すべてうまくいきますようにのレビュー・感想・評価
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タイトルはとてもよいのですが
安楽死。
自分だったらどう考えるだろう?
というきっかけになればと思って観に行きました。
邦題がいいから期待しちゃう。でも、
内容は父親が駄々こねてわがまま言って無理やり
「すべてうまくいかせる」物語。
アンドレは目標に向けて
ある意味エネルギッシュに
わがまま言って周囲を振り回して突き進む。
アンドレにとってはそれこそが生きるということなのかなと
思った。
むしろそれくらいの方が暗くならないでいいのかもしれない
と思った。
自分に置き換えて考えてみると
フランスと日本の違いだったり
アンドレは資産家だったり
あまり参考にならないのですが、
近い人との別れにどう向き合うか
自分が旅立つ時に
周囲に何をどう伝えるのか
考えておかないといけない。
もう1日も無駄にできない。
という自覚をさせてくれた。
ソフィマルソーさんの人気絶頂期を知っている世代には
年月の経過を自然に感じられ
自分もそれなりの年齢になったことを実感できる。
そこは良かったです。
おそらくまだまだ先になると思いますが、
いつか、日本にも安楽死というものが
選択肢のひとつとしてある時代が来るとしたらうれしい。
最初はある程度資産ある方が優先で実施される制度になると思うけど
庶民にも選べる時代になるといいなぁと思いました。
この作品から学んだこと
まずはできることからやっておく。
少しでも、健康寿命を延ばせるように
運動を怠らない。
なるべく歩き、なるべく階段を選択する。
周囲には威張らずに感謝の気持ちを持ち明るく生きる。
子供達に迷惑をかけないように備えておく。
認知症も予防したい。
人と話し、本を読み、文章を書く。
少しでも仕事をして、世の中の役に立っているという実感を
持ち続けられるようにしたい。
人生100年時代というけど、
心掛けと備えがとても重要だと感じる。
生きてしまった場合のリスクを真剣に考えておかないと。
可もなく不可もなく
フランス映画らしく
命って自分ひとりのものではないと。
全体的には面白かった
どりーんざまりあれてぃ
いまやフランスの国民的俳優となった美熟女ソフィー・マルソー見たさに、どんな話か知らぬまま鑑賞。昨年末、ラ・ブームが公開40周年とかでリマスター版が公開されてたけど、本作上映はそのタイミングもあるのだろう。ただ、ごく最近、高齢で認知症の父を看取った個人的体験があり、自分の場合との比較が頭にチラついて素直に作品世界に没頭できず。
身内の死(と言っても自殺幇助による安楽死の日取り)が迫ってどこか落ち着かない気持ちをもちながらも、ジム行ったりお誕生日会やったり日常は日常としてすぎていく娘側のところはわかるんだけど、父が脳卒中で倒れてからだに麻痺が残ったとはいえ、孫の演奏会を鑑賞したりレストランで食事できるほど快復してるのに、まだ死にたがるか?普通はあらためて生を希求するもんじゃないの?と、根本のところでモヤった。
まあ、パテックの時計をせしめたクソ野郎が愛人だったりすることから思うに、金持ちならではの孤独なんかがあったのか、それとも人生を全うし尽くしたのか。また、頑なに死を望む父とその判断を受け入れる娘たちの姿も、個人とその意思を尊重するフランスならではなのかな。鑑賞中はやや眠かったが、観終わった後でいろいろ想像の余地がある作品ではあった。
PLAN75を引き合いに出している人もいるようだけど、制度で死ぬように追いやられる世界と、わしゃ何がなんでも死にたいから死なせろ!というのでは、話としては真逆のような気がする。関係ないが、星新一のショートショートで、死後の世界がめっちゃ快適だとわかって人々がみんな自殺するという話があったっけ。
回想シーンを最新CG技術を使って少女時代のソフィー・マルソーでやってくれたら★をプラスしたい。
綺麗でした
経済的に恵まれているからこそ選択できる方法。
頑なに希望した父親と娘達のストーリー。父親は美術関係の仕事をしていたから、姿を晒したくないと考えたのかな……でも、大好きな孫もいるのに……
安楽死の手続きや方法、その実際も分かる。
それでも、ラストはちょっとした衝撃でピントのあってない画面の奥を見つめてしまった。
フランス映画だから、部屋の装飾、配置、配色、小物なんかもおしゃれに見えて、色々画面をチェックしてしまった。
そして、ソフィーマルソーは変わらず美しかった。ほうれい線も目尻のしわも全くなくて、きっと毎日顔筋体操やマッサージをしてるんだろうなぁ〜と思った(余計なお世話)。あと、コートやセーター、部屋着から水泳したり、ジムでのトレーニングウェア等など、彼女のファッションショーでもあった。
死への旅路は楽じゃない(笑)
父親は粗野な部分がある、いわゆる頑固オヤジ。長女の回想シーンからも、とても“いい人”には見えません。同性愛者である彼は、孫でさえ姉には目もくれず、弟だけに関心があり可愛がっています。
しかし、元カレ(?)を完全に拒絶出来なかったり、身体が不自由になったら、死にたいと言い出す…これってダメな部分でもあるんですが、正直だったり、人間味があって次第にチャーミングに思えてくるんですよね。
家族が父親を少しうとましく思いながらも愛情があるのは、こういう部分なのではないでしょうか。
*
はじめは病状の事もあり空気も重く感じましたが、後半は姉妹が迷いながらも父親の思いを叶えようと奮闘している様子が面白かったです。あと相続や手続きって色々面倒なんだな、というリアルさがありました(もちろん現実はもっと大変でしょうけど)。
*
HP上のオゾン監督のインタビューにもありましたが、映画の中で答えを出すというよりは、観客自身がそれぞれの死(もしくは生きる)に関して思いを巡らせる映画だと思います。原作は故エマニュエル・ベルンエイムが父のことを書いた同名小説らしく、読みたくなりました(日本でも出版してほしい)。
なぜ原題と大きく意味を変えてしまったのかが本当に謎…。
今年43本目(合計696本目/今月(2023年2月度)9本目)。
いわゆる尊厳死を扱った映画です。
日本では「消極的な」ものは行われていますが、「積極的な」ものについては今でも犯罪に問われるという考え方が強く(判例もはっきりしていないし、医師としても免許はく奪などの処分になる「可能性がある」(判例がしっかりしていないため)ものをやるのは怖い)、日本とはやや違います。ただ、これから高齢化していく日本では遅かれ早かれテーマになっていくのでしょう。
ということで、海外フランスを舞台にした尊厳死の在り方を問う映画です。ストーリーはちゃんとありますし、アクションものなど何ら関係しないものは大半出ないのでそこは大丈夫です。日本では「導入が検討されている」「合法かどうかは別として、存在は知っている」人が多いこのテーマを、海外で合法化されているフランスを舞台に描いたというのは大きかったかなと思います。
日本ではまだ生命倫理に対する国民(ここでは外国人等でも長年住んでいて、意思を表現できうる日本語ができる外国人なども便宜上すべて含む)の考え方がまだ流動的で、また法制度もまだまだといったところですが、それでも少しずつですが、日本でも「このような」(映画内のような「積極的な」やり方)をとっていくことになるのか、それは10年20年先の話になってくるかなと思います。
採点としては気になったのは下記です。
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(減点0.5/原題を変えすぎた結果、タイトルの意味が全然違う状態になっている)
まず、原題は何かというと
Tout s'est bien passé.
…で「すべてはうまくいった」という過去形(複合過去、se passer のような代名動詞はetreで複合過去を作る)という意味です。
しかし日本は「すべてうまくいきますように」は少なくとも「過去にそうなっていない、未来どうなるかを願う」意味の文です。
つまりこの2つはそもそも「意味が全く異なるなら示唆する内容も違う」部分です。
ただ、この類の変更を「英語で」やるとさすがにバレてしまうので(一応、中高で英語は6年間やりますから)まれにしかみませんが、(英語以外の)外国語で「時制ごまかし」といのははじめてです。もっともこれも、「すべてはうまくいった」だと、「映画を見る意味がなくなる」ため(どうなったか、結果がわかってしまうため)、こう翻訳せざるを「えなかった」ということになりますが、それでも仏検準2くらいあると、「???なタイトルと???な日本語字幕が出て、未来のことなのか過去のことなのかわからない」状態になってしまいます。
これは…まぁ、趣旨(どうなっているかわかると映画の趣旨的に人が来にくい)点は理解するものの、原題タイトルから「未来の希望」を述べるような文になっていないことは明らかで(直説法複合過去、という一番簡単な過去形。なお、「複合」過去という以上「単純」過去はあるのか?というと「単純過去形」という過去形もありますが、めったに使いません)、多少にもフランス語がわかるよレベルだと???な状態になり、それもそれでどうなのか…というところです。
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尊厳死が、金持ちの道楽に思えてしまうのはいただけない
なぜ、父親が、あれほど死にたがっているのかが、まず、分からない。
別に、寝たきりになった訳ではないし、耐えられない苦痛に苛まれている訳でもない。
半身が麻痺しているとはいえ、車椅子を使えば、孫の演奏会を鑑賞することもできるし、レストランで美食を楽しむこともできる。
そうした姿を見ていると、父親が望む尊厳死が、金持ちの道楽のように思えてしまうのである。
それから、登場人物の関係性というか、彼らが抱えている確執のようなものが、よく分からない。
劇中、2度ほど、主人公である長女が子供だった頃のエピソードが描かれるのだが、それでも、彼女と父親との関係性は、はっきりしないままである、
たまに顔を出す母親は、さすがに存在感があるものの、彼女と、父親や娘たちとの関係性も、今一つ、明確に描かれない。
極めつけは、「くそ野郎」で、一体何者なのかが、しばらくの間、分からないままだったが、終盤で、ようやく父親の恋人だったらしいことが判明する。それが、いかにも当たり前のように描かれているのだが、フランスでは普通のことなのだろうか?
いずれにしても、登場人物の関係性がよく分からないため、彼らにすんなりと感情移入することができないのである。
それから、尊厳死に賛成だとか、反対だとか、そうした政治的なメッセージを声高に訴える映画ではないのだが、それにしても、すべての描写が淡々とし過ぎているのではないか?
例えば、警察に呼び出されるくだりなどは、ドタバタ劇として面白くなりそうなのに、やけにあっさりと終わってしまうし、ラストに、心を揺さぶられるような展開が用意されている訳でもない。
娘たちの葛藤を描くにしても、もう少し、映画的な盛り上りがあっても良かったのではないかと、物足りなさを感じてしまった。
最後まで主人公な父親
ドタバダするシーンやすっとぼけたオヤジのシーンを見るとちょっとコメディっぽくもあり笑ってしまった。
ラストシーンはフランス映画によくある感じ。
お年寄りが半数以上占め満員御礼の平日の昼に鑑賞。他人事じゃないって感じなのかしらん?
金持ちは死ぬまで道楽もの
ソフィー・マルソーが歳を重ねてもソフィー・マルソーで、美しい。
いい歳の取り方で、羨ましく感じた。
アンドレ・デュソリエの演じる父アンドレは、確かに黙ってられない、かまってほしいくせに、頑固で人の話を聞かないタイプ。
今まで自由を謳歌しておいて、病気で身体が麻痺したら安楽死を望み、娘にやり方を調べろと命令した自分のせいで、その娘たちの身が危なくなるという始末。
見方によって、チャーミングな可愛らしいおじいさんとも言えるが……
弁護士だの、国境越えでタクシーがわりに使える民間救急車だの、さまざまな費用だの……
「金があると、生き死にも自由なんだな」という点が、鼻についちゃって。
世の多くの人は、死にたくないのに(または死ぬと分からずに)死を迎えるのに、剛毅かつ豪勢な死に方を選べるなんて。
まぁ、金持ちはいいよな……
と、カツカツで生きているこちらの僻み根性を、アイスピックで突き刺すような刺激をいただきました。
観客が、『PLAN75』同様に70~80代が多く、みんな死に方に興味あるのかな、って印象も受けました。
23-020
難しいテーマなのにどこか軽やか
オゾン監督作品ってことで身構えてしまったけど、スイミングプールの脚本家による自伝的小説の映画化ということで、素直に観ることができるよい作品でした。
尊厳死を望む父とその娘たちのストーリー。娘のエマニュエルをソフィー・マルソーが好演。
「すべてうまくいく」とか「順調」とは一体なんだろう?と思うくらい尊厳死のハードルは高く、いろんなことが巻き起こる。むしろ全く順調には進まない。でもそれは生きるための必然なように、意志的な死を望む時の必然なのかもしれない。
愛なのか、へそ曲がりなのか、どちらか判別が難しいように、何が順調なのか何が人にとっての幸せなのか、尊厳とは何なのか、答えは綺麗には出せない難しい問題なのだと思う。
ただ、選べるということと、その意志を尊重しようと周囲が支えてくれること、それが尊厳や幸せの一つの形なのかもしれないなと思った。
重いテーマだけど、意志を尊重し寄り添おうというみんなの姿勢に救われたせいか、視聴後感は悪くない。
一見すると「些末なシーン」
冒頭、急を要する電話でバタバタと家を飛び出すエマニュエル(ソフィー)。エレベーターを待つのも惜しい様子で階段を駆け下りますが視界がぼやけます。どうしたのかと思えば、家に戻ってコンタクトを入れるシーン。一見すると「些末なシーン」にも思えますが、このシーンで如何にエマニュエルが焦っているかを伝えています。そして、その後の怒涛のような出来事から一旦帰宅し、そのコンタクトを外すところまで見せるなど「小道具」一つで状況や心情を表す演出、裏切りません。
脳卒中を機に介護が必要になったことで、生き続けることよりも尊厳死を求める父。姉妹は思い悩みつつも父の絶対的立場と、頑なな意志の強さにその計画を進めざるを得ません。
それでも良い展開から当然のように「期待」を持つ娘たち。ところが、期待したばっかりに「落胆」も深くなる父の言葉に、彼女たちへ同情しきりです。
とは言うものの、彼女たちにも生活と家庭があり、感傷に浸っている間もない感覚を実感できる展開のテンポの速さもきちんと効果的です。
そしてソフィー・マルソーの「疲れ切った顔」が素晴らしくリアルでいい。勿論、相変わらずの美しさはベースにあるのですが、発散を兼ねて余裕があればスポーツしているシーンに、彼女自身の美貌キープへの意識の高さも重ねて感じ取れます。
さらに、他のキャストも皆素晴らしく、父・アンドレ役のアンドレ・デュソリエは頑固だけど茶目っ気たっぷりでついつい笑わされますし、シーンは少ないながらも母・クロード役のシャーロット・ランプリングも相変わらずの存在感で強く印象に残ります。
「尊厳死」という難しい題材ながら、やはり「選択肢」という観点においては議論することくらいは余地があってしかるべきと思える、いいバランスの作品ではないかと思います。
安楽死と尊厳死、どう違うの?
高齢者にはかなり響く作品
なんだろ この空虚な後味…
ソフィーマルソーいいねー。
年齢を重ねることで人は魅力を増すことを周知させる力。
それにしても 巧みな役者達が演じてるのにまるで心に届かない不思議。 泣きも笑いも胸熱くなることさえない時間がラストまで。
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