「老い・死・家に縛られる女性…」レリック 遺物 movie_curatorさんの映画レビュー(感想・評価)
老い・死・家に縛られる女性…
今年鑑賞した作品で一番怖かった。これは映画館でのサウンドの勝利と言えるけど、ちょっと勘弁と思ってしまった。あるシーンなんておぞましくて思わず笑ってしまった。
実家で独居しているエドナが行方不明になったと連絡があり、実家に戻るケイとサムの親子。数日するとふっと戻って来るが、久しぶりに見る母・祖母の姿は驚くほど変わっており、家に何かがいついていると老人特有な妄想を抱えていた。
しかし、本作はホラーという事もあり、その何物かが物音を立てたり、姿を現したかの様に徐々にケイとサムを襲い始める。
本作のテーマは、『老い』や『死』である事は明白であるが、加えて『家=女性(母)』というのもあったと思う。兼ねてからのそのラベリングに対して反発しているか様なメッセージを発した作品でもあったかな。そしてクローゼットの奥に入っていく下りの混沌は、老人の意識のそれであり心が痛む様だった。昔にあった祖祖父母が住んでいたと言われていた古屋に嵌められていたステンドグラスは、家(家系)を示しており、それに縛られる女性を描きたかったのか。エドナが家に戻りたいと言っていたのも生家に戻りたいと言っていたと思ったりね。
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