「それぞれの道」3つの鍵 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの道
イタリアのとあるアパートで暮らす3家族の悩める人生を描いた作品。
とりあえず顔と名前を知っている程度の間柄で、皆独自の問題を抱えながら過ごしている様子。
3家族とも偏り過ぎずバランスよく描かれている様子だが、3つの物語が上手い事リンクしているのかと思いきや、粗それぞれ独立したストーリーみたいですね。
皆が抱える問題は、大きいものの、誰もが抱え得るありふれたものでもありますね。
心配性、妄想癖、病気、親子の過干渉、不倫・・・。
客観的な目で見れば、登場人物は皆かなりクセがあり、滅茶苦茶なことを言っていたり、ふざけてるなぁ・・・と思いつつ、案外皆ワタクシ自身に重なる部分もあり、中々のめり込めさせられる展開。
その他、各家族の抱える問題の原因は何なのか?公園ではいったい何が起きたのか?
・・・等々の謎がどう展開していくのかという点も非常に気になる。
当時こそは躍起になっていたものの、時間が経つにつれ知るのが怖くもなっていたのかな。10年経ってようやく聞けた真実に、観ているこちらも少し目頭が熱くなった。
で、こっちの家族は結局どうなったのか。最後観たのは幻!?
さらに、こっちの家族は、結局良い感じになったの?だとしたらきっかけは??
でも、度々電話するシーンは個人的にすきだったかな。
結論から言って、一番気になっていた部分はハッキリしたけど、その他あやふやなままだったことも多かったし、煮え切り切らない感じは否めない。
それでも、ちょっとした選択で狂う暮らしや、誰でも陥る可能性のある闇、そして少しずつ明るい方向へ進む人々の姿に胸が熱くなった。
まさに、人々の日常、人生を描いた名作といった感じだった。
ワタクシも今の部屋に住んで、幾度の更新を迎えたものの、隣人の顔は一切知らず。。
きっと皆人に言えない悩みを抱えて生きているのだろうなぁ。なんて思いを馳せてみたりした。