劇場公開日 2022年4月1日

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「アスガー・ファルハディ監督作品」英雄の証明 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アスガー・ファルハディ監督作品

2022年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

このアスガー・ファルハディ監督作品を観終わると、「この邦題は、本当に上手くつけたものだなぁ…」と思う映画。

ある職人の男が、借金返済ができずに刑務所に入れられているが、イランの刑務所には休暇があって「刑務所を出られる」というあたりの文化の違いは驚きだろう。
その刑務所の休暇2日の間に、落ちていた金貨を着服せずに、落とし主を探すビラを貼って刑務所に戻ったところ、落とし主に金貨が戻ったという美談で持ち上げられる囚人ラヒム。
彼への「賞賛」はどんどん拡大し、刑務所やチャリティ協会の宣伝棟のような扱いになるあたり、ファルハディ監督が「イランでのSNS」を見せるのだが、その後、彼の暴挙もSNSで拡散されて、ラヒムは持ち上げられて落とされる……という気の毒な男に見える。

イラン映画は、アッバス・キアロスタミ監督から始まって、キアロスタミ監督の後には単発での佳作公開が続いて「少女の髪どめ」などの佳作が観られたが、最近ではアスガー・ファルハディ監督の時代となっている感がある。

本作は、それなりのクオリティが見られるが、個人的には、終わり方がモヤッとした感じが勿体ない気がした。

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たいちぃ