バケモンのレビュー・感想・評価
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噺家・笑福亭鶴瓶に肉薄したドキュメンタリー映画
全国的に新型コロナウイルスの新規陽性者数が落ち着きはじめ、京都府も一桁台まで沈静化してきたこともあり、また大丸京都店にも用事があったので、四条烏丸にあるミニシアターの京都シネマまで、会員更新特典の無料招待券も使うべく、予てから私の父親が観に行きたいと申していた、笑福亭鶴瓶師匠のドキュメンタリー映画『バケモン』が、不定期で未だ上映していると知り、11月17日(水)に父親と一緒に劇場鑑賞に出向いて来ました。 落語家・笑福亭鶴瓶を、17年間に亘って撮り続けたドキュメンタリー映画。 あくまでも<落語家>の笑福亭鶴瓶であって、いつもの<お笑いタレント>の鶴瓶ではない事を念頭に置いて鑑賞に臨まないと、肩透かしを喰らうかも知れないほどに、落語に精進し真摯に取り組む噺家・鶴瓶の姿に肉薄したドキュメンタリーでした。 しかし、もっと正確に言えば、笑福亭鶴瓶という一人の人物を追ったドキュメンタリーではなく、本作の山本真吾監督が追っているのは、実は、笑福亭鶴瓶が演じる落語「らくだ」(=「鶴瓶のらくだ」)なのでした。 落語や歌舞伎の題目にもなっている、この「らくだ」とはどういう噺か、ということから始まって、登場人物たちの居場所、作者の問題、或いは、どう捉えられてきたのか、等々。 この「らくだ」の成り立ちを、東京・神保町の古本屋などで江戸や明治時代当時の地図や文献などの資料を探してきて掘り起こすまで行なうのは良いのですが、あたかも高尚な学術書の様な体裁の内容になってしまい、肝心の「らくだ」の噺自体の解説についてはそこそこに済ませ、あまりにも中途半端だったので、これで「らくだ」の噺の面白さを理解して欲しいと言われても土台無理かと思われました。 ただ、幸いにして、私や私の父親の場合は落語を聴くのも趣味の中の一つでしたので、落語「らくだ」についても(笑福亭鶴瓶師匠のものではないですが)、何度か聴いた事もあり、それなりに楽しめましたし、落語「らくだ」の成り立ちの話自体も興味深く観ることが出来ました。 しかしながら、笑福亭鶴瓶師匠による落語「らくだ」を追ったドキュメンタリー映画としては、その笑い自体が、万人に理解に及ぶ内容にはなっておらず、編集・構成においては、正直なところ失敗したと言わざるを得ない出来映えだったとも言えるでしょう。 その成り立ちを追い過ぎて、あたかも高尚な学術書のような内容で実に面白味に欠けるのでした。 約1.600時間に及ぶ映像から、わずか2時間内にまとめ上げるのには、かなり作業に苦労を要したとは思いますが、肝心の落語「らくだ」の面白さが伝わって来ないのでは意味を成さないとも思いましたし、莫大なフィルムがあるにも拘わらず、ドキュメンタリーとしては切り取り方を間違った編集・構成としか言いようがなく、埋もれた莫大な記録フィルムが何とも勿体ない! 鶴瓶師匠の師匠である六代目笑福亭松鶴師匠の十八番だった「らくだ」だからこそ、50歳になってから落語をやり直されたという逸話をはじめ、<落語家>笑福亭鶴瓶師匠の至極真面目な側面を切り出してドキュメンタリー映画にしても、その陰の努力の姿勢に感心はすれども、笑われてナンボの商売でもあるのに、逆に笑福亭鶴瓶師匠自身も素っ裸にされて正体を明かされたみたいで、気恥ずかしく感じなかったのかとさえも思えました。 NHKの『プロフェッショナルなんとか』や民放の『情熱なんちゃら』などの真面目なドキュメンタリー番組が好きな人達向けの映画だったのかも知れないですね(汗) 確かに、お笑いタレント・鶴瓶として、ラジオ・テレビで計9本のレギュラー番組を抱えつつ、余人には真似できないような「鶴瓶ばなし」を披露するかと思えば、TVドラマ・映画でも個性派俳優としても活躍され、その上で、噺家・笑福亭鶴瓶としてのライフワークとして、50歳からやり直した、落語「らくだ」を日々生ものとして進化させていっているのは凄い事ですし、そんな笑福亭鶴瓶師匠は、まさに正真正銘の『バケモン』とも言えるのかも知れないですね。 従いまして、私的な評価と致しましては、 笑福亭鶴瓶師匠を捉えたドキュメンタリー映画としては、そもそもがピントが外れており、噺家・鶴瓶による「鶴瓶のらくだ」を追ったドキュメンタリー映画となっており、それもがいつの間にやら高尚な学術書の様な体裁の内容に変わってしまっていて、約1.600時間に及ぶ記録映像があったにも拘わらず、正直なところ全く面白味に欠けるドキュメンタリー作品になっていたのが、実に勿体なく思われましたので、五つ星評価的には、★★★(60点)と言いたいところでした。 ただ、この映画は、「本作品は映画館に無償で提供する目的で製作され、入場料はすべて映画館の収益になります。」と作品チラシにも記載されているように、現在、コロナ禍の中で苦戦しているミニシアターなど映画館を救済する目的で上映されている事に沿うべく、映画館でドンドン上映してもらい映画館の収益の一助にして欲しいという願いを込めて、★星を1個分増やし20点加点しまして、★★★★(80点)の評価とさせて頂きます。
ハードル
タレントの鶴瓶師匠しか知らない人にとっては厳しい内容であったと思われました。 僕は落語も趣味の一つであり師匠の高座も聴いたことがあったので楽しかったし、らくだの話も楽しめました。 らくだの解説も中途半端だったので、これで噺を理解しろと言われても無理です。 鶴瓶師匠の頑張りは映画の通りでしょうが僕にとってはスタイルを崩さないで名前を残した談志師匠もバケモンでしたし噺家自体がバケモンという認識です。
鶴瓶は偉大!されどこの映画はB級止まり
テレビで観る鶴瓶とかさんまはめちゃくちゃ面白い。2人とも落語をしないイメージがあるけど、鶴瓶に関してはものすごい努力をして、ここまでの落語の芸を極めている。 本当に偉大な人だ。 らくだの落語他の創作落語も素晴らしいし、落語より難しい鶴瓶ばなしは誰にも真似出来ない。 しかし…だ。映画としては失敗だ。ドキュメンタリーとして切り取り方を間違っている。莫大なフィルムがあるのになんだよこの編集は。 もったいないことよな。 どうやったらこんなにイラッとくる順列の、無駄の多い編集になるのか素人目に見ても不思議だ。 まあ、鶴瓶の偉大さに免じてこの点数つけるけどさという感じでした。 それと、この映画の収益は映画館に寄付されるということで映画館でどんどん上映してコロナ禍の映画館を救済したいという意味での3です。本来なら映画としては2。
テレビの鶴瓶さんとは違う一面が掘り下げられていて、且つ落語の側面か...
テレビの鶴瓶さんとは違う一面が掘り下げられていて、且つ落語の側面からも捉えており、このコロナ禍で上映するという意味合いも含めて非常に良い作品だった。ただ単にいい話ということではなく、思いを持ってひたすらやり続ける、そんな芯のある新しい鶴瓶さんを感じることが出来た。
浅い、浅すぎる。もっと知りたい。
鶴瓶さんは芸人なんですね。根っからの。そして、アーティストでもあるとおもいました。いや、落語はじめ話芸をよく知っていないからなんでしょうね。 彼が芸にこれほどこだわっているとは知らなかったし、鶴瓶話の舞台裏を知ったら、すげーな。って単純に驚嘆です。 ただね、そこまで。なんです、残念ながら。 だって、ほんとに見せて欲しいところは、鶴瓶本人が死ぬまで見せちゃダメって言ってるから、仕方ないのですが、なんとも見せる角度が少なすぎるかな。 近い人ではない人が企画するべき作品だったかなって。 だって、こーいうの、せめぎ合いじゃないですか。出したい側と出したくない側の。こーすれば素を映せるんじゃ?とか、そーいうのないんです。 私生活も、でてこないし、鶴瓶のすごいところ、バケモンと言われてるところが、対して描かれない、偉大な芸人の口から語られているってとこだけで描こうとしてるのって、どーなんだろ? 「プロフェなんとか」か「情熱なんとか」みたいな作品でさした。 うーむ、期待はずれ
化けの皮が剥がれるまで…
「俺が死ぬまで出すな!」との約束で始まったドキュメンタリー撮影。
笑顔の奥に潜んだ鋭い眼光には踏敢えて触れず…いや、まだ踏み込まなかったと言う方が正しいか?
やがて時が経った時、本当のバケモンとは誰なのか、全てが明らかになるのだろうか?全てを明らかにするのだろうか?
笑福亭鶴瓶、本当のバケモンとは…
鶴瓶の人生を見にきたはずが落語の生い立ちを見る羽目に
駱駝という古典落語と鶴瓶の人生をなぞるようにしてる作品 17年も撮っていた割には鶴瓶の映像は少なく殆ど駱駝であったり吉原が舞台の古典落語の歴史ばかりで肝心の鶴瓶があまり出てない 17年間何してたんだよ
噺家と、敢えて呼ばせて頂きます。
明石家さんま氏的なタレントではない 噺家 笑福亭 鶴瓶師匠の ほんの一面が見える映画。 落語好きならば見て損は無いと思います。 ただ、前半部の会話等聞き取りにくく 後半同様字幕を入れて欲しかった。
鶴瓶の面白さが味わえなかった
落語家・笑福亭鶴瓶を山根慎吾監督が17年間、約1600時間も撮影した映像を120分の映画にしたドキュメンタリー作品。2004年に鶴瓶の落語「らくだ」に衝撃を受け、正式に許可を取り撮影を開始し、ステージ、楽屋でのメイク、打ち上げ、そして2020年、コロナ禍の中「らくだ」で全国ツアーをした鶴瓶までを撮ったもの。
感想は、辛辣かもしれないが、面白くなかった。
落語をちゃんと聴ける訳でもなく、トークで笑いを取っているシーンも切れ切れで面白さが解らない。
テレビでじっくりと鶴瓶のMCでの面白さを観る方が良い。
それと、題の「バケモン」って鶴瓶の事だと思って観てたら何と・・・とは!!題にも騙された感じだった。
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