「「あなたは最高」と言ってくれる人と出逢い」わたしは最悪。 あささんの映画レビュー(感想・評価)
「あなたは最高」と言ってくれる人と出逢い
人生の決断に対して、“果たしてあの決断は正解だったのか?”“あの時〇〇していたら”というタラレバが脳裏をよぎる時がある。
ユリアとアクセルの2人を見て、自分自身の体験が蘇った。
映画やドラマのように人生がスムーズに進む人ってどのくらいいるんだろう。
とりわけ人間関係や恋愛は本作のようにタイミングが合わなかったり、人生のステージや求めるものが違うとあっという間に終止符が打たれる。
多くの人が今いる場所に不満や疑問を抱きながらも行動せずに、惰性で生きている。
だからこそ迷い、つまづきながらも、オスロの街で果敢に生き抜く逞しいユリアに対して、羨望や共感が大きかった(もちろん老婆心もあるが…)。
(以下、ネタバレ)
10章から物語が大きく動き出す。ベッドの上でアクセルがヘッドホンをつけて踊る姿になぜか涙が止まらなかった。アクセルがユリアに「君は最高だよ」と話すシーンがある。自信のなかったユリアが最も求めていた言葉じゃないだろうか。
こうして自分を認めてくれる人がそばにいてくれるだけで希望が持てる。だけど、大事な人、大切なことって失ってから気づくんだよね…。嗚呼、人生。
期待をもたせない“人生讃歌”に好感が持てる。
コメントする