「潔いラストが残す深い余韻」すべてうまくいきますように 12shiho28さんの映画レビュー(感想・評価)
潔いラストが残す深い余韻
フランソワ・オゾン新境地
尊厳死と家族愛がテーマながら、時にコミカルささえ交えたライトなテイストで描く
フランス人らしい頑固ジジイの最後のワガママ
尊厳死は、父にとって人としての誇りを保つ最後の選択肢
それを理解したからこそ、断腸の思いで父の願いを叶える為に奔走する娘たち
尊厳死の手続きを進めつつ、最後の最後まで父の気が変わることを願い、さまざまな感情に振り回される長女役のソフィー・マルソーが素晴らしい
尊厳死が決まってから、逆に生き生きとして回復も早まる父の姿に一喜一憂し、最後の晩餐だとジョークを飛ばす姿にトイレに駆け込み号泣する
そこに、鬱を患う母、父の元彼、親族が絡んで事態はややこしくこじれていき、まさに、すべてうまくいきますように、と言う気持ちになる
尊厳死が生きる活力になっている父の姿に、人の尊厳、を考えさせられる
感傷的でない、潔いラストも、逆に深い余韻を残して私は好き
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