劇場公開日 2022年8月11日

「愛想つかされるおじさんが再起をかけたところで、である。」TANG タング たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0愛想つかされるおじさんが再起をかけたところで、である。

2024年3月29日
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鑑賞方法:VOD

凄く面白くなりそうな気配はしてたけど、それが化けなかった感じ…。津々浦々行ったけどギミックには効いてないし、微笑ましいの一辺倒だったなと思う。

そもそも入口が、奥さんのすねかじりなニートってなかなかきつい。過去にあるから、といって責められるのを超えていて、なんだかなぁっていうのが最初。TANGと出会って変わっていくのはもちろん想像がつくものの、中途半端にゴールが透けているからか、物足りない。特にビジュアルにも感動することはなかったし、面白くなりそうな気配をくすぶらせているだけだった。

ただ、それでも面白くなりそうと期待させてくれる所は三木孝浩監督の手腕だと思う。TANGのキャラクターがもたらす純粋さは作品におけるミューズであり、イラスト風のカットで伝えてくることで、作品のトーンの暗さを抑えることに成功している。ただ、全編通して思い出せるほどのシーンが少ないのが残念。

主演は二宮和也さん。ゲーマーってことくらいで、抜けた感じがハマるのも分からなくはないけど、それが逆に安売りにも思えてしまうのが残念。豪華なキャストを抑えていながら、そこに付加価値を感じられないのが惜しい。

コメディタッチのフレンドリーなSFってことなのだろうけど、ちょっと中身が寂しい。ただ、TANGに湧き上がる愛着が作品のギアになっていたことは間違いない。

たいよーさん。