「ド派手にかますぜ」土竜の唄 FINAL ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ド派手にかますぜ
ありがたいことに東宝さんの試写会に招待いただき鑑賞。試写室の特別感最高でした…!だいぶ前の列でも見易かった〜。
前々作、前作と三池監督×クドカンという奇抜な組み合わせがそのまま体現化した様な大暴れ映画でした。そしてファイナルの名の通り、とにかくド派手な作品に仕上がっていました。物語はシャブ入りのパスタを世界にばら撒こうとしている轟周宝を止めるべく、主人公であり潜入捜査官の菊川玲二が奔走する話です。
役者陣の全開っぷりがたまらなく、生田斗真さんがどのシーンも体から何かが吹き出してしまいそうなくらい全身全霊で体を張りまくっているので、観ている自分もテンションがドンドン上がってきてしまいました。鈴木亮平さんの強キャラ感。「孤狼の血 LEVEL2」ほどの狂気や末恐ろしさは無いにしても、効果音やエフェクトで腕っぷしの良さが炸裂するので面白いです。堤真一さんの兄貴分としてのかっこよさや渋さが独特の雰囲気を醸し出していて良いです。足も改造されている状態なので、それを使った飛行だったり旋回だったり、安っぽさは否めませんが、堤さんのアクションという珍しいものが観れて満足です。菜々緒さんはこのシリーズまともな目にあってないなと痛感しました笑。トイレの詰まったものスッポンで口をびょいんびょいん伸ばされたり、パンツ見られたり、今作では電流を浴びて痺れまくって白目を剥くという贅沢な使い方だなと思いました。もちろんムチ捌きはお見事でしたし。足蹴りも美しくかっこよかったです。滝沢カレンさんも改めて美しいなと思いましたし、普段のミステリーさを潜め、ちゃんとした警察官を演じていたのも普段とのギャップがあって面白かったです、と、役者陣は全員ハマり役だなと思うくらい隙のなさでした。コメディシーンもドカン!とまではいきませんが、クスクス笑えて、ほのぼのしました。
物語上、玲二は正義を信じて行動しており、女性面ではホイホイとついていってしまいますが、正義から逃げずに真っ直ぐに敵にも向かっていく姿は勇ましいです。変に武器を使わずグーパンで挑みますし、セリフひとつひとつに重みがあり、逮捕すると口に出した瞬間はゾワゾワと体にきました。カックイイ–!
予算がだいぶ限られていたんだなーと思ったのが、予告でもあった玲二が磔にされているシーン。カモメが完全なぬいぐるみだったり、海がまさかのテープで表現されているという、個人制作のような安っぽさを感じてしまいました。これが他の作品ならおっ?と思うところなんですが、この感じが今作とベストマッチしているので割と良いなと思いました。
ただまぁ難点はあるもので、ファンサービスが過ぎるなと思ってしまいました。予告でもあった通りアリエールのくだりだったり、ファイナルのくだりだったり、キャストの掛け合いの間が微妙だったり、ん?となる展開が多いなと思ってしまいました。三池監督はなんでも仕事を受けてしまう監督だと思うので、ファンが喜んだらいいなのテンションで入れたとは思いますし、ファンの人は喜ぶとは思うのですが、一映画として見ると少しノイズになっているなと思いました。あと岡村さん演じる猫沢もはっきり言って必要かなと思いました。玲二の心を燃やすというのでは別のもので代用できたのでは無いかな?と思ってしまいました。岡村さんのはっちゃけっぷりは良かったです。
自分が1番テンションが上がったのはラストシーンです。日浦が口笛で呼び出したのがまさかの超巨大マンタ。自分は海洋生物が大好きで、海外のB級映画の巨大化したモンスターたちも大好きなので、このシーンが1番笑ってしまいました。そのマンタが船の傾きを止めたり、刀持って急に飛んだ烈雄がそのままパックンチョされるのも大笑いしてしまいました。日浦がそのマンタと共に他の麻薬組織を滅ぼしにいったというアフターストーリーも爆笑ものです。関ジャニ∞の主題歌も最後までノリノリにさせてくれて最高でした。
とにかく筋の通った正義、熱苦しいけれどその暑苦しさがとても楽しく、常にハイテンションになってしまう物語でした。三池監督×実写映画ということで少し不安なところもあったのですが、良い意味で期待を裏切ってくれる作品に仕上がっていました。
気になる方は劇場にバッチ来ーい!
鑑賞日 11/17
鑑賞時間 19:00〜21:09
鑑賞方法 試写会にて