レリック 遺物のレビュー・感想・評価
全34件中、1~20件目を表示
【“老いという名の怪物。そして、現れた遺物。”】
■森に囲まれた家で一人暮らしをする老女・エドナが突然姿を消した。
娘のケイと孫娘のサムが急いでエドナの家に向かうと、誰もいない家には、彼女が認知症に苦しんでいた痕跡が見受けられた。
あちらこちらに貼られたメモ・・。
2人の心配が頂点に達した頃、エドナは突然帰宅する。
最初は平常かと思っていたが、徐々にエドナの様子がおかしくなっていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・マサカの難解ホラーである。
・認知症気味のエドナは森へ行って、何かに憑りつかれたのであろうか。
・劇中流れ続ける不穏な音楽が恐怖心をじわりじわりと煽る。
・サムは、エドナの家のクローゼットに入るが、いつの間にか閉じこめられてしまう。
・一方、エドナは”ケイとサムは偽物だ。”と言い始め、ケイに襲い掛かる。何とか壁をぶち破ったサムは、襲われるケイを助けようとする。
・ケイは、到頭エドナを棒で激しく叩くと、エドナの表皮は剥がれて行く。
・ケイがエドナの表皮を剥いでいくと、やがてエドナは黒い人型になる。
・その人型をベッドに横たえて、ケイもそれに添い寝するように横たわる。サムも同様にケイの背後に横たわる。
そして、サムが見たのはケイの背中にある黒いシミであった・・。
<今作は、あのラストシーンも含め、見る側にイロイロと考えさせるホラーである。
認知症に罹った老女の話かと思いきや、それが発端かもしれないが、人は老いるという当たり前の事を、”怪物”と捉えた設定や、老いて行くと最後は”遺物”(黒い人型)になるというストーリー展開もナカナカである作品だと思う。>
脱皮するお婆ちゃん
月桂のカッコにsundance。見る前からわかりみがあった。
Natalie Erika Jamesの初長編。あちらでは初めての映画をホラーにするのが常道だが日本の“初監督作品”とは比べものにならない完成度にしばしば出会う。
さいきん見たのでもKate Dolan監督のYou Are Not My Mother(2021)、Parker Finn監督のSmile(2022)、Rose Glass監督のSaint Maud(2019)・・・初長編だがいいホラーだった。
ピータージャクソン大絶賛のPhilippou兄弟の初長編ホラーTalk to Me(2022)が話題になっている。(日本公開は2023年12月22日だそうだ。)
かえりみればアルバレスもピールもアスターもキャリアスタートは“初長編だがいいホラー”だった。今さら言うまでもないが、けだし演出家の力量が端的にわかる物差しがホラーなのだった。
Relicはすごいホラーではないが作家の人となりや人生への溜息があらわれる佳作だった。たとえば(はちどりの)キムボラがホラーをつくったらいいホラーができるにちがいないという予感。ぎゃくにいえば荻上直子や蜷川実花や三島有紀子や河瀬直美がホラーをつくったらどうだろうというニュアンス。動機が創造性なのか自己顕示なのかという話。
Imdb6.0、RottenTomatoes92%と52%。ジャンプスケアもないしVFXもないし行間に込められたドラマなので一般評はこぼしたが批評家はprosが占めた。
『Relicには衝撃的な展開や仕掛けはなく血なまぐささもない。Natalie Erika Jamesは普通の会話から恐怖と緊張を掘り起こすのが得意でスリラーの定石を使って親が徐々に衰弱していくのを見る恐怖という単純だが衝撃的なものを描いている。』
(Wikipedia、Relic (2020 film)より)
娘にとっての母、孫にとっての祖母、それぞれの観点が描かれる。落ち着いた質感で母娘の葛藤や認知症を語りつつ、不気味な何かに変容していく母(祖母)。雰囲気も語り口もYou Are Not My Motherに似ていたがホラーというより家族ドラマの印象をもった。“女性らしい”という形容は今では偏向になるのかもしれないが女性らしいホラーだと感じた。
人生でおこる現象はホラーに仕立てることができる。Natalie Erika Jamesが認知症の母を介護した体験が映画Relicになったのは間違いないし、もとより創作とは体験にもとづいてそれを脚色したものだ。日本でも変な背伸びなんかしないでじぶんの体験にもとづいたホラーづくりから映画キャリアをはじめればいいのに──と素人としては思うのだった。
【批評家さんは絶賛の映画のようです!が、私にはよくわかりませんでした💦そこが考えさせられます】
・2020年公開のアメリカのホラー映画。
・母 ケイと娘 サムの2人は、ケイの母であるエドナ(≒おばあちゃん)が失踪したと警察から連絡を受けて、田舎町のおばあちゃんの家に行く。ひとしきり家内を探すも見つからなかったが、数日たつと突然、家の中におばあちゃんが戻っていた。失踪中どこにいたのかも教えてくれず、異様な雰囲気だけが漂うおばあちゃん。まるで何かに憑依されているかのように。果たして、ケイとサムは、そしておばあちゃんはどうなっていくのか という大枠ストーリー。
[物語]
・うーん、ホラーなんですが、設定がファンタジー過ぎるといいますか、ぶっ飛んでいる(地に足がついていない)感じがして、正直共感しづらい部分が多かったです。一族の呪い的な匂いを感じますが、その背景がいまいちピンとこないんですよね。
・オチも「あぁ、そうなるかぁ」という感じでした。
[演出]
・ギリギリのエグさ表現は良かったです。エグすぎて観れないこともないですし、ちょっとエグくすることでホラー感を醸し出してくれます。
[映像]
・際立って感じたことはありません。
[音楽]
・際立って感じたことはありません。
[演技・配役]
・母 ケイ(エミリー・モーティマーさん)と、娘 サム(ベラ・ヒースコートさん)の仲睦ましい感じが素敵でした。年頃のサムと母が描かれると大抵はぶつかることが多いイメージですが、おばあちゃん思いのサムの優しさなど、なんだかいい子過ぎて。この母娘の関係がホラー映画の中の救いのように感じました。
[全体]
・総じて、やっぱり、ちょっとぶっ飛んだ設定に感じてしまいました。ぶっ飛びを感じない、他のファンタジー系のホラー映画と何が違うのか・・・ファンタジーな設定をリアルに感じれる物語運びがされていないことでしょうか?設定ありきで、恐ろしい事象が発生していく×その原因や過程も不明瞭なまま物語は終盤に向かって進んでいく。うん、そうですね、消化不良なまま、次の食べ物を食べる感じです。笑
・だがしかし!です。実は本作品は批評家支持率92%、平均点は7.65点/10点満点のようです。私の見方が悪いだけかもしれません💦
・そういう意味では、「なぜ私は共感できないんだろう」と考えさせてもらえる映画でした。ありがとうございました。
#映画 #洋画 #レリック #RELIC #2020年 #ナタリーエリカジェームズ監督 #エミリーモーティマー #ロビンネヴィン #ベラヒースコート #ファンタジーホラー
#全体2.9 #物語2.5 #演出3.0 #演技3.2 #配役3.0 #映像3.0 #音楽3.2
不気味
結局エドナは何処に居た?
エドナの胸の痣のようなカビのようなものはなんだったのか?
エドナの家の迷路のような隠し部屋は?何故あんな空間があったのか?
ハッキリと答えがないところが不気味である。観た人がそれぞれ想像しろということか?
痴呆の始まった老人の一人暮らし。どこの国でもどこの家庭でも起こりうる問題と、ありえないホラーとを上手くミックスして、気持ち悪く不気味にでも家族愛もあり、それなりに面白い。
でも最後、遺物と化した母でも放っておけず、最後を看取る覚悟を決めたケイ。家族愛を感じるも、何故あんなに皮膚をめくる?頭皮もめくる?グロすぎるよ〜。でサムが見つけたケイの背中の痣?あおカビ?ということは、、、サムは大丈夫なのか?と謎が残りすぎ。もう少し答えが欲しかった。
老人ホラーって最近流行りなん?
実感があると響くものがあると思う。
岸辺露伴に来てもらおう
いつか辿る道
どれだけ変わり果てても、理不尽に攻撃されてもそれでも見捨てられない。そしてそれはおそらく自分が辿る道かもしれない。
果てのない廊下はもう少し上手く使って欲しかったが。
奥深いドラマ
冒頭の数分、製作会社等のロゴから始まり、裸の老婆が棒立ちをしているシーンまで流れる重低音の鼓動の様なサウンドと、それに合わせて点滅するように場面を映す演出が秀逸。
これは最恐のホラーだろうという感覚を覚えたが、初心者にも優しすぎる程恐怖演出が少ない作品だった。認知症の母が行方不明になったという知らせを受け、主人公とその娘が車で向かう所から始まる。その晩から静かだが不気味な雰囲気で不穏な気持ちにさせられ、出るか出るかと思いきや中々正体を明かさない「それ」が少しずつ近づいてくる。多くは語られず、こちらも良く分からないまま、認知症の母親が恐らく原因だろうと思いつつ、ストーリーが進んでいく。
もちろん最後に「それ」が襲ってくるのだが、終盤の残り20分位にならないと姿を現さない。本編は短いが、それだと流石に物足りなさを感じてしまう。結局「それ」の正体は分からないが、親子三世代が揃った事に意味があるのだろう。
家族がいても疎遠がゆえ、一人死んでゆく老人が多いのはどこの国も同じなのか。アメリカで三週連続一位だったのもそれを反映した結果だろう。
最後の迷路のような場所や、カビが侵食した壁などは認知症の心の中を具現化したしたのだろうか。それを最後に破ったことで、襲うのを止め、あのラストに繋がったのではないかと思う。
劇中で、誰にも気付かれずに孤独死した身内の話が出てくるが、それも密接に関わっている事からそう推測される。
いずれにせよ、若年層には理解が及ばない作品だろう。そういう人は「死霊館」でビビらせて貰えば良いのである。
蠢く黒い影
本年度No.1ホラーと言われながら、一部地域でしか公開されず😂
アマプラで、やっと見られた。
雰囲気は怖い。
変容した不気味な祖母、黒いカビ、闇に蠢く影。
ただ、それが何かは分からないし、
分からないまま終わる。
示唆しているのは、曽祖父の呪い?
ソレはその遺物を通じてやってきて、祖母が弱るのを待ち、徐々に取り込んでいく。
スッキリしないから公開時の評価は低かったのか、
でも分からないから、また怖いのかもしれない。
なんか、悪趣味なんですよね‼️❓好みでは無い‼️❓
老い・死・家に縛られる女性…
今年鑑賞した作品で一番怖かった。これは映画館でのサウンドの勝利と言えるけど、ちょっと勘弁と思ってしまった。あるシーンなんておぞましくて思わず笑ってしまった。
実家で独居しているエドナが行方不明になったと連絡があり、実家に戻るケイとサムの親子。数日するとふっと戻って来るが、久しぶりに見る母・祖母の姿は驚くほど変わっており、家に何かがいついていると老人特有な妄想を抱えていた。
しかし、本作はホラーという事もあり、その何物かが物音を立てたり、姿を現したかの様に徐々にケイとサムを襲い始める。
本作のテーマは、『老い』や『死』である事は明白であるが、加えて『家=女性(母)』というのもあったと思う。兼ねてからのそのラベリングに対して反発しているか様なメッセージを発した作品でもあったかな。そしてクローゼットの奥に入っていく下りの混沌は、老人の意識のそれであり心が痛む様だった。昔にあった祖祖父母が住んでいたと言われていた古屋に嵌められていたステンドグラスは、家(家系)を示しており、それに縛られる女性を描きたかったのか。エドナが家に戻りたいと言っていたのも生家に戻りたいと言っていたと思ったりね。
隠し通路とカワハギ
認知症を扱った映画といえば、最近ではアンソニー・ホプキンスの『ファーザー』が異色で楽しめた。今作では奇をてらった心理劇ではなく、久しぶりに会う祖母が認知症によって変貌していく苦悩をケイとサムの視点で描いていた。
認知症による症状だけをとっても、徘徊や忘却といった一般的な症状に加えて人を泥棒扱いして怒りっぽくなる様子がとてもリアルだった。施設に入れようと試みる娘のケイや、理解しようとするも困惑する孫のサム。隣人との確執も絶妙だった。
ところが、家が広いせいか謎が多い。徐々に黒かびまみれになっていく壁だとか、終盤にサムが隠し通路を発見して恐怖に慄いてしまうシーンがとてもいい。観念的なものかもしれないけど、すべては祖母の心象風景によるものか・・・そこは見る者の自由。だだっ広い屋敷に一人で暮らさせてしまった家族の自責の念。そしてDNAを受け継いだかのように黒いアザが浮き出てしまうといった、普遍的なものまで見えてくる。
『ファーザー』でさえもホラーっぽく感じられたんだし、家族に認知症患者がいることで、少なからず恐怖というものは存在するもんだと訴えてきてるような気がした。
ホラーというジャンルに固執しない方にはオススメかも?
誰にでも起こり得ることをホラーテイストで描きながら、現実問題という余韻を残す!!
未公開スルーな予感がしていた『レリック -遺物-』が小規模ながら劇場公開されたことは、とりあえず喜ばしいことだ。
今作は日系オーストラリア人監督のナタリー・エリカ・ジェームズの長編初監督作品となるが、日本にいる祖母を久しぶりに訪ねた際に、認知症によって別人のように変わってしまっていた実体験をベースにした物語であり、ホラーコーティングしているものの、描かれていることは、誰にでも身近に起き得ることである。
3世帯を通して描かれるという点にも意味があって、別人のようになってしまった、その対象の人物が「母」であるか「祖母」であるかによって、また見え方が違ってくる様子がケイとその娘サムの目線を通して伝わってくるのだ。
ケイの場合は「母」であることから、今まで育ててもらった恩だったり、長い間会えていなかった後悔なども入り混じりつつも、自分の手に負えないという不安もある。一方、サムの場合は「祖母」であって、少し距離感のある関係ということもあり、責任が直接的ではないことからも、その目に映るのは「可哀そう」という印象が強かったりもする
超常現象ホラーのようでありながら、基礎となっているのが日常にある問題というのが、より恐ろしく感じるの同時に、切なさも強烈に伝わってくる。
アンソニー・ホプキンス主演の『ファーザー』は、認知症の視点から見た世界がサスペンスのように描かれていたことが斬新に感じた作品であったのに対して、割と家族の視点からの作品というのは、豊富にあるし、今までのホラーの中にも、精神疾患や認知症といったものへの日常的不安が悪魔や心霊となって表現されきた作品はあるのだが、ホラーテイストに仕上げながら、身近な問題という絶妙な距離感を保ったことは、今作の特徴であり、大きく評価できる点である。
自分の身近な人物、大切な人物が全く別の存在になっても、存在そのものは内側からも外側からも変わらないとしたら、それでもその人を愛し続けられますか…という問いを極端な角度から求めてくるような作品ともいえるだろう。
登場人物が比較的少ないことに関しても、結局は「家族」の問題でしかなく、周りは何もしてくれない。という皮肉のように感じられた。
物理的な気色悪さだけだったかな?
人は選ぶかもしれませんが私は怖くてドキドキしました。
一人で見に行ったので、暫くは怖がりそうです。
おばあちゃんは本当にただの認知症としていいのか…もっと違うナニかなのか。
現代、家族と疎遠になったりで孤独死のニュースを見る。発見された頃には死後数ヶ月がたち、白骨化していて、床下に人の象った染みが出来る。その染みは、床下を貫通してずっと下まで続いていくとか。
そんな話をどこかで呼んだことを思い出した。
relicの言葉には遺骨という意味もあるので、そういうことなのかもしれない。
家族、ましてや自分の親とそんな悲しい別れ方はしたくないなって改めて思いました。
それはそうと、おばあちゃんは怖くなかったんだけど物音とか人影とかが染みが怖くて日本のじめっとしたホラーっぽいなって思いました。怖かった。
全34件中、1~20件目を表示