「死への旅路は楽じゃない(笑)」すべてうまくいきますように せんさんの映画レビュー(感想・評価)
死への旅路は楽じゃない(笑)
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父親は粗野な部分がある、いわゆる頑固オヤジ。長女の回想シーンからも、とても“いい人”には見えません。同性愛者である彼は、孫でさえ姉には目もくれず、弟だけに関心があり可愛がっています。
しかし、元カレ(?)を完全に拒絶出来なかったり、身体が不自由になったら、死にたいと言い出す…これってダメな部分でもあるんですが、正直だったり、人間味があって次第にチャーミングに思えてくるんですよね。
家族が父親を少しうとましく思いながらも愛情があるのは、こういう部分なのではないでしょうか。
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はじめは病状の事もあり空気も重く感じましたが、後半は姉妹が迷いながらも父親の思いを叶えようと奮闘している様子が面白かったです。あと相続や手続きって色々面倒なんだな、というリアルさがありました(もちろん現実はもっと大変でしょうけど)。
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HP上のオゾン監督のインタビューにもありましたが、映画の中で答えを出すというよりは、観客自身がそれぞれの死(もしくは生きる)に関して思いを巡らせる映画だと思います。原作は故エマニュエル・ベルンエイムが父のことを書いた同名小説らしく、読みたくなりました(日本でも出版してほしい)。
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