「胸アツなれど、歯痒さが残る完結編」ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
胸アツなれど、歯痒さが残る完結編
"ジュラシック・パーク" シリーズ第6作。
"ジュラシック・ワールド" 三部作第3部。
通常スクリーンで鑑賞(吹替)。
新旧キャラクターが揃い踏みした瞬間の高揚感たるや、凄まじい興奮でした。交互に描かれていたそれぞれのストーリーが収斂し、ひとつになると云う構成が素晴らしかったです。
1作目へのオマージュ(特に、1作目では電源をオンしに行ったけれど、今回は消しに行ったシーンが好き!)にニヤつきが止まらなかったり、時にハラハラしながら楽しみました。
T・レックスとギガノトサウルスの頂上決戦は手に汗握るド迫力でした。人間が関与する隙間が微塵も無い死闘に人類がちっぽけな存在であることを感じさせられつつ、意外な助っ人の参戦など、ラストに相応しい名勝負だと思いました。
ですが、シリーズ完結編として観ると物足りなさを感じました。人類と恐竜の関係にどのような決着をつけるのか、非常に気になっていただけに、結局そこに落ち着くのかと、あまりにもあっさりした決着に不満が残りました。
もはやその道しか無いであろうことは明白でしたが、誰もが予想出来る結末の斜め上を期待してしまっていただけに、肩透かしを食らったようでモヤモヤしました。
どちらが霊長なのかと云う問題ではなく、同じ地球に生きる命として共存していくのが最も理想的ではありますが、その結末を選んだ時点で冒頭から状況は変わっていない気が…
偶然、コロナ禍とリンクするようなテーマは(もしかしたら撮影中にコロナ禍を踏まえて脚本が手直しされたのかもしれませんが)、変革してしまった世界で生命はどう生きていけば良いか、と考えさせられるものではありましたが、結末の匙を投げてしまった感に、人類はその問題に明確な解を見つけ出せるほどには成熟していないのかもしれない、と思いました。
[余談]
邦題を変えて欲しい。前作もそうでしたが、原題をそのままカタカナに直しただけの方がきちんと意味が伝わるのでは?
[以降の鑑賞記録]
2023/04/22:Amazon Prime Video(吹替)
2024/05/31:金曜ロードショー(地上波初放送)
※修正(2024/05/31)