「人身売買を題材とするが、モノクロ映像とイメージのみで終わる。」名もなき歌 caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
人身売買を題材とするが、モノクロ映像とイメージのみで終わる。
この映画は、ペルーという国の人身売買を題材とし、ある新聞記者がその闇に迫るという図式で、物語が展開していく。
警察、裁判所など、どの組織も、どの人間も助けてはくれない。
主人公ヘオルヒナは、出産後、会わせてももらえず、そのまま連れ去られた子供を探し出すため、新聞社へ行き、自分の子供が盗まれたと訴えかける。
新聞記者ペドロは、その話を聞き、最初は乗り気ではなかったが、徐々に興味を抱き、人身売買という闇を追い始める。
しかし、人身売買の真相はつかめない。そして、闇が暴かれることもない。
最後は、ペドロが、何者かから脅迫を受けるのだが、それがペドロの同性愛と重なり合い、物語は終了していく。
この映画は、人身売買をメインテーマにしているというよりも、モノクロ映像の表現そのものに重点が置かれ、その題材として、人身売買が取り上げられているといった印象だ。
ゆえに、ペドロの同性愛を描くあたりで、ストーリーの展開は、大きくそれていってしまう。
映画マニアが観れば、映像表現に凝っている部分はあるのかもしれないが、映画の見応えとしては薄い作品と言えるかもしれない。
人身売買というテーマは、やめといた方がよかったんじゃないかな。そう思いますね。
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