。
映画自体は2話構成で、主人公となる女性は「2人」いますから、おのおのの言い分、それを描くように(ある意味公平に)作られています。一応、「ジャッジに必要な材料」はおおむね出ているようには見える…のですが、アメリカ文化は、映画などに応じて調べてみるレベルの方、つまり、私もそうですが…だと、提示された事情から「どうしてバズってこうなった??」というレベルの部分がまったく読みづらいです。
このため、映画の趣旨としては「いわゆる最近ある「加熱するSNSの在り方」」を描くものだと思いますし、そのSNSも(おそらく)ツイッターとわかりやすいのですが、いかんせんそのテーマはわかっても「相場的にそこまでバズるものなの???」というのが文化が全然違うので、何とも判断しづらいところはあります。
またそして、(多くの方にとっては)判断「したくない」部分なのだろうと思います。
すると、映画の趣旨自体は一応全体は理解しても、じゃなぜここまでバズったの?ここまでのトラブルにいたったの??という点がまるでないので、趣旨は分かっても「んんん???」んいうことになってしまいます。
しかもこれが(ほぼ)史実通りだというのだからびっくりもので、まぁ、日本文化が優位だとか何だとかという論点「以前」として、「伝わるように描いたかなぁ」という点はかなり気になりました。
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(減点0.8) 結局、ほぼドキュメンタリー映画という形をとる以上、あることないことは付け加えられないことになります。その結果も含めても、です。ただ、少なからずの方が違和感があると書かれているように、当該国と日本とではこうしたバズり文化というのが根本から違うのかな…といったところで、その説明が少ない状況では、一応R18指定とはいえ、結局はこの「適正なSNSの使い方」等、時々映画のテーマとして描かれる類型であるために、逆に何がどうなっているのかもわからない…という特異な部分はあります。
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