愛しい人から最後の手紙のレビュー・感想・評価
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思いっきりメロドラマだが観どころもあり
推しのフェリシティ・ジョーンズとカラム・ターナー出演作とのことで鑑賞。
ストーリーはよくあるコテコテのメロドラマでツッコミどころ満載なのだが、とにかくこの2人が熱演しているとそれだけで良い作品に映る。
また60年代のファッションもおしゃれで良い。特にシェイリーン・ウッドリーのカラフルで華やかな着こなしなんかは、思わず見とれてしまうほど魅力的に映えていた。
こんな感じでビジュアル的には観どころ多い作品なのだが、特に感動するとか面白いとかの印象深さは残らず、やはりメロドラマどまりと言ったところか。
why darling,I don't live at all when I am not with you.
『貴方無しでは生きていけない。じゃない。』
貴方といっしょじゃないと『私は生きていない。』つまり『生けている心地が無い』
英語脳だね。
モブツ・セセ・セコとはベルギーからコンゴ民主共和国として独立を果たす軍人である。
アンソニーオヘアさんの言うように、確かに頭の中は空っぽだ。
邦題がネタバレギミニストレートに表現しているので『最後の手紙』の文面だけが気になった。言うまでもなく、不倫のハーレークインロマンス(理由 bootってぶさいくな人、魅力のない人ってって意味)流行った。残り、20分で僕は熟睡してしまった。年老いた古い価値観から脱せないでいる女性が書いた薄っぺらなタダの不倫話。
50年以上、同じ状況な訳ない。出鱈目過ぎる。
この映画の良い所は、
ジャスト・ワン・ルック ドリス・トロイ
サマー・ワイン ナンシー・シナトラ
くらいかなぁ。
長い愛情の話
むかしと現代を行き来する映画で、60sでは上流階級をえがく必要上wardrobeや様式へのつよいこだわりが感じられた。それに比べて現代はざっくりと普通っぽい。
さいしょからキャスティングが気になった。60sは事故に遭った貞淑で金持ちの妻のパート──だがウッドリーってアメリカ人ではなかっただろうか。スペキュタキュラーナウから知っているけれどアメリカンな印象のあるウッドリーが淑やかなイギリスの細君なのは、みょうな感じがした。
くわえて現代のパートをジョーンズが演じるのだが、行きずりの男の部屋で目覚めて、コーヒーを片手に出勤する──米映画のはじまりで、なんとなく見たことがある気がしたが、フェリシティ(←いい名前だよね)ジョーンズってイギリス人ではなかっただろうか。ゆえにキャスティングが逆さになっている気配はあった。が、頭のなかで入れ替えても、しっくり来なかった。
ジョーンズが演じる現代パートは、失恋の痛手の渦中にある──とはいえ、スラッティで、活発な現代的女性。
ウッドリーは上流階級かつ貞淑な皮相とはうらはらに、欲求不満があり、他の男とはげしい愛欲に陥る。──昔の女。
ふたりとも巧い女優なので、役に嵌まるものの、違和感は残った。──とはいえ、ウッドリーには清純派の印象があり、ジョーンズには知性派の印象があるゆえ、入れ替えても違う感じはした。
ベタな春情が描かれる60sパートより、総じて陽気な現代パートのほうがいい。頭のいい軽くないジョーンズが、蓮っ葉で軽めの女を演じている気配は楽しかった。さらに現代パートでジョーンズと番いになるNabhaan Rizwanという男優がとてもいい。朴訥な感じが巧かった。
60sはかなりこだわって撮っていた。つけまつげに爪楊枝が載せられそうなメイキャップだった。前述したようにウッドリーはアメリカンな印象があるひとなので、キャスティングは微妙な風合いを狙ったもの──だったのかもしれない。が、ウッドリーのパートは終始微妙だった。率直に言って、wardrobeからメイクから、やたらこだわって撮っているのに、なんでアメリカ人を持ってくるの──の感が拭えなかった。
が、古い叶わなかった恋愛が熱心な記者の介添えで復活するストーリーには心躍るものがあった。筋書き上の遺恨も、配役上の違和も忘れさせる幸福なラストだった。
久々に古い俳優ベンクロスを見た途端、あたまのなかでヴァンゲリスが鳴った。おれも古いにんげんだよな。
ロマンチック × ロマンチック
最愛なるJへ
1965年の許されぬ恋。お金持ちの婦人と記者の身分差、ありがち。だけど、いつの時代だって人の心を惹きつけ続ける禁じられた恋。安定か冒険か、体裁か情熱か。家族を選ぶことで、このまま世間の目を気にしながら満たされない思いを抱えて、不本意に生きていくのか。決断した直後の……魅力的なカラム・ターナー。怖いのは分かるが僕を信じて。あのとき本当は追った。私書箱を介した恋文、秘密のやり取り。自分が浮気された側だったら絶対最悪なのに、なぜかこうした時代設定などで映画の中で見ると魅惑的に見えるのだろう。仮面夫婦という障壁、だけど一種ファンタジー。だって私達が生きる世界では度々現実が勝って、あんな刺激的・情熱的非日常な冒険に出くわすことすら普通はあまり無いから(スマホもマッチングアプリもSNSも無い時代だとより一層)。おまけに記憶喪失と、語弊を恐れずに言ってしまえば映画的ロマンチックがたくさん込められたパート。別々に歩んだ人生が時を越えて再び交差する。待つよ。
手紙が2つの時代をまたぐ --- 過去から学ぶこと、そして今を生きる。こういうプロットって戦争とかの歴史の悲劇に往々にして結びついているイメージ。一方で失恋の悲しみから、そうした寂しさを埋め合わせるようにすぐに関係を持つ自暴自棄自堕落的もう一人の主人公。いちいち申請しないといけないし、食べ物は持ち込めないなどルールの厳しい記録室周りからもキャラクターの際立った現在パートのエリー役フェリシティ・ジョーンズが観客目線で物語に出会っていく。と言っても自分でも持ち込めないと言われたら捨てるよりその場で口に放り込むだろう。時に神経図太いというか好奇心の赴くまま興味に突き動かされていく。そんな彼女にも出会いが。過去は幻想を生み出して魅了する。挑戦することを恐れたくない。少し鼻にもつくけど、きれいにまとまっている。映画の中の雨もこれまたロマンチック、結果ズルい。タイトル通りロマンチック × ロマンチック = 時間はかかったけど時間通りに見つけた。
あなたのB(ブート)より
Exxx
勝手に関連作『マディソン郡の橋』『エデンより彼方に』『ビフォア・サンライズ』『イルマーレ』『チャーリングクロス街84番地』『ローマの休日』『リスボンに誘われて』ほか多数
「嘘をついた、彼は死んだと」
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