ジュラシック・ワールド 新たなる支配者のレビュー・感想・評価
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完結編として非の打ちどころのない着地点
このシリーズが30年間も続いたことに驚きを禁じ得ないという気持ちを抱くとともに、
同じ時代を生きて全てのシリーズを多くの人々と空間を共有しながら鑑賞してきたことに、
少々誇らしげな気持ちにもなる。
これまでのシリーズで登場した“レジェンド”的な博士たちが一堂に会する機会もあり、
非常に見どころ多き完結編といえる。
虫が苦手な人はどういう印象を覚えるのだろう? と感じなくもないが、
最終的な着地点も含め、「トップガン マーヴェリック」に続く2022年夏の大作として興行を牽引する作品といっても過言ではないだろう。
「ジュラシック」の知的財産から最大の利益を生む。これぞハリウッドビジネス、お手本の一本
ベストセラー作家マイケル・クライトンが原作・共同脚本、スティーブン・スピルバーグが監督を務め、1993年に公開された「ジュラシック・パーク」。琥珀から発見されたDNAから現代に恐竜を蘇らせて孤島にテーマパークを作るという秀逸な着想と、当時飛躍的に進歩していたCGによって描画されたリアルな恐竜たち、そしてスピルバーグの巧みなサスペンス演出によって世界的な大ヒットを記録。当然シリーズ化され、2001年の第3作でいったん完結するが、十数年の歳月を経て、キャストを一新した「ジュラシック・ワールド」シリーズが2015年に始動。新三部作の完結編、そしてシリーズ6作目にして全体の完結編としても位置付けられるのがこの「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」だ。
第5作を観ずにいきなり本作を鑑賞すると面食らうかもしれないが、前作では恐竜パークがあった島が噴火し、救出された恐竜たちが世界に解き放たれて終わっていた。それから4年が経ち、恐竜たちは海や山、さらには都市部にまで生息地を広げ、人類は獣害ならぬ“竜害”に苦戦している状況だ。オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)はクローン技術で生み出された少女メイジーの親代わりになって育てていたが、メイジーとヴェロキラプトルの幼体「ベータ」が、それぞれの身体に備わる特殊な遺伝子情報を手に入れて金儲けを企む組織から拉致・捕獲され連れ去られてしまう。一方、植物学者のサトラー博士(ローラ・ダーン)は旧知のグラント博士(サム・ニール)を伴い、ある疑惑を追ってバイテク企業バイオシンに乗り込み、そこで働くマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)と再会する。
メイジーたちの救出に奔走するオーウェンとクレアは、やがてバイオシンの施設に行き着き、かくして新旧のメインキャストが一堂に会するという胸アツの展開に。今作ではさらに、ハリウッドのスパイ活劇で定番のカーチェイスを彷彿とさせる、市街で高速追走する恐竜から車やバイクで必死に逃げるシーンが加わり、アクションシーンの多様化でテーマパークのアトラクション的な楽しみが増している。全体にわちゃわちゃしていて、ご都合主義的なストーリー展開もあるが、とにかく「ジュラシック」シリーズで蓄積された知的財産を最大限に活用して観客を楽しませようという意気込みと、そのために膨大なリソースが投じられたことが映像からしっかり伝わってくる。これぞハリウッドビジネスという、お手本のような娯楽超大作だ。
スクリーンで仰ぎ見る恐竜と懐かしのキャストたち
かつて93年の第1作では隔絶された場所として「パーク」は存在し、97年の2作目ではその聖域から、たとえ一頭だけであったとしても文明社会に乗り込んでくる展開に驚きと恐怖があった。それから比べると、シリーズのフィナーレを飾る本作ではもはや「ワールド」は異世界でなくなり、実社会とイコールで結ばれている。これぞ我々が夢にまでみたカオスの最終局面。ある場面では人間と恐竜がジェイソン・ボーンばりチェイスを繰り広げたり、迫真の空中戦があったり、ふとしたところで過去作へのオマージュ風の描写が見受けられたり・・・趣向を凝らした映像の数々が目と心を楽しませる。でもどれだけVFXが発達しても、93年のブラキオサウルス登場場面の深淵を決して超えられないのはこのシリーズの宿命だろうか。やや偶然に依拠しがちな筋書きが気になるが、それでも懐かしい顔ぶれの念願の再会と、彼らの創り出すアンサンブルは味わい深いものがあった。
「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」は、❝Don't think! Feel❞な作品?
「ジュラシック」シリーズは、「映画の公開年」と「劇中の時代設定」が同じになっている点が特徴としてあります。そのため、本作の舞台は、2022年の地球となっています。
絶滅した恐竜をバイオテクノロジーの進化によって蘇らせた1993年の「ジュラシック・パーク」から30年もの月日が流れています。
「ジュラシック」シリーズにおける究極的な問いかけは「人類と恐竜は共存し得るのか」ということでしょう。これの答えを探すべく「ジュラシック・ワールド」シリーズが生まれた面があります。
2015年の「ジュラシック・ワールド」は1993年の名作「ジュラシック・パーク」の精神を見事にアップグレードしていて、映像センスや脚本も非常に出来が良かったと思います。
ただ、2018年の「ジュラシック・ワールド 炎の王国」は、やや失速した感がありました。
そのため「ジュラシック・ワールド」シリーズ最終章の本作に期待していましたが、結論から言うと、前作での失速はカバーできなかったという印象でした。
本作では「ジュラシック・パーク」からの30年間を総括するような意味合いもあり、一部の「ジュラシック・パーク」シリーズ出演者が合流します。結果的に、ここが足を引っ張った面も感じました。
要素が多いほど、尺の問題が出てしまいます。
それもあってか、本来は重要であるはずの「巨大バイオテクノロジー企業」が、旧メンバーらのために❝取ってつけたような企業❞と化していました。
元々「ジュラシック・パーク」は、バイオテクノロジーの進化を描き壮大な物語を繰り広げてきた作品です。
そのため、当時より遥かにテクノロジーが進んだ現代の「巨大バイオテクノロジー企業」は、より強固な存在でなければ不自然となります。
ところが「犯人は●に違いない」→「あ、旧友が●で働いている」という感じで同窓会のため用意されたような存在で、セキュリティー管理から何までギャグシーンかのように❝異空間❞でした。
最終章ということで、いろいろと詰め込み過ぎた反動が如実に表れています。
これであれば、2部作に分けてでも緻密に描き、作風の統一をしてほしかったのが残念な点です。
そのため本作は「大迫力な恐竜映画」として「深く考えずに、感じる作品」ととらえて見るのが正解では、と思います。
そう割り切ると、1993年の「ジュラシック・パーク」、2015年の「ジュラシック・ワールド」と、始まりはどちらも壮大で映像表現も素晴らしかったです。
この“生きた恐竜”は、本作でも間違いなく存在し、映像のクオリティーは素晴らしく、映画業界に大きな進化をもたらした功績を評価したいです。
30年にわたる壮大な物語の最終章は、新たな恐竜映画ファンにも伝わる物語
巨匠スティーヴン・スピルバーグが生みだした大ヒットシリーズの通算6作目にして、「ジュラシック・ワールド」3部作の完結編。「ジュラシック・ワールド」シリーズの中心人物であったコリン・トレボロウが「ジュラシック・ワールド」1作目に続いて本作でもメガホンをとり、主人公のオーウェン役のクリス・プラット、クレア役のブライス・ダラス・ハワードがそれぞれ続投する。本作の注目点は、ローラ・ダーン、サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラムといった「ジュラシック・パーク」シリーズの面々が「ジュラシック・ワールド」シリーズで登場を果たす点だ。
前作のラストにおいて恐竜たちが世界中に解き放たれて4年もの歳月が流れている。世界そのものがジュラシック・ワールドへと変貌し、あらゆる場所に棲みついた恐竜たちによって人々は混乱の渦に巻き込まれていた。果たして人間と恐竜は共存し得るのか。これこそが「ジュラシック・パーク」からつながる最大のテーマである。
個人的には、クローンであるメイシー・ロックウッドの秘密が明かされていくところが気に入っている。人気のある恐竜「ブルー」に子供ができていて、その距離感に新しさを感じた。
リアルな恐竜が多く出てくるので、大人から子供まで、恐竜好きにはたまらないサプライズが多い。恐竜映画の代名詞的な最高峰シリーズ。
シリーズの壮大なる終焉
原題
Jurassic World: Dominion
感想
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の続編で、「ジュラシック・パーク」フランチャイズの第6作目であり、「ジュラシック・ワールド」三部作の第3作目であり、完結編である。
地球を支配するのは人類か恐竜か、それとも共存の道を選ぶのかー
とてもアドベンチャー感がありました!
マルタ島の市街地をラプトルとの車、バイクチェイスはカッコよかったです。
大イナゴの大群は気持ち悪かったです。
鳥肌ものでした…
今回もたくさんの恐竜が登場していました、過去の人気恐竜のほかに新種恐竜の羽毛恐竜とかギガノトサウルスなどなど。
ブルーには子供が産まれていてビックリしました!
新旧のキャストが勢揃いでした!
レジェンドのアランとエリー、マルコム、ワールドシリーズのオーウェン、クレアが一緒に映った時は胸が熱くなりました!
前作からのメイジーは大きくなりましたね、バリーが出てたのも嬉しかったです!
ケイラとラムジーの活躍は大きかったです!
ドジスンの最期はネドリーと同じでにんまりしてしまいました笑
※恐竜と共存する世界
シンプルに面白かった
初代からの総出演で惜しげなかった
ストーリーも想像できるシンプルさで子供の頃にグーニーズを観た時のようなワクワク感がありました
初代ジュラシックパークは怖くて怖くて指の隙間から見る感じだったのが続編が出る毎に観る人間が年取ったからか、怖いシーンがマイルドになってる気がします
良い人側がみんな無事に終わったのも良かったです!
スピルバーグはやっぱりこういうのが面白くていいなぁ
長かった〜
ようやくワールドも終わりました。
ジュラシックパークからの博士たちがわりと活躍するのが昔からのファンからすると嬉しい
にしても詰め込みすぎな印象、今作に限ってはミッションインポッシブルなどの要素も入れて、ごちゃごちゃしてしまった感じもあるがこれはこれでよいのかもしれない、もちろん恐竜たちも出し惜しみすることはない、恐竜同士のバトルはかなり興奮する
よくうまく話をまとめたものだと感心しました
しかしイナゴって怖いね〜
今も地球は食糧難の原因はイナゴの大量発生もあるようで
あんなでかいイナゴみたら失神してしまいそう
感想メモ
恐竜!
前作あまり覚えていないが、登場人物は大体わかる凄さ
シリーズ一作目はホラー映画らしく何人か死んだが、今作は流石に主要メンバーが多すぎて殺せないよなー、バイオシンの社長ぐらい
モササウルス始まり、ティラノ締め、美しい構成
お気に入りはケツァルコアトルス、完全に名前勝ち
調べたらほぼ陸上生活?と書いてあったが、本当のことは分からないし、飛んでた方がかっこいい
テリジノサウルスの森でのシーンが良い、水に向かって吠えてるとこ、すごく良い、草食恐竜だから鉤爪で倒した敵を食べない、、良い、、贅沢、、
デカイナゴも古生代感あって良い、よくないけど
もっとブルーが活躍してもよかったと思うよ!
シリーズ完結
シリーズとしては、いい終わり方をしたと思います。
また、旧シリーズの3人が出てきた点も懐かしくよかったですが、もうちょっと活躍の場があればと思いました。
さらにこの新シリーズの顔でもあるブルーの出番はもっと欲しかった。
完結編としては、少し物足りない点があったのでこの評価としています。
まさに大団円。
幼稚園児の息子がハマった同シリーズ。息子が小学生になり最終作を一緒に観ようと思ってだけど、怖さが優ってしまうらしく観てくれないので、公開から2年の月日が経ってしまいました。諦めて、夫婦で鑑賞。
この作品、細かい事はいい。
とにかく長きに渡るジュラシックパーク→ワールドシリーズを完結させるために、役者も恐竜もオールスター勢揃い。ファンサービスてんこ盛りで、ただただ拍手を送りたくなる。
イナゴの件は取ってつけたようなストーリーだし、ラプトルが石畳をあんなにグリップして走れるかい!とか、その他ツッコミ所は満載だけど、いいんです。
1993年から続くシリーズもこれで幕引き。
ジュラシックパークの1作目を劇場で見た時の感動は忘れないよ。ありがとう。
クラシックムービー
90年代の初めに始まったこのシリーズはすでにクラシックとなってる
もう30年も経ってるのだし当然だろう
美容学校に通ってる時期に「Ⅲ」が公開されてたのを覚えている
本作は今現在問題になってるイナゴの大量発生
少々脱線するが・・・・
中国とインドだけで人類の4分の1を占めている
70年代に人類は総人口30億人だったのが、令和には80億人を超えており
食料危機は待ったなし、昆虫を食すように企業は試行錯誤してる状態
今の人類はあと100年生きられないと言われているが
問題は食料問題の他にも地球温暖化、台湾問題やら水問題などなど、世界大戦の勃発も十分あり得る
なにはともあれ、本作のシナリオは従来の恐竜から逸脱してて
リアル世界の問題をシナリオに取り入れている
恐竜が見たいのに、なぜイナゴ?と言う部分が好き嫌いが分かれた踏み絵になった
一応最終作と言う事で今までのシリーズでの主要キャストが勢ぞろい
ローラ・ダーンとかお婆ちゃんになって、月日の流れは残酷だ
30年もの年月をかけて公開されてきたこのシリーズは、十二分に我々を楽しませてきた
まぁ~シリーズ物と言うのは1stには勝てない物ではあるがね
イナゴは大きいほどかなん
過去5作の主要メインボーカルが集まって
ユニゾンで合唱するが
スピード感で圧倒するものの
曲調はいつもと同じで
どっか聞いたことあるなあ感。
やはり1作目は偉大であったね。
拙は2作目も好きなんだけど
70点
TOHOシネマズ日比谷 20220811
パンフ購入
ジュラシック・ワースト‼️
作品を気に入ってらっしゃる方には申し訳ないのですが、この作品はシリーズの中でも群を抜いて駄作だと思います‼️この作品の一番の問題点は、物語における恐竜の存在意義‼️巨大イナゴの品種改良に恐竜のDNAが使われている‼️多分ゾウとかコモドオオトカゲのDNAでもイナゴは巨大化したと思う‼️多分全く恐竜を登場させなくても物語として成立していたし、主人公たちと悪徳企業のスパイ戦を描く映画、もしくは巨大イナゴの大量発生が世界中をパニックにする映画にしたとしても成立していたと思う‼️ひょっとしたらそっちの方が面白かったかも‼️この映画の脚本に恐竜を絶対に登場させなければいけない理由が見当たらない‼️オリジナルのジュラシックパークのキャスト3人とワールドのキャストたちの共演も画面を狭くするだけで全くありがたみを感じない‼️もうそろそろジュラシックパークというしがらみにとらわれず、全く新しいスタッフ、キャストで、全く新しいワクワクするような恐竜映画を創造してほしい‼️ハリウッドのメジャースタジオの皆様、よろしくお願いします‼️
マジでまずい!
新旧キャストが勢揃い。合流した時、かなり胸がドキドキした。今回はクリスのお笑いが無い分、マルコム博士が頑張って笑わせてくれたね。エリーの劣化に溜息をつくが、グラント博士はカッコ良く年取ったわ。恐竜達も新たなる新人達が頑張って盛り上げてくれた。もう正直ジュラシックシリーズはコレで終わると思うが、また違うシリーズで恐竜達の物語が描かれるでしょうね。その時まで、さよなら さよなら
やっぱりあいつにそうなるか
恐竜物語からは結構離れていき、どんどん冒険探検追い終われの展開、インディジョーンズここに現る的お話で面白い事は面白かった。恐竜達もこいつ達ってこういう事やるんだったなぁと思っていたらそのままであーやっぱりかあーと。それでも普通にその辺に恐竜がいて襲われるという設定には恐れ慄き、イナゴの大群それも巨大化したものはただただ怖かった。この様な世界にならぬ事を希望する。
あと突っ込み所はそれこそあちこちに散見出来るがまぁそんな事言っていたらお話が進まないので仕方ないか。
初期『ジュラシック・パーク』のレジェンド登場
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)の続編で、「ジュラシック・ワールド」三部作の第3作目。
タイトルにも記しましたが、初期『ジュラシック・パーク』のレジェンド、“アラン・グラント”、“エリー・サトラー”、“イアン・マルコム”が登場します。
『ジュラシック・パーク』のレジェンドたちと、『ジュラシック・ワールド』の登場人物は、当初はまじりあいませんが、同じ物語に登場している以上、最終的には出会って、協力し合うという事になります。まぁ、王道ですね。他の登場人物も、初期の『ジュラシック・パーク』の世界とつながっていました。続けてみると、話がつながるのか
ところで、世界には恐竜があふれてしまっている設定なんだね。それには驚きです。まぁ、本当にジュラシック・パークの様な施設が出来た後に、その施設が破られて、荒廃してしまったら、そこにいる生物は逃げ出すでしょうから、そうなるんだろうけどね。
ワクワクドキドキが止まらない!
恐竜映画ってなんでこんなにワクワクするんでしょう!
そして、いろんな恐竜作品の中でやっぱりジュラシックシリーズは群を抜いて面白い!
ジュラシックパークの御三方とワールドの3人の鉢合わせシーンはなんだか胸が熱くなって涙が溢れそうになった。
ついこの間、ジュラシックパークの一作目を観たからか、アラン博士とエリー博士の老化具合にかなり驚かされたけどそうか、もうそんなに大昔の作品なのかぁ、、としんみり…
マルコム博士はワールドでも出演していたので珍しさはなかったけれど、でもやっぱりアランとエリーと3人一緒にいると懐かしさが蘇って、胸が熱くなる。
あと、羽が生えて色がついた恐竜は衝撃的🫨
動いてると気味悪さ倍増で、普通の恐竜が出てくるよりあれが出てくる方が何倍も恐ろしい(汗)
オーウェンとブルーの心では繋がってるところも観れたし、とても満足な作品だった。
イナゴだけは勘弁だったけど…
あぁ、もうこれでジュラシックシリーズは最後なのかぁ、、、
こんな面白い恐竜映画はこの先もう出てこないかもなぁ、、
世界的な名作だからこそ、期待値が上がってしまうよね
期待値A
ちょっと尻すぼみ。
世界に恐竜が住みつき、共存の選択を取った世界の話。
世界設定めっちゃ好き。
オールスター感謝祭だった。
待望の続編であることには間違いないんだが、
ジュラパや、ワールドの一作目の衝撃が強くてね。
22.8 映画館
バッタと予言の日
ジュラシック・パークは元々生命倫理をテーマにした作品でした。
もちろんただロマン溢れる恐竜映画でもあるのですが、恐竜というテーマを用いて「自然の恐ろしさ」、そして「自然の営みに対し軽率に人間が介入することの恐ろしさ、傲慢さ」を描いた作品でもあるのです。
……とはいうものの、こちらのテーマは初代ジュラシック・パークで大体描き終わっています。
以降のシリーズは全部「恐竜パニックエンタメ映画」です。
別に悪く言いたいわけじゃないですよ。恐竜パニック大好きなので。それはそれでいいもんです。
しかしその恐竜パニックに中途半端に理屈を付けようとして色々失敗したのがジュラシック・ワールドⅡです。
「火山島にテーマパーク作ったのかよ」とか「どんな理由があろうと恐竜逃がしていいわけないだろ」とか「レーザーで敵を照射できる状況ならそのまま銃で撃てよ」とか。半端にそれらしく振る舞おうとした結果生まれたツッコミどころが無限にありました。
ジュラシック・ワールドⅢを評価しているのはそれに比べて原点の生命倫理にもう一度正しく向き合ったからです。
というのも、恐竜ってもう復活出来ないことが知れ渡ってるんですよね。カエルのDNA使ったってどうにもならないレベルです。
それに現実的に考えて恐竜が人間の世界で暴れまわることはできません。
もちろん被害が出ないわけはないんですが、別に兵器が効かないスーパー怪獣ではないので。肉食の象が暴れてると思ってください。
軍隊送って攻撃ヘリから機銃掃射すれば当たり前に鎮圧できると思いません?
つまり今の御時世との乖離を考えればジュラシック・パークの初期設定ではどこまで行ってもサイエンス・ファンタジーでしかない。
だから改めてリアリティを得て問題提起するには「バッタ」なんです。
無限に増えて飛び回り、簡単に駆除もしきれず、歴史に名を残すレベルで食料事情に壊滅的な被害を与えていくバッタこそ、このテーマを描くために必要なリアルだったんです。
「恐竜パニック映画」でバッタをやる必要はなかったかもしれません。
ただ「ジュラシックシリーズ」でやる意味は確かにあったんです。
ジュラシック・パークが作られた当時、遺伝子技術はまだ不完全な分野でした。
今の我々の世界はどうでしょうか。
遺伝子技術は飛躍的に進化しました。
凍土から発掘されたマンモスの復活計画なんてものすらあるくらいです。
しかしジュラシック・パークであれだけ批判された「神の所業」は現実で批判されているでしょうか。
我々は歩みを止めることが出来ているでしょうか。
答えはノーです。
技術の進歩はもう誰にも止められません。
誰かのせいじゃありません。私達の誰もがより良く生きたいと願うからです。ヘンリー・ウーやインジェン、バイオシンという明確な悪人が出ないまま、ゆっくりと、知らない間に社会全体が染まっていくのです。
このまま行けば人類は過ちを犯すかもしれません。
過去に夢見た未来はまさに「今」になったのです。
ギリシャ神話ではパンドラが箱を開くと災いが飛び出し、箱の底には希望が残りました。
私はヘンリー・ウーの最後に希望を見ました。
変わることは避けられなくても、過ちを犯しても、ゆっくりとより良い未来へ進み続けることは出来る。
パークという未来が現実になった今の時代だからこそ、今の時代なりの答えを示したこの映画を私は評価したいと思います。
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