「是非、このタイミングで観て欲しい」コレクティブ 国家の嘘 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)
是非、このタイミングで観て欲しい
2015年にルーマニアの首都、ブラレストのライブハウスで実際に起きた火災から始まる信じ難い事実の数々。からくも焼死を免れ、病院に運ばれた被災者が、火傷の跡を消毒する薬の濃度が故意に薄められていたために、火傷ではなく感染症で次々と亡くなる。病院と製薬会社が癒着していた。医師も賄賂を貰っていた。そもそも政府が腐敗の温床だった。等々。
でも、事実を突き止めるために立ち上がるメディア(スポーツ新聞)がある。実名で、顔を出して、事実をリークする内部告発者がいる。政府内の腐敗を認め、取材に協力する若い保健大臣がいる。そして、腐敗に怒り心頭でデモに参加するたくさんの市民がいる。
このドキュメンタリーを見て思うのは、ルーマニアという国の腐敗度合いより、むしろ、それを正そうとする側のパワー、それに尽きる。翻って、日本はどうか?と考えて、暗澹たる気持ちになるのだ。
だからこそ、本作を是非このタイミングで観て欲しいと思う。
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