「本当に最悪。」わたしは最悪。 アビーズ・ラッシュさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に最悪。
ここまで自由に、自分の思いだけで生きて、大事な「もの」を捨てながら生きていける。
こんなに自分勝手ができることに共感を持った映画かもしれませんが、同じ人類としてああいう行為は悲しくなってくる。
だから、タイトルを忠実に表現できている映画とも言えますね。
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レントさんのコメント
2025年2月25日
聖なるイチジクの種のレビューにコメントありがとうございます。私はこの作品は国家の体制が家庭をも破壊してしまうということを描いていると思っています。次女が悪いとか父親が悪いとかそんなことではなくて。父親は敬虔なムスリム、そして国家は政教一致の独裁国家でありイマンの篤い信仰心を利用して従わせようとします。イマンは信念に反すると思いながらも出世のため家族のため死刑判決の書類への署名を拒否できません。彼は引き返せないところまでどっぷり国家体制に染まってしまいます。この点彼も気の毒です。そんな彼の気持ちや立場を理解できない娘たちは国家に従う父親も国家と同じだと感じます。それはそうです、イマンは自分の置かれた立場を機密厳守のために娘たちに話せないからです。国のがんじがらめな体制が家族との会話さえも禁じるのです。対話を奪われた家族は次第に崩壊せざるを得ません。この国家に対する反抗心から、そして何とか昔の父に戻ってほしいという思いから次女は拳銃を隠したのだと思いました。
今トランプ政権のアメリカでも彼を支持するかしないかで家族間でも分断が生じてるそうです。国家の体制が家族をも分断させる。そういうことを描いてるのだと私は思いました。あくまでも私個人の映画に関する感想です。