「【コンプライアンス違反により、〇〇県警、広報課所属の警察音楽部隊に異動になったベテラン刑事が”何で俺が・・”と言う気持ちから徐々に謙虚になり人間的成長を遂げて行く。阿部寛さんの存在感は矢張り凄いね。】」異動辞令は音楽隊! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【コンプライアンス違反により、〇〇県警、広報課所属の警察音楽部隊に異動になったベテラン刑事が”何で俺が・・”と言う気持ちから徐々に謙虚になり人間的成長を遂げて行く。阿部寛さんの存在感は矢張り凄いね。】
ー 鑑賞すれば分かるが、今作は愛知県警の名前は出て来ない。だが、内田監督が愛知県警、広報課所属の警察音楽部隊の動画から着想を得た作品故か、舞台は豊橋市を主な舞台として描かれる。西三河在住者としては、嬉しい。
そして、偶々豊橋市の映画館で今作を鑑賞したので、”あれ〇〇だ‥””とか”駅前だ‥”とか聴こえて来て、嬉しかった。
だが、今作はご当地映画ではない。
拘りを持って、家庭を顧みず、必死に働いて来た一人の不器用な刑事の成長物語なのである。-
◆感想
・主役の鬼刑事、成瀬を演じた阿部寛さんは、流石の演技である。更に言えばスティック捌きも相当である。(彼は、音楽部隊では、主にドラムスである。)
・ストーリー展開は、ほぼ予想通りに進んでいく。
ー ココをどう見るかで、評価は分かれるのかな・・。私は楽しく観れたけれども・・。
それにしても、成瀬の捜査方法は昭和生まれにとっては、特に大きな問題は無いと思ったけれど、”コンプライアンス違反では・・”と通報があり、彼は刑事を外される。
今は、捜査もイロイロと大変何だね。西部警察みたいな人達は、全員音楽隊だね!-
・成瀬の態度に、反発する来島(清野奈名)も成瀬と同じバツイチ。小さな男の子を抱えて、交通違反の取り締まりで頑張っている。
ー 警察という組織は、刑事だけで成り立っているわけではない事が良く分かる。そして、音楽部隊のメンバーも夫々、メインの仕事を持っているのである。-
・県の警察トップ(三石研:この人無しに邦画は成り立たない名バイプレイヤーである。あと、渋川清彦さんも・・)が、表面上は成瀬に異動を告げる時、”広報課係長だぞ、栄転だ”等と言いつつ、実は経費削減のために音楽部隊も廃止しようとしている・・。知事も似て然り・・。
ー 私の嫌いなタイプの、汗をかかずに、周囲の流れを読んで偉くなる連中である。嫌だなあ。-
・成瀬の態度が、来島たちと交流を持つ事により、徐々に変容していく様の描き方が良い。尊大だった彼は、”悪い事をしてしまった・・”と思った時には、素直に謝る様になる。
ー 彼が、謝る姿からは人間的な成長を感じたな。
人に謝れない人間とは、実は器が小さいのである、と私は思っている。ー
■少し残念だった所。
・キャラクターが多いのだが、成瀬と来島以外の掘り下げが少し浅かったかな・・。あ、成瀬の相棒で彼からパワハラ的な扱いを受けている坂本(磯村勇斗)はキチンと描かれていたね。
・高齢者を狙った事件の首謀者を捕まえるシーン。成瀬が目を付けていた男が、矢張り裏で糸を引いていたわけだが、あのようなリスクの高い場に現れるかなあ・・、とは思ってしまったよ。
<今作は、愛知県警、広報課所属の警察音楽部隊の活動から着想を得て、制作された映画である。 ストーリー展開は想定内部分が多く、脚本もやや粗いが県警の中でもイロイロな役割があり、皆一生懸命に県民のために働いてくれている事が分かる所と、拘りを持って、家庭を顧みずに、必死に働いて来た一人の不器用な刑事の成長物語をキチンと描いてくれている心に響く物語なのである。>
■追記<2022年8月26日>
・いつもお世話になっている、満塁本塁打を定期的にかっ飛ばすレビュアーの方から”豊橋市だけではなく、豊川市のシーンもありますよ。”とご指摘を頂いた。
有難うございます。
コメントありがとうございます!
ご当地映画じゃないけど、自分の所在地近隣が劇中に出てくると盛り上がりますよね笑 福岡在住の私は、「TANG タング」で福岡という文字が出た時に驚きましたし、劇場も少しざわつきました。みんな、地元が好きなんだ!
阿部寛、流石ですね。成長過程を細やかに見せてくれる。本作の前半部分のような堅いイメージが強かったので、ラスト際の笑顔にはいつも以上に心が染みました。
コメントイイねありがとうございました😊。おっしゃるとおり事前広報予告編の段階でストーリーは丸わかりですね。でも沁みました。「君子は豹変する」では無いですが、過ちを過ちと認めて軌道修正出来る人は器がでかいですね。警察は多分想像するに日本一の階級社会なので古狸みたいな机上だけの人物も多いと思います。今地図を見たにわか認識ですが、豊橋市と豊川市隣接ですね。新幹線🚄止まる豊橋市と豊川隣接とは驚きました。無知ですみません。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。