「鉄男 meets ローズマリーの赤ちゃん」TITANE チタン Naokisky2さんの映画レビュー(感想・評価)
鉄男 meets ローズマリーの赤ちゃん
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聖書に出てくる汚れた方のマリアが彼女のキャラクターの背景にあるのだろう。日本で言うと隠れた天照の前で裸踊りをしていた女人にあたるのだろう。映画の中では身体は女性でも男性的に描かれて、性的関心を観客に持たせる雰囲気は中盤では全くなかった。火の鳥の我王がごとく悪の人間が放浪した最後に行き着いた、命をつなげることの尊さに茫然としてしまった。その命はただただ無垢な産声をあげていた。チタンの背骨を曝しながら。彼女は幸せな人生を歩んだのか?彼女の新しい父親はこれから幸せになれるのか?息子が産んだその子をどう育てるのか?この映画を観た我々はこの父親のように、生きづらさを受け入れながらもそれを克服せんと神の与える試練に耐え続けなければならないのか。それでも人生は続くのだと、エンディングロールの重厚な楽曲が脳髄の奥に響き渡った。
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