「安楽死?」すべてうまくいきますように yanpakenさんの映画レビュー(感想・評価)
安楽死?
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こんなに幸せな人がなぜ死にたいのかよくわからない。そう思いながら見ていたら、死ぬ理由など、どうでもよくなった。というのは、主人公をめぐる人間関係が色々、気になって、仕方なかったからだ。
まず、ジェラールが気になる。資産家の家に一人は必ずいるような人生の落伍者だが、一体何があってこうなったか、説明がないので、すごく気になる。そう思うと、主人公の妹も何か、謎めいていて、気になる。主人公の母親もなぜ、病気になったのか、背景の説明がないので、気になる。
一番気になるのは、主人公のホモの夫。ほんとにホモかどうかもよくわからないが、主人公がボクシングするので、夫がホモでもいいかもしれないと、納得できる気もするが、夫は結構、登場するのに、存在感が薄い。シャイなのか、ホモだから引け目を感じているのか、よくわからないが、気になって仕方がない。
テーマは結局、安楽死ではなく、安楽死をめぐる人間喜劇だということはよくわかった。そういう映画としては大変面白い。しかし、夫の存在感の薄さは意図的な演技なのか、結果的にそう見えてしまったのかは、よくわからない。他の人物の過去をあまり説明しないのは、意図的な演出だと思うが、夫だけは、謎めきが強すぎて、演出の失敗ではないかという気もする。ソフィー・マルソーがすごく魅力的に見えたのはよかった。
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