「本当に、投票に行こう」コレクティブ 国家の嘘 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に、投票に行こう
細かいカットでテンポよく進み、国家の闇に迫る緊迫感もあり、最後まで飽きることなく引き込まれました。
様々な事実や情報を淡々と的確に伝える映像で、ナレーションや被写体と撮影者の対話などもありませんが、合間に捉えられた人々の仕草や表情から、苛立ちや不安や緊迫感なども切実に伝わります。
客観的な視点の映像で、ことさら情に訴えるような感じがないのは好感が持てます。
序盤の火事の映像も衝撃的ですが、中盤の患者の映像も衝撃的でした。
現代の病院であれは、嘘だろと……
人の命を蔑ろにする腐敗した医療業界も、黙認している国家も恐ろしいです。
新聞記者、新任の保健相、火事災害の生存者や遺族、それぞれの立場から理不尽な社会状況が映し出され、国民が国家権力に虐げられないためのメディアの役割についても考えさせられます。
理不尽な中でも、真っ当な信念、哀悼や再生など、人の心の光を感じる部分も印象深いです。
隠ぺい改ざん裏金疑惑の日本の国家権力についても、やはり連想してしまいます。
丁度選挙という時期ですし、他人事とは思えない展開です。
本当に、投票に行こうよ、と思います。
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