劇場公開日 2021年8月13日

「ノーマンの信じる神は公平だから、差し引きをして帳消しにする」ドント・ブリーズ2 Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ノーマンの信じる神は公平だから、差し引きをして帳消しにする

2024年3月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

感想を交えて大雑把にあらすじを紹介。
現在11歳のフェニックス(マデリン・グレイス)をノーマン(スティーヴン・ラング)は自分がパパだと偽って育てていた。
このシチュエーションは、日本だと養子縁組の制度があるが特別な事情が無い限り学校に行かせない事は問題視される。
時代や場所など設定が不明なので正しいか悪いかは誰も決められない。

焼け跡になっているフェニックスの家にノーマンの旧友ヘルナンデス(ステファニー・アルシラ)が車で連れて行き、その廃墟住宅でフェニックスが歌をくちづさんだことがきっかけとなり、レイラン(武装集団のリーダー)に尾行される。
トイレシーンがある映画は好きだ。食事シーンと排泄シーンで伏線回収は完成すると思う。

レイランは武装集団とともにノーマンの家に侵入し強引にフェニックスを連れていく。
救いに来たかもしれないと思うことにシフトチェンジしてみる。

自由になったフェニックスが養護施設に行こうとしたら、母親が登場して移植用の心臓(フェニックスこと本名タラの命)が欲しいと言ってくる。
タラが生きたまま心臓を取り出されそうになる時、停電発生。
ノーマンが救出しに来たのだった。ここはノーマンの家ではないので戦うには不利だが、暗ければ有利というわけだ。
しかしレイランは窓を壊して外から光を取り入れる。
画面は光のおかげで黒から赤に変わる。
タラはノーマンに救われ、ノーマンはタラに救われる。
そして、この炎のように赤い殺人事件の現場から生還できたタラは、自らをフェニックスと名乗るのであった。

ラストは、ノーマンの生死にかかわらずハッピーエンドだ。もはや正体がわかっているので怖さはない。

盲目の老人ノーマンの前作のラストの退院後を描いているが、主人公はノーマンから女の子フェニックスに引き継がれている。

構図や光加減、カメラワークも抜群で大画面での視聴が向いている。
ストーリーは単純で、応援する人物は結局フェニックス一択だ。
やや不可解な部分があるが、考察する余地として前向きに捉えると楽しめる。

Don-chan