「アンバランスと緊張感で全編押し通す」すべてが変わった日 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
アンバランスと緊張感で全編押し通す
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ブランチの家に招かれ皆が一堂に会するシーンの緊張感は、西部劇の酒場かマフィアの会合だ。
時代設定が60年代なこともあり全体的にも西部劇のおもむきはある。
要は、わりと雰囲気映画なのだが、その雰囲気が最高だ。
まだ女性の立場が弱かった時代。その時代を象徴するようにローナがいる。ローナは周りに翻弄されるばかりでなんの力もない。
そのローナと対になるように、マーガレットとブランチがいる。
マーガレットは物語を牽引する存在で、夫ジョージの力がなくとも孫を取り戻すときかない。
ジョージが現代的な価値観を有するいい奴なこともあるだろうが、ブラックリッジ家を動かしているのはマーガレットだ。
そして西部の悪役一家のようなウィーボーイ家を取り仕切っているのは、やはり女性であるブランチだ。
60年代に女性と女性の戦いをやっている構図になるところが面白い。
しかし、現代的な、直接殴り合っちゃうようなことにはならず、戦うのは夫や息子、つまり男なのだ。
この、なんていうか、バランスがとれてるようなとれてないような絶妙な60年代感がいい。
ジャケットやあらすじの雰囲気以上にバイオレンスな作品なので苦手な人には注意が必要。
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