劇場公開日 2023年2月3日

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「なぜ原題と大きく意味を変えてしまったのかが本当に謎…。」すべてうまくいきますように yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5なぜ原題と大きく意味を変えてしまったのかが本当に謎…。

2023年2月9日
PCから投稿

今年43本目(合計696本目/今月(2023年2月度)9本目)。

 いわゆる尊厳死を扱った映画です。
日本では「消極的な」ものは行われていますが、「積極的な」ものについては今でも犯罪に問われるという考え方が強く(判例もはっきりしていないし、医師としても免許はく奪などの処分になる「可能性がある」(判例がしっかりしていないため)ものをやるのは怖い)、日本とはやや違います。ただ、これから高齢化していく日本では遅かれ早かれテーマになっていくのでしょう。

 ということで、海外フランスを舞台にした尊厳死の在り方を問う映画です。ストーリーはちゃんとありますし、アクションものなど何ら関係しないものは大半出ないのでそこは大丈夫です。日本では「導入が検討されている」「合法かどうかは別として、存在は知っている」人が多いこのテーマを、海外で合法化されているフランスを舞台に描いたというのは大きかったかなと思います。

 日本ではまだ生命倫理に対する国民(ここでは外国人等でも長年住んでいて、意思を表現できうる日本語ができる外国人なども便宜上すべて含む)の考え方がまだ流動的で、また法制度もまだまだといったところですが、それでも少しずつですが、日本でも「このような」(映画内のような「積極的な」やり方)をとっていくことになるのか、それは10年20年先の話になってくるかなと思います。

 採点としては気になったのは下記です。

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 (減点0.5/原題を変えすぎた結果、タイトルの意味が全然違う状態になっている)

 まず、原題は何かというと
  Tout s'est bien passé.
 …で「すべてはうまくいった」という過去形(複合過去、se passer のような代名動詞はetreで複合過去を作る)という意味です。
 しかし日本は「すべてうまくいきますように」は少なくとも「過去にそうなっていない、未来どうなるかを願う」意味の文です。

 つまりこの2つはそもそも「意味が全く異なるなら示唆する内容も違う」部分です。

 ただ、この類の変更を「英語で」やるとさすがにバレてしまうので(一応、中高で英語は6年間やりますから)まれにしかみませんが、(英語以外の)外国語で「時制ごまかし」といのははじめてです。もっともこれも、「すべてはうまくいった」だと、「映画を見る意味がなくなる」ため(どうなったか、結果がわかってしまうため)、こう翻訳せざるを「えなかった」ということになりますが、それでも仏検準2くらいあると、「???なタイトルと???な日本語字幕が出て、未来のことなのか過去のことなのかわからない」状態になってしまいます。

 これは…まぁ、趣旨(どうなっているかわかると映画の趣旨的に人が来にくい)点は理解するものの、原題タイトルから「未来の希望」を述べるような文になっていないことは明らかで(直説法複合過去、という一番簡単な過去形。なお、「複合」過去という以上「単純」過去はあるのか?というと「単純過去形」という過去形もありますが、めったに使いません)、多少にもフランス語がわかるよレベルだと???な状態になり、それもそれでどうなのか…というところです。
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yukispica