異動辞令は音楽隊!のレビュー・感想・評価
全176件中、121~140件目を表示
セッションによって仲間の絆の素晴らしさに気付いていく物語
本作は、まるで阿部寛の為に書かれたような、時代後れの熱血刑事が主人公の作品です。阿部寛のファンであれば、うっとりするくらいの熱血漢ぶりでした。
事件を追う刑事となれば、捜査一筋に我を忘れて打ち込む熱血漢も多いことでしょう。しかし阿部が演じる本作の主人公、成瀬は、熱血漢ゆえに家庭を顧みず、離婚に追い込まれ、娘は反抗的な態度のままの状態でした。しかも仕事でも、地味な活動をする音楽隊への異動を命じられて、失意のどん底に堕ちてしまうのです。
パワハラで威圧的、暴力的な直情型の刑事が音楽隊で演奏することで、人の繊細な心が理解できる刑事へと変化を遂げること。
バイタリティと優しさにあふれる演技の両方ができる阿部だからこそ、成瀬役はハマったといえます。
ドラムは「触るのも初めて」という阿部寛でした。吹奏楽部1年生が始める基礎練習から特訓を重ね、日本や海外のプログラマーの動画を見て、見せる叩き方を研究したそうです。背が高く、バンドのセンターで一際目立つドラムを叩く阿部のカッコいい姿をとくとご覧あれ!
物語は、頻繁に高齢者を狙ったアポ電強盗事件が起こることから始まります。一向にホシを挙げられない手ぬるい警察の捜査にじれていたのは、部下に厳しく、犯人逮捕のためなら手段を問わない捜査一課のベテラン刑事・成瀬司(阿部寛)でした。
警察の名をかたり、現金のあり場所を電話で聞き出し、宅配業者を装って家の鍵を開けさせてるという、高齢者を狙う悪質なアポ電強盗事件。主犯に心当たりのある成瀬は、その男の手下とにらむチンピラ・西田(高橋侃)を令状も取らずに締め上げます。
「今の警察は馬鹿ばっかりだ」と普段からぼやいていた成瀬は、犯罪捜査一筋30年の鬼刑事で、一言目には「コンプライアンスの遵守」と行動を制限する上層部と何かといえばぶつかっていました。
同行した部下の坂本祥太(磯村勇斗)からも、「このやり方は違法行為ですよ」と非難されました。コンプライアンスが重観される今の時代に、違法すれすれの捜査や組織を乱す個人プレイやパワハラは完全に許されず、成瀬は刑事課で浮いてしまっていたのです。
遂に組臓としても看過できず、上司が成瀬に命じた異動先は、まさかの警察音楽隊へ。しかも小学生の頃に町内会で和太鼓を演奏していたというだけで、ドラム奏者に任命されてしまうのです。
すぐに刑事に戻れると信じて、練習にも気もそぞろで隊員たちとも険悪な関係に陥る成瀬。 しかし、担当していたアポ電強盗事件に口を出そうとして、今や自分は捜査本部にとって全く無用な存在だと思い知らされることになります。
ところで成瀬は母親の幸子(倍賞美津子)と二人暮らし。最近、母の物忘れがひどく、随分前に離婚した元妻と暮らす高校生の法子(見上愛)が時々、「大好きなおばあちゃん」の世話をしに来てくれてました。そんな法子と約束していた文化祭に参加する約束をすっぽかして、法子からラインをブロックされてしまいます。これには、家族を無視し、仕事一筋の刑事バカだった成瀬もさすがに落ち込みました。失意の成瀬に心を動かされ手を差し仲ぺだのは、「はぐれ者集団」の音楽隊隊員たちだったのです。
音楽隊の演奏に救われる人たちがいることを知り、成瀬は次第に練習に励むようになります。ところが、彼らの心と音色が美しいハーモニーを奏で始めた時、本部長から音楽隊の廃止が宣告されます。
そして、ある日新たなアポ電強盗事件が起こり、成瀬のドラムには勇気をもらえると、応援してくれていた老婦人・村田ハツ(長内美那子)が犠牲になってしまいます。テレビのニュースを見た成瀬は、居ても立っても居られなくなり、捜査本部の会議室へ駆け込むのでした…。
見どころは、なんといっても演奏シーン。音楽隊が舞台だけあって、本作には数々の名曲が登場します。『聖者の行進』、『宝島』、『アメイジング・グレイス』……。
どの曲もストーリー中の大事な場面で使用され、その効果は大きいものでした。演奏会でも演奏されるこれらの曲は、キャストたちが一生懸命に練習し、吹き替えなしの演奏を披露しています。音楽隊の隊員を演じるにあたって、キャストそれぞれが担当楽器を猛特訓していたのです。その練習成果が音に出ていました。
ただエンドで演奏される『IN THE MOOD』だけは音の出方が、全然違っていましたので、これはクレジットにあったシエナ・ウインド・オーケストラの演奏でしょう。
苦々しい思いで音楽隊勤務をする成瀬でした。それでも、成瀬が本気で音楽に向き合うようになるのか、鑑賞中ずっと気になっていました。成瀬が変わったきっかけは、次の二つ。
まず、娘の法子が参加しているバンドメンバーと楽器店の練習室で偶然であった成瀬は、法子たちとセッションし、音楽の楽しさを味わったこと。
そして、決定的なことは、大切な警察手帳が入っていた上着を忘れてしまったときのことです。
成瀬は、お好み焼き屋で出会った来島春子(清野菜名)と話しますが、意見が合わずに帰宅し、上着を忘れてしまったのです。春子が自宅まで上着を届けにやって来ます。成瀬は警察手帳を忘れるという合ってはならないミスを犯して、激しい自己嫌悪に陥りました。
そんな成瀬の様子をみた春子は、「音楽と同じですよ。ミスしても周りがカバーすればいいんです」と声をかけます。翌日から成瀬は吹っ切れたように、ドラムの練習に打ち込むようになったのです。そんな成瀬の変化は、他の隊員も感化させ、音楽隊全体に音にも心にもハーモニーが生まれて行きました。
交通課や警ら隊という一般の仕事と兼務していることもあり、音楽隊の隊員は忙しく、また成瀬のように左遷のような状況できた隊員もいるため、隊員たちのチームワークもいまいちだったのです。
こうして成瀬は、楽器に触れ、音を出し、曲を演奏するうちに、次第に心も和んでいったのです。
本作で感銘を受ける点として、セッションによって仲間の絆の素晴らしさに気付いていくところです。それは成瀬にとって、音楽隊の中だけでなく、以前猛烈に批判していた刑事課に対しても、また家族に対しても、セッションすることの大切さを見いだし、反省し、柔和に変わっていったことです。その変化の姿に感銘を受けました。一人であがかないで、仲間を信じ、仲間のカバーに頼ることも必要ですね。成瀬と同じような境遇にある人なら、きっと心にグサリと刺さる映画でしょう。
内田英治監督は、『ミッドナイトスワン』に引き続き、登場人物の繊細な心の動きを巧みに演出。シリアスにも、ドタバタにもならず手堅い感情表現で気持ちを伝えてくれました。
ところで、本作の終わり方として、やや伏線の刈り取りが不十分なところも残っています。家族のことを考えるようになった成瀬と、法子や妻の関係、恋仲に発展しそうだった春子との関係、そして捜査手腕が再評価された成瀬が刑事として復帰するのか、それとも音楽隊を選択するのか、成瀬の選択が気になります。
但し本作の舞台のモデルとなっている愛知県警音楽隊は、戦後最古の由緒ある音楽隊なので、ぜひ全国警察音楽隊演奏会で優勝する続編を期待したいものです。
阿部ちゃんと娘さんのバンドのセッションが素敵だった
うむ……
「とんび」の刑事version?、いや、それ以上とも思える少々ゴーインなキャラと筋書きと展開だったけど、
清野菜名さんがいたし、
阿部ちゃんがドラムをたたいている姿は惹きつけられた。娘さんのバンドとのセッションは素敵だった。
なんだかんだ言って面白く鑑賞した。
あと、お姉さん・倍賞美津子さんは「PLAN 75」に対する「返歌」かと思うくらいホンモノにみえました。
思ったより緩急あって見応えのあるストーリー☆
時間が合うから、と軽い気持ちで観たんですが、思いの外緩急あるストーリーで見応えありました。
阿部寛と磯村隼人がほんとに上手いですね。阿部寛、憮然とした表情でアップになるだけでその独りよがりの頑固さや身勝手さを感じさせて、どこか不器用さゆえのおかしみもあり、とてもよかった。磯村くんも今年はたくさんの作品でキーとなる役を演じて大活躍ですね☆特に最後の「告白」のシーンは上手いなと思いました。
あと、和太鼓のエピソードが思わぬ運命や母と子の過去と現在に結びついていて、印象的でよかったです。
人間ドラマ
主人公は叩き上げのベテラン刑事。事件解決のためには家族との時間をも犠牲にして捜査のために足を使い駆け回り、刑事の勘を頼りに令状もなく強引な捜査を繰り返す。
昔の刑事ドラマだったら許されていたが、今の時代そんな捜査が許されるわけがなく、コンプラに通報されて彼の全てだった刑事の職を奪われ音楽隊に左遷されてしまう。
今まで捜査のために全てを犠牲にしてきた主人公が音楽を通じて改めて認知症の母親や離婚した妻の娘、娘の友人のバンドマン、警察の同僚や部下、今まで守ってきた市民と向き合うことにより凝り固まった考えから脱却し成長していく。
コメディ色の強い作品なのかと思いきやアポ電強盗等の描写は普通に恐怖。笑って観ていたらいつの間にかシリアスな場面になっていたりと結構忙しい。
設定やお話の展開も正直「ん?」と思うところが多々あったが、主演の阿部寛さんや脇を固める俳優さんたちのパワーで引き込まれる。
特に磯村勇斗さん演じる主人公の元部下との関係性が泣ける!主人公が今まで培ってきたものが1番近くで接してきた部下にちゃんと受け継がれていたというのが熱い…!
最後に笑顔を見せる主人公。
もし刑事に戻ることができるとなったら彼はどちらを選ぶのだろうか。
同じ職業でも色々な部署があってらそれぞれの役割がある。 色々だね部...
同じ職業でも色々な部署があってらそれぞれの役割がある。
色々だね部署がセッションして、一つの職業になるんだ。
……と、自分に言い聞かせてみた。
ユーモアあり、親子の絆、仲間との信頼関係など、大事なことに気付かされた映画だった。
予告で感じた通りの良作です!
auマンデー『異動辞令は音楽隊!』
阿部寛主演ってだけで、作品完成度と安定感は、お墨付きですね。
昭和な頑固一徹刑事が、やり過ぎが原因で、音楽隊に異動させられて、人生を再起動させるってストーリー
個人的には、自衛隊や警察の音楽隊って、左遷で行くって感じとは違うと思ってたのですが・・・
履歴書の一文が理由になるとはね^^;
この刑事ドラマも観てみたいし・・・・
母親の介護しながらの1人娘とのドラマも面白いし・・・・
音楽隊の隊員とのエピソード含め映画よりドラマで観たかった。
しかし刑事への未練タラタラながらもドラムの上達が早いのにはビックリする。
劇場じゃなくてもいいとは思いますが・・・・
俳優さん達の頑張り含めて、阿部ちゃんファンにはオススメです^^!
人生の捧げ方
単に主題歌はOfficial髭男dismで、高杉真宙とか磯村勇斗といった注目若手俳優が出演しているから見ようと思ったわけですけど、この手の映画は何が起こるか予想出来てしまう。予告はそこそこ面白そうだけど、そこまで期待せずに鑑賞。
めちゃくちゃ面白かった!!
想像通り、予想ができる展開なんだけど、演出やら見せ方やら役者の演技力やらがすごく上質で、かなりいい作品に。こんなに心が温まり、涙が出るとは思わなかった。別れじゃなくて泣ける映画って珍しい気が...。
前半部分は主人公の粗暴で自分勝手な働きが見ていて少しキツかった。なんでそんな方法でしか出来ないんだよ、とちょっと呆れ。だけどそんな主人公・成瀬を演じるのは阿部寛。彼の素晴らしい演技で、ラストに近付くにつれて感情移入してしまい、非常に愛おしいキャラクターとなっていきます。ストーリー展開も上手くて、同じ動きでも心の中は全然違うという感情の変化が描かれていて、より一層好きになれます。
脇を飾る俳優たちも絶妙。
成瀬の捜査一課時代の相方である坂本を演じた磯村勇斗は、相も変わらず観客の感情を揺さぶるいい演技をしてくれています。今年どんだけ映画出るんだよ!(嬉)
音楽隊のメンバーである、清野菜名、高杉真宙、モトーラ世理奈、板橋駿谷、渋川清彦、酒向芳も最高だし、ちゃんとそれぞれが抱える想いや問題をもしっかり描けているため、ラストが心に染みる。音楽隊の団結力みたいなのにも温まったな…。
成瀬が音楽隊に入ったことによって、成瀬自身も音楽隊のメンバーも音楽の技術面、そして人としての成長を遂げるのが、見ていて本当に面白くて応援したくなる。同時に、観客である我々も音楽がもつ偉大なる力に改めて気付かされ、人を守るということは身体だけでなく、心までも守るということなんだなと考えさせられる。警察音楽隊というのはこの映画を見て初めて知ったくらい、表立って演奏しているのを見る機会は少ないのだけど、市民の心を守り、癒す、彼らの演奏を生で見てみたいなと思いました。
なんか予想外のことが起こるわけでもなく、衝撃的な真実が明かされる訳でもない。お手本のような映画なんだけど、誰が見ても心の浄化になるであろう作品です。展開のスピードも丁度よくて、しかも邦画特有のお涙頂戴ものでもないし、ラストに無駄なシーンが一切なく終わるのも気持ちいい。劇中歌もOfficial髭男dismの主題歌にも惚れ惚れしちゃうし、人間ドラマ、音楽映画として最高品質の必見映画です。
ああ、音楽っていいな。やっぱり、自分って音楽が好きなんだな。人の温かさにも触れられる、8月公開でベスト級の映画ですので、ぜひご覧下さい。
この面白さは、蛇拳とか酔拳とかと─
シンプルで分かりやすい内容と演出、そこに一流の演技が加わって、非常に見応えのある作品になっていたような気がします。
この単純明快な楽しさは、昔見て興奮したジャッキー映画に通じるものを感じて─まったく個人的な感想でしかありませんが─すげーおもろしれぇー、とまぁそんな感じの映画でした。
そもそもの発想が少し普通と違っているのかなぁと思えるわけで、その一風かわった着想を大事にするかのようなシンプルな構成がまた非常に良かったかなと─。
かなり演出じみたエンメ性を醸し出しつつも、世相なんかもしっかりと反映させてくれていたので、リアリティもしっかりと感じることができ、相当見入りました。
そして、改めて、音楽が奏でられているその時間は無敵なのかもと感じることができました。
色々と十戒
どこぞの県警の捜一所属の荒ぶる刑事が、連続アポ電強盗の捜査で奮闘する中、パワハラ騒ぎで音楽隊に転属させられる話。
独断、暴走、ルール無視の主人公が子供の頃に和太鼓を叩いていたことがあるというだけで、無理やりパーカッション担当ですよw
他のメンバーもあまりスキルが高くない様で、何で自分が!!の思いが強すぎここでも荒ぶったり捜一の会議に乱入したり。
警察の態勢とか、捜査のなんちゃらとかリアリティの欠片もないけれど、飽くまでも音楽隊に配属された男が、そこで気付いて調和を覚えてという、オッサンの変化と成長っぷりがこういうので良いんだよという感じでとても良かった。
ヒューマンでありサスペンスもある
終始安心して見ていられるヒューマンストーリーかと思いましたが、良い意味で裏切られました。
涙と笑いあり、ハラハラあり、あたたかい。
豊橋が舞台なのも味わい深くとても良かったです。
いつも阿部さんの演技は、本当に感動させられます。そしてこの作品でも阿部さんは汗だくで走っています。
共演の清野菜名さん、磯村勇斗さん、高杉真宙さんは若手の俳優さんの中でも本当に一際輝きます。一つ一つのシーンが胸を打たれました。
単純に面白かった
よくあるストーリーではあるが、見ていて楽しくて面白くてホロっと泣けて人と人との繋がりが暖かくて見て良かった、って思える内容でした。人間って、不器用な人が多く、何にでも順応できる人なんてほんの少しだと思う。不器用でも一生懸命生きる、前向きに生きる事の大切さをとても感じました。おすすめの映画です。
往年の巻きこまれ系
内田英治は、配信ドラマの「全裸監督」の印象。劇場映画では「ミッドナイトスワン」のもてはやされ。という、かなりな曲球・変化球の監督という印象だった。しかし、本作は初期の周防正行、矢口史靖がひとつのジャンルとして開発した(異業種巻きこまれ)系。最近では珍しいジャンルなので新鮮に思えるし、演出が地に足のついたしっかりした、腰の軽くない良作となっている。
映画に大事な三つの要素
けして「貴種」とは言えないけれど、
これも一つの「流離譚」。
実績はあるものの、捜査現場で傍若無人に振る舞い過ぎた刑事が、
それを咎められ、左遷の憂き目に遭う。
流される先は、180°畑違いの音楽隊。
加えて隊員たちのほとんどは、兼務ばかりでヤル気も皆無。
が、主人公が加わったことで、
自身も変われば組織も変わる。
共に長足の進化を遂げ大団円となる一部始終。
しかしそこに至るまでの道程は、
当然の様に平坦ではなく、山あり谷あり。
度毎に観客は、時に義憤を感じ、笑い、そして涙する。
ここには映画の肝心な三要素、
笑わせ泣かせ握らせる(手に汗を)の全てが詰まっている。
さほど期待しないで観に行ったものの、
望外の収穫と断じてしまう。
「貴種」でない理由は、もう主人公の見た目から明らか。
刑事生活三十年の成れの果て、
時代遅れのフォルムの眼鏡に無精髭、
衣服もマル暴の人と見紛うばかりのファンキーさ。
私生活でも仕事一徹の態度に妻子から愛想をつかされ、
数年前に離婚を言い渡される始末。
それでも不憫に思い何くれと気にかけてくれる高校生の娘なのに
大事な約束を忘れることさえありがち。
そんな『成瀬(阿部寛)』のモチベーションは那辺に有りや。
社会正義の行使か、それとも成果を挙げることが単純に嬉しいのか。
自分の見るところではおそらく後者。
子供のまま、大人に成りきれない人間にありがちなタイプ。
気に入らないことや、思い通りに行かないことを
所構わず怒鳴り散らし我儘に振る舞うのはその証左。
そんな彼を変えるのが、一つ音楽のチカラとは
ありがちなプロット。
触媒となる婦警の『来島(清野菜名)』の存在は効果的も
やや性急過ぎる変化には少々眉に唾を付けたくなる。
また、連続アポ電強盗の事件終結に至る経緯も、
背景描写が全く無く、かなり杜撰な造り。
それでも、齢五十になってまだ変わることができる余地の提示と、
一人の良化が周囲をさえ幸せにして行く流れは観ていて心地良い。
音楽映画に外れナシとの想いを
改めて強く持つ。
それにしても『阿部寛』は不思議な俳優だ。
役柄が変わっても口跡は変わらず、
何を演っても、同じに聞こえてしまう。
それでいて、芯から発散する空気は
きちんとその者を体現している。
彼が変わったのは、共に2008年の
〔歩いても歩いても〕〔青い鳥〕あたりからとの認識。
読モの嚆矢で、最初は馬鹿にしていたけど、
随分と良い役者の成り切ったもの。
でも、自身が変わり努力が報われる帰結って、
本作のプロットに似ている?
予告編が勿体無い邦画。 本年度ベスト級。
予告編は劇場で何度も観たけど微妙な感じ。
お目当ての作品を観る前に時間があったので鑑賞したけど、なかなか面白かった。
コメディー要素の多い作品と思いきや、出だしからシリアスな展開に引き込まれる。
昭和臭漂う熱血刑事。
阿部寛さん演じる成瀬が強引な捜査を続け、ある告発により音楽隊に移動させられるストーリー。
警官の窓際俗みたいな音楽隊に移動となりテンション下がる成瀬。
成瀬が徐々に音楽隊に馴染むと思いきや、いきなり馴染むどころかドラムの演奏も一気に上達(笑)
尺の制約もなるけど、そんな展開の中、娘とのバンドのセッションがとても良かった。
自分も趣味でドラムやってて、スタジオで個人練習とかしてたけど、あんな風に出来たら良いと思える印象的なシーン。
先が読める展開の連続だけど、素直に楽しめた印象。
磯村優斗演じる成瀬の部下。
坂本のポイントが高めで良かった。
最近、演奏中にフラッグを振っているカラーガードに興味があり、もう少し見たかったです( ´∀`)
「置かれた場所で咲きなさい」
タイトルからしてもっとコメディ映画かと思っていましたが、笑えるシーンは特になく熱い人間ドラマでした。
自分の希望通りの部署じゃないところに配属って会社ではよくあることだから、多くの方が共感できるのではないでしょうか。渡辺和子さんの名著「置かれた場所で咲きなさい」を思い出しました。
一番好きなシーンは娘とのセッションシーン。
全176件中、121~140件目を表示