「多様な愛のカタチ」TITANE チタン ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
多様な愛のカタチ
ジュリア・デュクルノー監督は只者ではない!と率直に感じた作品です。
2021年に見逃していた過去作、満を持して2025年元日に鑑賞しました。
元日から観る映画ではないですね(笑)
冒頭描かれる主人公のアクレシアの異常性(クルマが好きすぎ、父親からも叱られるくらい)、
そこへ事故ってからの頭蓋骨💀へのチタン埋め込み。
そこからアクレシアの異常性が爆発的になっていき、クルマと性交(模擬?)するくらいに。
加えて、殺人衝動にかられ、殺人鬼に。
もう、主人公のキャラクターが凄い設定ですよ。こんな主人公見たことないです。
そこから男性に化けて逃げているところに、ヴィンセントと出会い、
息子として大切に扱われているうちに、親子の愛情?が芽生えるのですが、
どうもヴィンセントからすると息子(というか子ども?)への愛情なのでしょうが、
アクレシアは異性への愛情だったようにも思います。
そりゃそうですよね、アクレシアからするとお父さんではないので、ごく自然な感情だと思いました。
アクレシアは妊娠し(クルマとの子ども?それとも 人間男性との子ども×チタン?)、
ラストではヴィンセント立ち合いのもと出産し、そして、アクレシアは亡くなる&子どもは
きっとヴィンセントが育てるのでしょう(俺が付いていると言っているし)。
アクレシアの体から表出するオイルと思しき母乳と破水。
見たことない、こんな映画(笑)
でも、人間の根源的な愛情といったことが監督の伝えたかったことなのかなと思いました。
それにしても痛い表現が多くて、ちと辛かったです。劇場で観ていたら気分が悪くなっていたかもしれないです。
しかしながら、体当たりの演技をしているアクレシア役のアガト・ルセルは凄いです。
監督ともども、次回作を楽しみに待ちたいと思います。
2025年スタート早々、大衝撃を受けた作品との出会いでした。