「【分からないという怖さ】」レリック 遺物 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【分からないという怖さ】
先般、YouTubeで、とある女性タレントの実体験の怖い話を聴いた。
無茶苦茶怖くて、それで、色んな人にシェアして憑き物を落とそうと、そのストーリーをLINEに急ぎ書きとめて、昔の会社の先輩や同僚、大学の友人、田舎の友人、取引先のお兄さん、部下だった後輩なんかにLINEしまくった。
実は、かなり好評で、僕自身は憑き物が落ちて、しめしめと思っていたが、中でも一番頭の硬そうな先輩が、案の定、この人とこの幽霊らしきものとの関係性は?とか質問が返って来た。
“分からないから、怖いんじゃないですかーーー”
って、返信したら、”あっ、そういうこと!?”
だって笑。
まあ、この作品も、そうした「?」が残る作品なのだが、大きな怖さに展開するきっかけがない分、少しずつ、ジワジワとホラーの領域が侵食するように広がっていくところが、なんとも”気分が悪く”て、やっぱり怖い。
ただ、僕のYouTubeで聴いた怖い話の方が、怖いと思う。
なぜなら、わけの分からないものを映像として描写するのは、他人の感性に依存してしまうからだ。
わけの分からないものは、自分の想像のなかにあってこそ、より怖いと思うのだ。
だから、日本の百物語なんかの怪談話は、伝統として息づく怖さを秘めているのだと思う。
この作品については、わけの分からないものの映像がイマイチな感じがしてしまった。
でも、雰囲気は怖いけどね。
それと、認知症をモチーフにしているところも、なんか好感度を下げてる気がする。
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