「時間を止めて会いに行きたい」わたしは最悪。 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
時間を止めて会いに行きたい
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「わたしは最悪」って言うほど、最悪じゃないやん、って言うのが第一印象ですよ。医大から心理学へ転身し、物書きに中途半端に手を出したり、カメラを手に取ったり。年上の彼との同棲から情動に任せて浮気しーの。その浮気相手とも別れて、物語りの最後ではカメラマンとしての生活を送っている。
途中に妊娠や母親になることへの怖れ、何ての織り込んで来たりするんで、こりゃありがちな、女性の自分探し&自立物語りであって、「最悪」ってほどの話でもなく。
と物足りなさの残る映画なんですが。
不思議と。奇妙なことに。
「The Worst Person in the World」と言う原題フィルターを通して物語を眺め直すと、印象が変わります。"Person"なんっすよ。”Woman”でもなく、「私」でもなく、客観的に”Person”なんですよ。
確かになぁ。主人公は、いくつかの場面で、最悪の選択をしてしまう最悪の人物、って言えなくも無く。流れに沿って、一人の女性の生き方として見ればですよ「ただ自由に生きてるよね」って言うだけの物語りですが、局面局面では最悪の選択を積み重ねてたりして。
脚本が技巧的、って、見終わってから感心することしきりです。
と言うか、邦題、酷いね、地味にw
ユリヤ役のレナーテ・レインスベのカンヌ主演女優賞には納得です。128分の間に、よくも、これだけの表情を見せてくれたなと。それにも感心致しました。
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こころさんのコメント
2022年8月18日
bloodtrailさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
「 ありとあらゆる… 」、そうですね 🤔
スクリーンに映る感情を曝け出した彼女の姿は、生き生きと魅力的でもありました。