「心の中を曝け出すだすから生きられる。」フラッグ・デイ 父を想う日 Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
心の中を曝け出すだすから生きられる。
エンドロールでジェニファー・ボーゲル( Jennifer Vogel)の書いたFlim Flam Man と言う回顧録だと分かった。父親、ジョン(John Vogel)と家族についての赤裸々な思い出をここに回顧録として書いたことにより、改めて、自己を振り返り気持ちの整理ができたし、最後で許す機会を失った父親を許すことができたと思う。毒親を持つと、ましてや、お尋ね者で自殺をした父親だから、生前より、蟠りが残り許すことができなくなる。毒親でも『あの時こうしていれば、、、』と言う後悔が残ってしま
うだろう。だから、回顧録という形をとって、ジニファーは自分の内省も含めて心の中を曝け出せるし、整理もできて良かったと思う。
この映画から『ガラスの城の約束』を思い出した。両方、毒親の父親を持つが、『ガラスの城の約束』の父親の方が、机上での勉学ではなくYou Learn from livingという言葉のように娘を学ばせる教育実践が気に入って、結構映画の内容が好きだった。
「フラッグディ」はこんな父親を持って子供は大変だなとしみじみ思える作品であった。父親(ショーンペン)が1992年、アメリカ、ミネソタ州の偽札事件の張本人だとは、娘ジェニファーも、息子ニック(ホッパー・ペン、ショーンペンの息子本人)も思っていなかったろう。あの繰り返し繰り返しつく嘘、そして、何度も何度も許してきた娘だが、父親の自殺の前の時は許してあげていなかった。ここがジェニファーにとって、苦しみになった。
ただただ、父を思う気持ちがひしひしと伝わってくるが、父の行動を信じることができない娘が可哀想で。親子の信頼関係が築けないのが、なんとも言えず悲しい。こんなに父親が好きでもいつも疑っているなんて。父親が車、ジャグアを買ってあげると言って、車屋か誰かとコードの繋がっていない電話で話しているシーンは呆れるというより、ここまで娘に。嘘もほどほどにしろと大声で叫びたかった。
どんな役でもこなせるショーンペンは好きな俳優の一人なんだが、この映画は先が読めるのでつまらなすぎて、ちょっと困っちゃった。フォーカスを娘において観続けたど、それも、ジャーナリスになるため大学に行く前は、蛙の子は蛙だと思った。しかし、金がなくても、大学に入れる米国の教育と批判的思考能力のおかげで、彼女はやり直しができて、カエルの子はカエルにならないで良かった。
Olivia Vedder, Eddie Vedder, Glen Hansard - My Father's Daughter
エディ・ベンダーの娘、オリビアが歌う。