劇場公開日 2022年4月1日

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「女体嫌悪あるいは女体蔑視がある!」TITANE チタン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0女体嫌悪あるいは女体蔑視がある!

2022年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

どうにも不可解な作品で、困惑した。
観てる間は決して退屈ではない。
寧ろクスッと笑いさえした。
前半と後半で主人公は、明確に変わる。

アレクシアとしてに生まれ、少女期に交通事故で
頭にチタン製のプレートを
埋め込まれた女性の変遷を描く。

成長してアレクシアはショーガールとして働くセクシーな踊り子だ。
チタンのせいなのか?
殺人衝動があり、
何人も残酷にヘヤピンで殺す。
殺しの後にショーで使われた車に性衝動を覚えて激しくファックする。
(なぜか腹が膨らみ彼女は妊娠している)
ここまでの描写はポップで音楽もなかなか良い。

指名手配犯になったアレクシアは、少年に変装するため、
髪を切り眉を剃り、膨らんだ胸と腹に布を巻きつける。
そうして10年前に失踪した少年・アドリアンになりすまして、
アドリアンの父親・ヴァンサンに引き取られる。

ヴァンサンに出会ってから彼女は徐々に人が変わる。
性別と名前が変わったから?
それとも無償の愛を捧ぐヴァンサンに動かされた?
自分の身体に育つ胎児。
身体の内部に異物が有り、自分の半分を占領されれば、
変化するし受け止められないし戸惑いもある。

美しかったショーガールのアレクシアの面影は何処にもない。
醜い妊婦の裸体・・・(この裸体は醜くデフォルメされる)
顔も身体も全て醜悪なアレクシア。

ヴァンサンを演じるヴァンサン・ランドルがアイロニーを滲ませて秀逸。
この映画の魅力はヴァンサンに尽きる。
主役の女優・アガト・ルセル。
特殊メイクや特殊なボディで異彩を放つ。
でも演じてなんの感動も達成感もなかっただろうな。
彼女は消費された商品。

殺人衝動も妊娠も、
みんな埋め込まれたTITAN(チタン)のせいなの?
そんなものの「せい」にするなよ!!
男社会の映画だなぁ。

ジュリア・デュクルナー監督は女体嫌悪がある気がする。
女に生まれて良かった・・・とは思っていないだろうな。

琥珀糖
caduceusさんのコメント
2022年12月25日

こんにちは。こちらこそ、いつもありがとうございます!
カンヌは変態の宝庫です。これを観て、何を感じろというんでしょうか。
いくら映画が好きと言っても、勘弁してほしくなります。

caduceus
rin*さんのコメント
2022年12月25日

こんばんは🌙
場面場面で、切り取れば
美しい箇所もありますが、全体的にキツい映画ですね。。
私はXmas過ぎてしまいますが、12月27日にシネマート新宿で『ヘビィトリップ』を観に行きます‼️🦌✨フィンランドののんびりした楽しい作品です。毎年恒例なので、今からワクワクです😊

rin*
大吉さんのコメント
2022年12月24日

いつも有り難うございます。
フランス映画に求めてるものって、美しさやお洒落ですよね。

大吉
バスト・ラーさんのコメント
2022年12月24日

コメントありがとうございます
映画に出てくる女性の肉体て、フィクション丸出し漫画のようなプロポーションの完璧ボディが当たり前だけど
こういう映画見てると虚構として成立するギリギリのラインであえて醜く映す、てのも技術の一つなんだなーて思いますよねえ

バスト・ラー
talismanさんのコメント
2022年12月24日

こんにちは。女性の身体は美しくも醜くもあり病んだり老いたりもするもんだーをも描いてると思いました。というのは琥珀糖さんがレビューに女体嫌悪について書かれていたので初めて、あ、そうかー!と気づいたからです。ありがとうございます

talisman