「腐敗の根はこんなにも深い」コレクティブ 国家の嘘 Tomさんの映画レビュー(感想・評価)
腐敗の根はこんなにも深い
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ルーマニアの医療の問題を告発していくドキュメンタリー。
正直なところ、腐敗のひどさは想像をはるかに超えるレベルだった。ここにもし、渾身の取材をするメディアや、正義を追求する勇気を持つ若き大臣がいなかったら。しかし、たとえいたとしても、一社とか一人とかではすぐにつぶされてしまうのだ。
この映画で描かれた、医療行政の腐敗ぶりは日本の比ではなかったが、日本も放っておけばこうなるのではないか。すでに、自宅待機者が死んでいく、ということが発生してしまっている。医系技官といわれる人たちが歪めている構造が、図らずもコロナであぶり出されたわけだから、徹底的に追及して正してほしい。岸田政権になったらそれはまた先延ばしになりそうだが。
ほかに気づいたのは、ルーマニアは常にヨーロッパの他の国に足りない部分を頼ったり、比較されたりしているのだということ。
また、メディアにも政治家にも医療関係者にも女性が、しかも責任者の立場の人が多かった。日本と比べると本当に顕著。なぜ日本でこれができないのか?
蛇足だが、出てくる人たちが、ドキュメンタリーなのに、ビジュアル的にかっこよかった。メディアの女性記者は個性が際立っていたし、告発した女性医師も印象的。前半の主役の男性記者、電話でいいネタを聞いた時のポーズがリアルとは思えないほど。そして後半の保健相、イケメン俳優みたいだった。ここまでの密着でカメラが回っていたという事実がすごい。
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